未来図の模索

既にカタルは年内のトレードを終え…纏め作業に入っています。正直、今年は出来過ぎです。その理由は16連騰に22750円の奪回に尽きるのでしょう。この現象は、年末に来て生まれたものですが…昨年の7月7日の日経新聞に、「失業率と消費者物価」の関係を説いた馬場記者の記事を見て、カタルは「雇用の重要性」を再認識させられました。

失業率と物価推移

そうして、調べると…そもそも改善はしているが、3%水準は、過去の歴史…日本が成長期にある名目時代では、最も悪い水準だったのです。2%水準でも普通ですからね。そもそもこの失われた30年の形が、異常なのです。改善されているとは言え、いかに異常な状態が長く放置されていたか…が分かります。

この理由は、日本の「内外価格差の是正」であり、村論理の為にグローバル競争を避けてきたので、バブル崩壊後、日本の終身雇用や年功序列という仕組みが壊れ、グローバル基準のパラダイムショックを余儀なくされたためです。株式持ち合いなども、その事例の一つです。日本国民が大きく目覚めた訳です。故に最初はパイオニアの指名解雇から始まり、電通の過労死で終わり…百貨店の転落でユニクロやニトリの躍進ですね。

安倍政権が実質成長から名目成長に、政策の舵を切りましたが…なかなか日本丸の方向転換は出来ませんでした。ようやく本格的に…株式市場は新しい時代を認識し始めています。

日銀短観(業況判断指数)の推移

しかし日銀短観にも見られるように…最近の業容判断指数は25のプラスですが、先行きは19になっています。前回も…そうなのです。9月調査の時点では+23でしたが、先行きは+19なのです。しかし実際は25ですからね。

これはSUMCOのような経営者のイメージです。時代の変革を認識せず、チビチビとした増産投資を繰り返しています。だから…株価は意外に長い上昇期になるかも知れません。ただし…今は駄目ですよ。先の話です。今は現実を観察する時間が必要です。だから株価は絶対に上がらず、良くて横ばいで…下手をすれば、多少の株価調整は免れません。

現在中国は不動産バブルを警戒し、どちらかと言えば、金融を引き締めています。この現象の影響が、今後、どう展開するか…なのですが、彼らは日本の馬鹿指導者より、非常に優秀です。上手くコントロールするでしょう。更にスマートコミュニティーの進展度ですね。分かりやすい事例を言えば…AIスピーカーの広がり具合や、車の自動運転などの進展スピードが半導体市況にも影響を与えるのでしょう。

景気判断の話は難しく…カタルも偉そうにレポートしているが先行きは分かりません。今は世界中の中央銀行が量的緩和をしたのに…何故か、物価が上昇しないのです。イエレン氏も、「謎だ」と述べている様に…世界中のエコノミストは、明確な解を持っていません。

米国10年と2年もののスプレッド推移

ここでカタルが重要だと述べている米国金利の話を展開します。会員の方は此方を読むと良いですね。現在の10年債と2年債の鞘(スプレッド)は、僅か0.56%です。56bp(ベーシス)と言いますが…この現象も奇妙です。

世界経済が回復途上なのに…何故か、このスプレッドは、一貫して…縮小しています。だって景気がドンドン良くなっていれば…企業活動が活発化して、物が不足します。つまり未来は物価が上がる筈です。だから10年債の利回りはドンドン上がりますから、2年ものの上昇は、期間が短いから上昇が鈍いので、スプレッドは拡大する筈です。しかし現状は縮小していますから、景気後退?

でもこのスプレッドのグラフを見ると分かりますが、リーマンショックが立ち直る過程で一貫して縮小していますね。しかし実際の景気は拡大を続けています。カタルは、この謎は中央銀行の量的緩和と、金融規制が生み出した現象だろうと考えています。

既に米国はテーパリング作業に入り、何処かで…スプレッドは拡大方向に向かう筈です。もう一つが、厳しい金融規制です。自己資本比率を上げるためには、増資をして自己資本を増やすか…。時間をかけて、業務利益を積みます方法と、分母である総資産の圧縮が必要になります。カタルは、この金融規制の為に銀行などは総資産を圧縮しており、折角の金融緩和効果が、発揮できなかったと考えています。

しかし此処に来て…ようやくイタリアの不良債権問題も、スペインも問題行の改善が終わり、通常状態になりつつあります。此処にトランプ政権の金融規制緩和です。金融デリバティブなどの規制を緩和するかどうか…。来年は此処にスポットが当たると考えています。トランプ政権は、景気の回復途上でFRBが金融引き締めの方向性なのに…逆にアクセルをふかす減税と、金融規制緩和を行います。だからバブル状態が加速するかもしれません。

現状では、どのシナリオも存在します。もしFRBがタカ派なら、来年の利上げは4回処ではなく、もっと多くなるかもしれませんがイエスマンのパウエルです。だからダリオ時間の復活は、かなり薄いのでしょう。でも先ほどのスプレッドは縮小を続け、逆イールドになる可能性もあり予断は許されません。

東証の空売り比率の推移

日本は、兎に角…既に実質時代から名目時代に変化しているのに、多くの経営者が、未だに実質時代を引きずっています。日銀短観を見れば分かります。SUMCOを見れば分かります。株式市場では、高い空売り比率や、高い日証金の逆日歩比率です。全ての事象が景気回復と株高を示唆しています。日経平均株価の乖離は高く…直ぐに、次のステップアップに向かいませんが…38915円の奪回に、向かうのが自然の流れです。

本日は地方銀行の日経報道ですが…金融庁は馬鹿ですからね。銀行の兼業規制などの規制を緩めないでしょう。問題は時代に合わない法律に縛られている為に、金融業は収益の改善が難しい。故に三菱UFJのように海外で稼ぐしかありません。先駆しているのは三菱UFJなのです。米国も子会社は拡大をしており、中国はUFJの基盤も加わっています。ようやく三菱UFJは目覚めており、タイやインドネシアなどの名目世界の比率を増やしています。

馬鹿にされている地銀も株価は枯れており…何か動きがあれば燃え上がる事でしょう。カタルも何が飛び出すか…今は分かりませんが、公取の動きを超える何かが生まれるのが、フィンティックの世界です。金融にもブロックチェーンなどのスマート革命が進行しています。クラウドファンティングもそうですね。ネット時代は無限の可能性がアイディア次第で生まれます。だから株価が低迷している地銀も馬鹿には出来ません。

今年は好調だったために、来年の運用に強いプレッシャーが、更に掛かります。その為に本日は少し素人の読者には難しい話題でしたが…カタルは、色んなシナリオを頭の中で構築するためにレポートをする事で、未来図を模索して、自分自身も、皆さんと一緒に考えています。

所詮、貧乏人の戯言です。

カタルのレポートに登場する難しい言葉などは、コピー&ペーストしてネットで検索すれば…直ぐに判明します。昨日登場させた「トリクルダウン理論」など言葉を知らない人は多いと思います。カタルだって、最近まで知らなかったのです。

先日ニュースを見ていたら…米国の若者はアメリカンドリームを信じておらず、トリクルダウン理論も、信じていないとの解説があったのです。カタルは、どう言う意味だろうと…ネットで調べました。故に南巡講話に行き着きました。

株式市場も同じです。小手川君効果が発揮され、五味さんなど…次々に成功者が生まれると、やがてみんなが頑張るようになり「やる気」が蔓延して行きます。それが活力に繋がり、社会全体に、活気が生まれます。名目時代は、そんな希望が広がる時代なのです。

本日の日経新聞のヒューリック経営戦略は、名目時代に相応しいのです。

何故、ケネディクスが光るか? 日本郵政が野村不動産の買収に失敗し、日本郵政だけでなくNTTもそうだし…これから都市銀行も同じ状態になります。

一から構築するより、買収により時代進化を早めるのが優秀な経営者です。此処にコンセッションの概念が加わると…リート市場も、もう一皮むけます。その時にPER10倍が20倍、30倍になります。ここで業績の変化率が、更に髙ければ…最大のPERを100倍まで買うのが、株式市場が、これまでに歩んできた過去の歴史です。馬鹿にしてはなりません。

「1300兆円の逆襲」と言う現象が明確になるためには…何か、象徴的な事象が、必ず生まれるのです。カタルは「市場の先見性」を…いつも感じています。



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