仮説と検証

世間一般はFRBの動向に騒いでいます。しかし…統計や指標を観ていれば、自ずと知れるというものです。そもそも遅行指数である雇用統計に、そんなに騒ぐ必要はないと思いますが、どうして市場関係者は、そんなに気にするのでしょう。米国の自動車販売の8月は悪かったと言いますが…1700万台水準では、大きな問題になりません。リーマンショック時の買い控え効果が、一巡した可能性は高いですね。それを今度は…メキシコの増強が無駄になるとの観測もあります。厳しくなるとは言え…この水準なら問題ありません。

エコカー減税は続きますが、トヨタは内部留保を優先し、リーダーの自覚があるのかどうか。カタルはトヨタの賃上げ姿勢を批判しています。銀行は金融規制がある為に…仕方がなかったとも言えます。それに便乗しやがって…。

何故、ケネディクスが3年もの間、横ばい波動になるのか? それは「流動性の罠」の為ですね。昨日は、企業の自己資本比率の推移を法人企業統計からみましたが、今朝の日経新聞には労働分配率のグラフが掲示してあります。同じことですね。でも日経新聞はトヨタのベースアップ姿勢を批判しませんでした。つまり日経は広告主に対し批判できない訳です。でも…完全失業率と消費者物価の関係を指摘した馬場レポートが、全ての謎を明らかにしてくれたのです。このレポートの価値は、カタルにとって非常に高かったのです。

普段から、読者の皆さんも、どうして自分の予想のように株価が動かないのか? 自分で考えてみると良いのです。自分が描いたシナリオ通りに…何故、株価が動かないか? 何故、自分の予測が間違ったか? それを何度も、何度も、試行錯誤して、自己研鑽をするわけです。その過程で、新聞記事と自分のシナリオが合致する場合があります。時間を置き、実際の事象が、自身のシナリオの「後追い」を始めるのです。つまり仮説と検証ですね。相場論とは、その繰り返しです。

一例を掲げましょうか?

本日の日経新聞の「スクランブル」の記事(16面)は、カタルの原稿の後追いですね。読者の皆さんは、お気づきになったでしょうか? 文言は同じではありませんが、内容は同じことを言っています。「金融規制克服論」や、先頃、指摘したSOX指数の「IoT時代」到来の仮説の話ですね。

カタルも、初めて耳にする「テックサイクル」…「チキンサイクル」や「ジュグラーサイクル」なら分かりますが…初めて聞く言葉です。事実、半導体価格は、最近、急騰し始めています。詳しいデーターは有料サイトで手に入りませんが、此方のサイトを左下のグラフは価格動向を示しています。DXIと言う指数ですね。6月の初めより急騰を始めています。この話と日興証券の圷氏の解説は一致します。

この「膠着の潮目が変わったか?」の現象は、金融規制克服論が背景を語っています。米国でも…日本と同様なのです。世界中が金融規制に縛られており、何故、これほど世界中の中央銀行が、量的緩和をしているのに…インフレにならずに、なかなか実体経済に結びつかないか? この理由は金融デリバティブにより肥大化した経済を、実体経済の巡航スピードに置き換えている為に…なかなか、その溝が埋まらなかったのです。分かるかな?こんな比喩的な表現で…。カタルの真意が届くかどうか…。それほど…リーマンショックのCDSの存在は大きかったのですね。もう直ぐ10年になりますね。

多くの読者が、こんな解説は興味がないと思われますが…実は、このような環境を理解してないと…相場への理解が、なかなか深まらないのです。多くのアナリストも新聞記者も経済解説者も、学者先生もみんな素人のレベルです。もし本物なら、自分で投資して大儲けできるわけです。偽物だから、みんなテレビなどに出演するわけですね。

相場もそうです。本筋なら…「仕掛け」が見事に成功します。僕らの仕掛けに、みんなが何故? どうして株価が上がるの? その背景は…?と考えますね。そうして調べるのです。何故、こんな赤字会社の株価が…買われるの? その背景が…やがて市場に浸透して行きます。

株の世界では…みんなが知ったら…お終いです。危ないから…確信がないから、面白いのですね。確実なら面白くなく相場になりません。基本的に、常に強弱感が対立するから、そこに火花が生じるのです。この火花が…やがて大きな花火になるかどうか。長岡祭りの「フェニックス」と言う頂点に達すれば…相場はお終いです。

迷うから面白いのですね。不安があるから…良いのです。この感覚が理解できるようになれば…かなり良い水準に近づいています。IoTのユビキタスなんか…、何故だか、わかりませんが、株価が上がると、買いたくなる株です。本当に不思議な株です。このワクワク感が消えることがありません。だから2010年の春から…ずっと、なかなか「実らぬ、恋」に溺れ続けている訳です。本日の日経新聞のスクランブルを読み、聴きなれないテックサイクルから、ユビキタスを連想できたら、読者の知識レベルもたいしたものです。このDRAM価格の推移が本当に…「IoT時代」の幕開けなのか? ARM社の買収は、ピッタシカンカンのタイミングかどうか…。神のみぞ、知る領域です。

本日の有料レポートは、この後、書きますが…いつになるか。本日中にはアップします。



amazon.co.jp 全品に拡大 無料配送キャンペーン実施中!詳細はこちらをクリック。

関連記事

  1. 2020.02.15

    確認作業
2024年4月
« 3月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  
株式投資関連の本