日銀金融政策会合を終えて…

日銀は報道通り現状維持と言うことになりましたが、この報道の…

「企業の賃金・価格設定行動には、従来よりも積極的な動きが見られ始めていると指摘する一方、物価変動の影響を除いた実質賃金の前年比減少が続いていることを「私どもも非常に心配してみている」とした。「物価の下がり方が遅い中で実質所得が伸び悩み、あるいは低下して家計に負担がかかっていることは重く認識している」と語ったそうです。

そうして…「2%物価安定目標の持続的・安定的な実現が「見通せる状況には至っていない」とした上で、見通せる状況になればイールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)の撤廃やマイナス金利の解除を検討する考えを表明した。」となっています。

つまり事前観測通りの見方で、「実施賃金のプラス圏への浮上」が鍵を握っているのでしょう。先走る…「三菱UFJ」の株価の上昇は鈍るのでしょう。しかし…地銀株なんかの株価水準は依然、大幅な割安感があります。心配された「ゼロゼロ融資」に絡む倒産も、峠を越えるのでしょう。経済活動が正常化するにつれ…金利は上がる方向で、「ゾンビ企業」は淘汰されます。「ゾンビ」と言うのは、基本的に利益を生まない「非効率」な企業を指します。

日本的な仕組みで、雇用を重視して…借金を返済できない…ただその企業が存在しても、消えても…社会には大きな影響を及ぼしません。基本的に株式市場ではPBR1倍以下の評価の株式は、何れ…「消える運命」なのです。基本的に経営者の能力が欠如しているから、資産を活用してないのです。

ようやく資産価格、基準地価は全国区の住宅地でもプラス圏になって来ました。通常、このような資産価格は、常に…3%~5%程度(住宅金利を上回る)の価格上昇をするものです。この上昇が経済活動に活力を与えます。日本のように「不労所得」と蔑む概念は間違っています。人々に「明日は、今日より良くなるから、頑張ろう!」と言う希望のある社会構成です。

実質経済になって…日本がデフレ化現象になったのは、冷戦時の「米ソ対立」の最中に米国の庇護の下で…共産化を防ぐ目的で、日本は米国から優遇されていました。正当な競争をせずに日本の産業界は保護されていたのです。

1980年代前半に日本は米国から、車を中心にした輸出の改善を求められました。その時に村社会論を諦めて…「グローバル化」に舵を切るべきだったのです。国際価格で勝てる勝負です。賃金から「物の価格」まで…ここでは、コメの価格を観ると分かります。村社会論理を優先して…価格競争をやめての関税です。

日本は長く…日本価格を優先してきました。でもようやく「失われた時代」において、製造業の中国移転を中心にした競争で…この日本価格はグローバル価格になりました。「ユニクロ現象」です。

最近、「国内回帰」現象が目立っているのは、その表れです。日本もようやくグローバル価格が浸透しました。しかし、まだまだ日本の多くの企業は「真の競争」に目覚めていません。総資産経営の名残が強く…ROE経営に移行していません。だから日本は、米国と比較して大きく…この「ROE競争」で負けています。日経新聞やNHKは自社株買いを否定する主張を続けています。

この自社株買いは、社会の「新陳代謝」を促進するのです。超大企業になったアップルなどは、自社株買いを通じて…市場に資金還元をして、その資金がIPO、ベンチャー企業の投資に利用されます。どんどん…社会は活性化されます。

「エヌビディア」製の半導体を使ったサーバー投資は、「AI革命」を支援しています。もう直ぐ、アレクサは、人間のような会話をするでしょう。この普及をするために資金が使われます。狂ったメディアの主張が、日本の成長を阻害しています。日本人は非常に排他的な国民です。島国の為、交流が少ないからでしょう。

株価と言うのは、社会の要請で…市場が変化をします。そうして株価が上がると、市場は賑わい…その方向性の社会の進展を早めます。失敗を畏れて「縮こまる」社会から、失敗しても良いから果敢に「挑戦する」社会への変貌が始まります。この時代の変遷の速度を上手く市場で「感知」できるかどうか…が株式市場の成功になります。遅れている株価のギャップを修正するのが株式投資です。

皆さんの考え方が間違っているのは、決まった「正解」があるのではないのです。

僕らが「市場を構築する」のです。僕らの行動が、株価水準を決め、その株価を観た社会は時代を加速させます。TSMCの投資より「ラピダスの挑戦」の方が、価値はあります。同じ半導体投資でも意味は少し違います。

でも…あまりに幼稚です。実験と量産化では、まるっきり「別物」です。量産化でも「歩留まり」の問題があります。2nmと言う実験レベルの話を、果たして量産化できるのか…どうか…。カタルは様々な企業の失敗を観ていますから、口で言うのは簡単ですが、採算に合う歩留まり水準を実現できるかどうか…非常に懐疑的な見方です。

でも政府の補助金事業でも、日本人が果敢に未来に向かって…「挑戦する」意義を、高く評価しています。「時代が変わった」と思える社会現象の一つです。

この事例は、皆さんに説明するのに…分かりやすい事例です。熊本の菊陽町や北海道の千歳の地価上昇は3割程度だと言います。「貨幣乗数効果」を説明する…良い事例の一つです。経済活動と言うのは、「摩擦熱」のようなものです。活発に動けば…動く程、熱が生じます。この熱が火災にならない程度に、温める政策が肝心なのです。

一方、相対する社会現象の「リクルート事件」や「ライブドアの粉飾決算」です。

ライブドアなど…その後の不正会計の続出を観ると…後講釈では可愛いものです。何故、逮捕されて…上場廃止になるのでしょう。カタルには理解できません。そもそも村社会は「大岡裁き」大岡越前の温情的な判決があったから、曖昧な村論理を補完していたのです。

しかし今では、厳格なルールの下で「杓子定規の社会」です。銀行や携帯電話などの社員の対応で、それが分かります。個人情報保護法なんか…カタルに言わせると「悪法」のようなものです。少し行き過ぎた対応でしょう。

このような現象は、「実質経済」が生み出した「寛容性のない」ルールです。

こんな法律は廃案にすべきです。この法律の為に、有意義な情報の活用が進みません。医療情報などもそうですね。マイナンバーカードに進展には、遺伝子情報を利用した治療に、何れ…進化します。無駄な検査や投薬が防げます。今は、試行錯誤で…ガンなどの薬が合うかどうか…試されていますが、遺伝子情報が蓄積されるなら、一発で、AIが患者に最も合う薬を選択します。

デジタル庁の河野さんは、今一つです。導入のゴタゴタの処理に「右往左往」しているようで…マイナンバーカード利用の「便利な社会」への変身速度が遅れているようです。

アップルやグーグルに開発させればいいのです。「紐づけ」の便利な世界です。何れ、顔認証でお買い物や改札など…交通手段も含め、すべてが完結します。カタルが生きているうちに希望溢れる市場を、先ず構築して…それから一気に未来社会の到来です。今は過渡期だという事が分かると思います。

まだ市場は「割安株」中心の物色ですが…何れ、近いうちに「未来軸の選択」が増えてきます。ARKのキャシーウッドさんは、正しい認識でしょう。株式投資と言うのは本来、未来の希望を…夢を語るセールスをするところです。人類の未来を早めるために、市場が存在します。その資金を提供するところですね。

日立の構造改革が終わるなら…自社株買いを含め資金を市場に戻す作業が、社会の新陳代謝の促進に繋がります。日本製鉄は一回り…遅い構造改革の実施です。トヨタは自社株買いを、あまり…せず、「ウーブン・シティ」建設などは一民間企業がすべき課題ではなく、国が主導する実験でしょう。章男社長の気持ちは分かりますが、間違ったお金の使い方に見えます。採算に合うなら分かりますよ。

今はまだ、夢を語れる時代になっていませんが、まもなく…同時進行します。

「エヌビディア」(NVDA)の 日足推移

ITバブル…そうしてコロナ禍でも、過剰流動性において…実現した「未来軸の投資」は「人類の夢」なのです。この「エヌビディア」(NVDA)の株価は、やはり注目されます。


「エヌビディア」(NVDA)の 業績推移(四季報予想)

今はPERが40倍程度になります。2024年1月予想の利益は、期を超えると10ドルから16ドル台へ変化しますから、PERは25倍程度の評価になります。やはり株価は今回の調整を挟み…来年の春ごろから新値高値を目指すと思っています。

昨日、紹介したキャシーウッドさんの相場観をカタルも共有しています。

故に皆さんに紹介をしたのですね。でも…米国金利はリーマン前の高値を目指していますが、原油高の高騰はせいぜい100ドル台への「戻りの相場」(戻り売りです)でしょう。気になるのはストライキですが…今の車の業界はコロナ禍で溜まった「受注処理」の段階で、既にドイツ、イタリアなど…のEV生産は既に落ちています。

車の今の利益は、一時的な業績の高まりですから…車関係の好業績はあまり大きな評価になりません。むしろ…危ない投資です。

EV時代はリョービの「ギガキャスト」が注目されるように、大幅に部品数は削減され効率生産に移行します。その過程で多くの自動車産業は「存亡の危機」に追い込まれます。富士フイルムのような…構造改革が出来るかどうか、その真価が問われます。エンジンは消え、ピストンリングなど必要ないのです。非常に大きな構造改革が求められるのです。今はまだ大丈夫ですが…数年後はリストラの嵐になります。

その相対する時間軸に在るのが、EV絡みの動きです。ニデックはグローバル競争でアイシンは系列重視です。でも完全移行する前に…金利高の影響でEVなどの販売不振もあるのでしょう。価格競争は熾烈です。電池の核心的な技術開発が求められますが、なかなか…難しいようです。

モーターは色んな実験事例が出ています。モーターの概念が変わる可能性も含めて、技術革新が進んでいます。株式投資の難しいのは、新技術の定着と時間変化を読む作業です。この話まですると…長くなりますから、ここで打ち切りましょう。車は、「玉石混交」ですから気を付けなくてはなりません。

米国2年債利回り推移

9月、10月はどちらかと言えば…年末年始に向けた「調整過程」です。次回のFOMCは10月31日と11月1日です。たぶん…今の状態では最後になるかどうか分かりませんが、もう一度、0.25%の利上げになる可能性が高いのでしょう。既に債券相場はそんな値動きです。この段階では10年債より2年債の方が良い指標になると考えています。少し長い期間のデータのグラフを提示しておきます。こんなところで雑談はお終いです。また明日。

これから会員レポートを作成しますから…会員の方は明日にでもお読みください。

米国2年と10年債の推移とスプレッド変化の様子



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  1. 2019.05.11

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