何故、GDPの推移を気にしているか? 昨日はその動向を追いました。基本的に経済成長が高ければ…必要コストである「金利」は上がると思っています。金利は全ての産業の必要コストです。高い成長力の時は、金利水準も高い筈だと言う認識があった為です。
しかし見ていただいたように…このカタルの基本認識は、何処か間違っているのかもしれません。いくつかの点がこの疑問に応えるとすれば、一つは「MMT理論」なのでしょう。同時に時代の革新スピードが速く、効率化が進んでいる可能性があります。産業構造の転換です。
この辺りの説明は長くなるかな?
カタル自身、良く理解しているのか、どうか…定かではありません。経済学者ではありませんからね。ただ先進国では概ね産業基盤が確立されており、道路も、鉄道も…電気や水道などの基本的な生活に必要な「社会資本」は整備されています。その固定資本投資の多い時代の考え方が、当て嵌まるわけではないでしょう。
音楽配信の「サブスクリプション」一つとっても、音楽を届けるためにレコード(ポリ塩化ビニール)やCD(ポリカーボネート=プラスチック)が必要な訳ではなく、物は使われていません。
単純に考えて…景気が回復すると人件費が上がるので「可処分所得」が増えて、個人消費が活発化して需給と供給のバランスがタイトになり、物価が上がると言うシナリオが正しいのかどうか…。しかし、ここに単に真の需給関係だけの需要ではなく、投機行動が加わります。現在はジャブジャブのマネーが供給されており、「異常乾燥注意警報」が発令されているような状態ですから、誰かが火を付けると…パッと燃え上がり、炎は大きく拡大をする環境にあります。
問題は実際の実需による需要と言うより…「投機マネー」による物価上昇が考えられます。カタルが気にしているのは、この部分です。しかしリーマンショックで金融界はガチガチの規制下にあり…投機資金は制限されています。この辺りの「兼ね合い」もあります。
何故、カタルが米国長期金利動向を、異常に気にしているか?
長年の「謎」を解くことが、出来るんじゃないか?…と考えているためです。
三菱UFJの株価は、どうして一株あたりの純資産以下(1291円)なのでしょう。毎年黒字で内部留保は蓄積され続け…常識では純資産以下の株価は説明が付きません。更に「利回り配当株」なのです。25円配当なので株価が578円ですから配当利回りは4.32%です。ここに大きなギャップがあります。
「東京エレクトロ」(8035)や「安川電機」(6506)など…は、逆ギャップです。カタルは株価が高過ぎると思っています。既に「半導体不足」も長く言われ続け、市場参加者に浸透しています。「更に評価しろ」と言われても…カタルの感情は、全く動きません。
市場に流れるお金は、儲かる所に流れます。「期待値」が高い所にお金が流れるのです。今の焦点は、世界の中央銀行が大恐慌を上回るGDPの落ち込みを埋めるために…多額の「財政出動」と「金融支援」をしています。そうして景気は浮上しているのです。
問題はここからです。リーマンショックから13年が経過し…初の金融セクターの「逆襲」相場が起こっても、不思議ではないと思っている自分が居ます。その「切っ掛け」がインフレ圧力であり金利上昇ではないか? こう考えています。
このような事前の読みがあり、様々なデータを検証し…その「見えない糸」を探しているのです。「市場の整合性」を求め、その欠片を集めているのです。その一番はCPI(消費者物価)の推移です。その期間の長いものと…観察期間の短い二つグラフを用意しました。データ元は此方です。米国の労働統計局のサイトです。
更に…先日掲げた木材価格の高騰ぶりを、もう一度ご覧ください。産業活動の基本素材の銅の価格推移も…どうぞ。このような背景があり…こちらのニュースがあります。いくつかのニュースのリンクを張っておきましょう。
イエレン氏は最初は関知せずに言動でしたが、最近は金利上昇も匂わせ…弁明に追われている様子が此方です。リンクは張りませんがWSJにも同様のニュースが流れています。
如何でしょう?
ここではゴールド(金)の相場を見てみましょう。そろそろ再騰気配です。
そうして…JPM(JPモルガン)の株価やBAC(バンカメ)の株価を観るのです。もちろんGS(ゴールドマンサックス)も同じですよ。
何故、カタルが「野村証券」株を買い続け…「邦銀」株の動向に注意を払っているか?
事前に…市場に流れるシナリオ(潮流)の一つの背景を語りました。だから米国金利動向から目を離せないのです。しかし…コロナ禍は人々の行動を制約しており、現在の米国の消費は、その「反動需要」と言う可能性があります。つまり…一時的な現象であり長続きはしないと言う考え方です。
パウエルFRB議長が述べているのは、そういう見込みを言っているのでしょう。むしろ時代進化による効率化の動きが勝り、MMT理論が、未来の「正当な流れ」を示している可能性もあります。今回のコロナ禍でも現金給付は「ベーシックインカム」理論の実験とも言えます。
まもなく始まる未来社会において、人類は働かなくても…最低限の生活資金を保証される世界の話です。つまり我々が持っている根底にある「価値観のパラダイムショック」です。
AIなどが発展し、どんどん雇用の場は失われます。この社会環境になると…日本の少子高齢化社会は、強みを発揮します。あまり長い戦略を述べても…意味がないので、この辺で空想を止めますが…未来社会の価値観は変わりますから、お子さんやお孫さんの教育方針を考え直すチャンスですよ。
人に感動を与えられるか?どうか…この基準は絶対です。「付加価値」の究極の基準は、他人の心を揺さぶることが出来るかどうか…なのでしょう。「感動を与える」ことが真の評価になります。
ざっと…この連休明けからの相場の見所を提示しました。ただし…これはたくさん市場に存在する「一つの潮流」に過ぎません。絶対にこの路線が選択されるとは言っていません。時間軸が変わることもあるし…別の選択肢が浮上することもあります。「NPC」(6255)などはその別の潮流の話です。
市場には、たくさんの選択肢が見えます。ですが…このGWでカタルは、日本の劣化の原因の一つが「メディアの在り方」だ…と思っている背景を「ROE経営」から語りました。
そうしてGWの後半は、これから考えられる「潮流」を事前に説明しました。如何でしたでしょう?
カタルレポートを、分からなくても良いから、毎日読めば…きっと皆さんの株価ボードを観る姿勢も変わると思っています。単に株価の上下で心が揺れるのではなく…しっかりした「時代背景」を持って市場を観察すると、相場がドンドン面白くなるはずです。
馬鹿カタルも、現場に40年以上を身を置き、20年以上、株式レポートを毎日書き続ければ、いつしか…その技量も上位になるのでしょう。神様…そろそろカタルにご褒美をくださいな。お願いします。それでは本日は、これでお終いです。また明日。