カテゴリー:コラム

自分で考える

市場ではマクロ系ヘッジファンドの話題で持ち切りのようです。日本人は付和雷同型で、扱いやすい国民性なのですね。日経新聞を観ると分かります。多くのニュースは発信元が同じで…同じような内容を繰り返し報道します。どのチャンネルを観ても、同じ解説が殆どです。例えば…輸出企業の企業業績が載っていましたが、為替予約など…近年は、企業の財務部門もなかなかです。中には…部品の生産調整を変える所もあります。ただ多くの企業は日経新聞社の言う通りですね。

ジャムコは航空機の化粧室などの内装品を作る会社で、世界シェアは3位の会社です。(フランスのゾディアック・エアロスペースや米国のB/Eエアロスペースに次ぐ)調理をするギャレー分野、座席などの需要は増すばかりでした。しかし多くの生産工場が国内にあり、為替の影響を大きく受けます。2010年の頃、カタルは航空機需要が大きく伸びるので、このジャムコを始め、大阪チタン、住友精密など…色んな会社を観ました。でもジャムコは、なかなか上がりませんでしたね。世界的な実力なのに、何故か…。不思議だったのです。その大きな理由が為替でした。結局、日銀の量的緩和で円安に向かい、利益が溢れてきました。故に株価は500円から5000円台に向かいました。今度は…逆風ですね。

大阪チタンに注目し始めましたが…チタン供給のほとんどは、ロシアが輸出しています。ボーイング社内にも、今までは在庫があったようですが、かなり減っていると報道されていたところに、ロシアのウクライナ侵攻です。よって。米国など先進国はロシア制裁に動きました。その為にこの所、在庫が急激に減っているようです。このような背景の所に、先日、日経産業新聞に報道された新日鉄住金のチタン合金の報道です。ロシアのシャアを奪っていると…報道されていました。此処に大阪チタンは在庫が減ったので、主力工場の稼働率を上げると報道されました。

航空機需要は…しばらく高水準な生産が続きます。大阪チタンはチタンが主力で、ポリシリコンを生産しています。半導体の材料ですね。ただ近年は、携帯電話などの生産も落ちています。故に、前倒しで設備償却費などを計上し減損会計をしたわけです。この為に定期的な償却費が消えますので、日々の収益が改善します。何故、チタンが大きく、今回の航空機需要で伸びないのか? 一つは炭素繊維などの新素材の活用や、アルミなど生産技術の向上なのでしょうが…、最近はエンジン部品への活用も広がっているようです。ロシア制裁などの行方に収益は左右されるのでしょうが、在庫の適正化から収益の改善は大きな材料でしょう。もともと、市況ものは一旦、需給がタイトになると価格が急騰します。

チタンの輸出状況

チタンの輸出状況

カタルは何年もチタンの輸出動向を追っています。そのグラフ推移が此方です。このグラフは財務省が発表している貿易統計の品目を指定して、輸出動向の動きが分かるのです。チタンの番号は810820です。基本的に株屋と言うのは、いい加減なレポートなどを信じず、自分で実際にデータを作成します。ある意味でアナリスト的な観察をするわけです。株価動向は…近年の最安値水準で減損会計を実施し大幅赤字から黒字転換です。主力製品の稼働率が上がるので、株価が上昇する条件は揃っています。通常、大きな玉を扱う場合、更にボーイング社の在庫状況や、エアバス社の動向も調査します。

でも…ね。条件は揃っていても…、必ず株価が上昇するとは限りません。ジャムコのケースは2年程、カタルの予測よりズレました。ケネディクスは、間もなく3年になります。景気循環の読みは、難しいでしょう。イエレン時間やダリオなどの考え方の背景を述べているので分かると思います。日銀の黒田さんは、物価目標を4度目の先延ばしをしています。この辺りは難しいのですね。本来、目標に達しないと見込まれるのなら…何らかの政策を発動するのが普通です。しかし金融政策が、実体経済に影響を与えるのは、多くのケースでは6か月先です。

欧州のケースを観ると…景気動向は日本より良いように見えます。それなのに、未だに緩和姿勢を続けています。イタリアなどの不良債権が減らないのです。カタルはこのようなミスマッチは、過剰な金融規制の為に、生まれていると思っています。米国でもそうですね。だいたい保護主義のトランプ氏や、社会主義者のサンダース氏が躍進して、アメリカンドリームが消えています。アップルのスティーブ・ジョブズ神話などが消え始めていますね。なんか…なかなかスッキリしない状態が続いています。

景気浮上は「金融政策」と「財政政策」が主流です。しかし過剰に金融を緩和しても、正常な裁定活動が、なかなか始まりません。その為にお金の流れが鈍くなっています。通常は資金移動が経済活動の進捗度を決めます。既にドイツではIoTを利用した生産革命が起っており、日本は大きく出遅れています。今回の熊本地震でも明らかですね。トヨタは生産再開までに、2週間も掛かっています。情報を活用できていないのでしょう。

決算数字もそうです。通常は決算日の翌日には、数字は固まっている筈です。何故、1カ月以上も待たされるのでしょう。このIoTの時代に…。在庫把握など瞬時に判明する時代ですね。アマゾンを観れば分かります。これを拒んでいるのが村論理ですね。JAなどの利害団体の存在です。日本医師会もそうです。何故、電子カルテの普及や診療予約などの分野で…IoTを活用しないのか? 大病院では2時間も3時間も待つのが当たり前になっています。こんなバカな話しはありませんね。医療改革は急務の分野です。

市場経済は、必要な所にお金を流す役割を担っています。先日、クラウドファンディングの事例を掲げましたが、時代は大きく動いています。今は端境期で…いろんな景色図が変化していますから、時代の観察は重要です。自分が時代の背景をどう捉え、どう感じて、どう考えるか? 自分で確りと相場の空気を読み考えねばなりません。今の時代は非常に良い時代ですね。インターネットで様々な情報が拾えます。やる気になれば…自分で経済分析が簡単に出来ますね。基礎的な知識さえあれば…自分で高水準な知識レベルまで到達できます。そうすると…投資の精度も自ずと上がってくると言うものでしょう。いい加減な情報に…浮かれている場合ではありません。

カタルは…明日、明後日の更新はしません。お休みを頂きます。余りつまらぬ…話を書いても仕方ありません。やはりこれだけ書くだけでも…2時間や3時間の時間が奪われます。でもこの時間が、カタルの勉強時間になっていることも事実です。嘘は書けないし…なるべく精度を上げようと努力はしています。馬鹿は馬鹿なりに…努力をしないと一般レベルについて行けませんからね。それでは…たぶん5月6日の「今日の市況」から再開の予定です。

為替で…脅える必要は、全くありません。既に表面化したことで…大きな動きになりません。トヨタだって下値圏です。下げようがなければ…横ばいか…上がるしかありませんからね。日銀のETF買いは続いており、場に出される浮動株は、GPIFの吸い上げ効果もあり、確実に減っています。故に、結構、株価が乱高下しています。今はアベノミクスの最終段階に移行するかどうかでしょう。残念ながら、今回の賃上げは自己資本比率規制に縛られる銀行の反乱、更にトヨタの村論理などで、潰されたので…緩い上昇のイメージです。でも、確実に時代変化が進展していることは…様々な現象で明らかです。もう直ぐですからね。のんびりやりましょう。



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