変わる尺度

金曜日に新しい四季報が届き、これで四季報の決算数字は最新のものに変わりました。5日の「今日の市況」で、工作機械のPERについて少し触れましたが、本日は、このPERの概念を掘り下げてみたいと思っています。先ず、経済成長率の考え方が非常に重要です。国のGDPが増えるか、減るか…は、大きなバックボーンです。このGDPは付加価値の合計です。  

付加価値と言うのは、原料(材料)に加工を加えて、価値を引き上げるものです。よく引き合いに出されるのはパンですね。小麦を使ってパンを作りますが、小麦粉を発酵させて焼くと小麦粉のままで売るより高く売れます。この作業で生まれた価値観の増加を「付加価値」と言います。食パンではなく、菓子パンにすれば更に価値は増します。このように創意工夫を加えて…本来の価値から更に高くなった部分を、付加価値と言います。原材料を加工して製品として販売すると、何らかの付加価値が生まれます。この合計金額を国全体で見たものがGDPです。  

日本は「失われた時代」下では、このGDPは「横ばい」のイメージです。毎年GDPが3%程度伸びるのが普通なのです。何故、横ばいになったかと言えば、資産価格効果を否定したためです。その下落分を毎年稼ぐ労働対価で埋めてきました。1300兆円も日本国の土地資産は下落したのです。この損失を埋めるのは大変ですよ。東芝なども年金債務などを払うために、無理な経営を強いられてきたのです。実質成長を重視する政策が、如何に、アホな政策だったか?  

その結果、とうとう…就職最難関の「電通」までもがブラック企業に成り下がっていました。パナソニックも、みんな同じです。ようやく、この資産価格は上昇を始めました。アパホテルの社長の記者会見の談話は、実感に近い感触でしょう。2010年比で現在の地価は、およそ3倍です。これがホテル用地の実態なのでしょう。概算で17%複利計算の数字です。  

今年の米国株価SP500%の上昇率は、配当込みで約21%程度だそうです。要するに、株式投資をしない奴は…馬鹿だということです。多くのお金持ちを、証券マンとしてみてきましたが、その多くは地価の上昇で金持ちになった人です。でも中には桁違いの金持ちが居ます。その人たちは株式投資の場合が多いですね。  

歩合外務員の大山さんも、その一人でした。小手川君も五味さんもそうです。普通に働いてお金を残すのは、知れています。必ず、税務署が入り、追徴されます。カタルもそうでした。カタルはお金をバンバン使っており、経費になるもの…と思っていましたが、認定されず、その頃の税金を、今も払っています。本当の話ですよ。今は住民税だけですが…。  

その点、株式投資は源泉税20%で済みます。カタルの今年の税金は、かなり多いのです。1000万円の利益で200万円の税金です。でも所得税よりずっと安いですよ。いくら所得が多くても、予定納税を含めると…毎月、毎月、税金を払うために働いているようなものです。  

さて話はそれてきましたが…PERの話でしたね。何故、GDPの話を持ち出したかと言えば…川の流れをイメージしてください。流れに逆らって泳ぐのは大変です。しかし流れに身を任せれば…無理なく泳げます。国のGDP成長率は、そのような意味があります。  

安川電機の週足推移

だから全体のGDP成長率が高まると個別株のPER評価も本来10倍のものが、15倍、20倍に変わります。この感覚を…まず理解してください。ここに時代の流れが加わります。カタルが述べている産業革命以上の時代の変化が訪れており、カタルはこれを「スマートコミュニティー」と呼んでいます。具体的にはSFの未来社会を思い浮かべてください。AIからロボット…そのロボットを作っている安川電機の金曜日の株価は4800円です。四季報の一株利益は146.6円です。株価を一株利益で割ると…PERは32.74倍です。  

PERの意味は、投下資本(4800円)を、何年で回収できるかと言う尺度です。安川のPERは、長く15倍程度だったのしょう。2015年の一株利益は98円ですが、2015年末の安川の株価は1663円です。つまりPERは16.9倍です。何故、今は…このPERが2倍の評価になったのでしょう。その主な理由は「成長力」なのでしょう。  

安川の昨年の一株利益は76.6円ですね。それが、今期予想ですが146.6円に大きく増えました。このペースは驚異的です。利益が倍増ですよ。100万円を8年間、倍増ペースで増やすと1億円を大きく超えるのです。桁が二つも変わります。まるで成長株です。  

ただ…このペースでは絶対に伸びません。だって工場用地の手当てなど人材も含め…そんなにマジックのように増やせませんからね。いま工作機械の受注が増えすぎて対応できない現状が、容易に想像がつきます。  

人間だれしも…最初は、一流の企業に注文をしますが、2年待ちにもなれば…、名が知れなくても、早いほうを選び、段々中小企業にも…その恩恵が回ります。日銀短観に、そのデータが出ています。今回の業況判断指数の上昇波動は、前回より、中小企業にも恩恵が回っています。大企業だけではありません。この短観はアンケート調査ですから、リアルタイムの人間の感覚が反映されています。

業況判断指数の変化

  昨日、掲げたデータを、自分でクリックして…日銀短観を、実際に自分で調べた人は、読者の中に、いったい何人居るのでしょう。この短観資料の8ページの右の表です。89年のピークがプラス36です。その次のピークは97年ですが、-7です。2000年は、-16です。2006年は+10で、2011年は-8なのです。大企業と比較しながら見てくださいね。そうして今回の数字は+15なのです。メディアは大企業の数字ばかりを伝えていますが、実際の…僕らの肌感覚は、この中小企業の数字です。  

ようやく…「流動性の罠」から抜け出して、日本経済は、これから加速します。ビルの供給が増えすぎて…賃料が下がるとか…。実質時代の感覚の物差しで…未来を考える人が大勢います。未知の世界は、過去の物差しが合わないのです。本日は、安川電機のPERの話を紹介しました。何故PER16倍が32倍に変化したのか?その現実を良く噛み締める必要があるのでしょう。それでは…また明日。  



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