日経新聞の6面、滝田さんが書いたレポートは、長期的な視野を欠けた作品に見えます。でもこのグラフで分かるのは…「リスク許容度」が、昨年の秋以降、増してきたと言う事です。この「レバレッジ」のグラフが、リーマンショック前の2000年前後から載っていれば、良いグラフだったのですが…。きっと、それではこのレポートの主張がぼやけるのでしょう。でも「レバレッジに、波乱の種」の考え方は間違っていません。
バブルとは…他人のお金で勝負する事です。1985年のプラザ合意以降、日本は、輸出業者の言い分ばかりを取り入れ…しかも間違った政策を実行しました。為替にばかり目が行き、資産価格の上昇を見逃しました。その為に構造改革が遅れ、最悪の「自己崩壊」の道を選んだ為に、長い「失われた時代」を経て、構造改革を強いられたのです。
カタルの基本論理と言うか…。考え方の一つに、均衡バランスは、必ず保たれると言うものがあります。一時的に上昇した現象は、必ず修正されると言うものです。株価の乖離調整の考え方です。大きな変動の後には…それを修正する反動が、生じると言う基本概念を持っています。何かを得ると、何かを失う。神様は常に公平な裁断を下すと思っています。
故にバブル以降、大きな地価の調整は起ったのでしょうが…今度は、緩やかな揺り戻しが長い期間にわたり、生まれると思っています。だから「1300兆円の逆襲」なのです。先日、テレビを見ていたら…中国人が北海道の土地を買いあさり、治外法権地の村が生まれる…と心配をする人が居ました。世界中が同じ現象です。中国人は逞しいですね。カナダの不動産価格を大きく押し上げたのは中国人で、海外投資家の売買に課税をしても、尚、増加しているとか…。今の日本は、その勢いがドンドン増しています。
これからですね。まだ飛行機が滑走路を走っており、「V1地点」(もう離陸をするしか道はない)に達したイメージでしょう。これからです。「サンフロンティア」(8934)のPERは10倍割れですよ。明らかに…おかしな現象です。必ず、世界のヘッジファンドは、参入してきます。もうたぶん…買い始めていると思っています。だって…この伸び率が評価されない方がおかしいのです。
此方の資料も、有料読者向けのレポートのものですが…上がケネディクスの業績数字、下がサンフロンティアのものです。もし、ケネディクスの宮島さんが、サンフロンティアの堀口さんのように、積極経営に最初から舵を切っていたら…どんな数字になっていたのでしょう。カタルは読者からの質問メールを見て、初めて…不動産市場の活況に目を向けたのです。銀座シックスの売買事例は、僅か数ヶ月で120億円が80億円の利益を生むのです。
日経新聞の滝田さんが、レバレッジ比率が上がってきた…と指摘したグラフを、良く見て下さい。昨年の春から動き始め…秋から本格的な上昇を始めたように見えませんか? カタルは、この記事を読み、世界の金融機関が、ようやく…自己資本比率の達成に目処が立ち始めたポイントと…連動していると思ったのです。
良いですか、一つの記事を見て、どう反応するか…の連想を、膨らます着眼点を説明しているのです。時間が一致しますね。イタリアやスペインの銀行が不良債権処理に目処をつけ、世界のヘッジファンドが、それらの不良債権を買い始めた時期に、ピッタリ時間が一致するのです。何故、エリオットがケネディクスの株を買ったのか? この時期が昨年の春です。同じでしょう。
昨年の春から、ようやく世界経済は、リーマンショックの傷が癒え始め…積極路線に舵を切ったのです。三菱UFJが人口2億6千万人で、GDPの成長率が5%台の平均年齢が28歳のインドネシアのBank Danamonに出資したか? なかなか優れた戦略ですよ。でも1985年頃からスタートさせていれば…世界のJPモルガンを凌駕していたのです。実は三菱はUFJを組み込んだ事で…中国の支店網も充実している筈です。
此処に来ての動きを見ていると…ようやく本腰を入れ、成長路線に舵を切っています。大型株で、しかもあの金融危機の時に、馬鹿官僚の為に…下値で大規模な増資をしたので需給バランスは、なかなか改善していません。だから期待値通りの動きになりませんが、間違いなく株価は4ケタ以上になります。逆を言えば…4ケタ以下なら、どこを買っても良いのです。
着眼点の発想と言うのは…このような「連想ゲーム」が出来るかどうか…なのです。東大法科の秀才は、確かに記憶力は、ずば抜けて良いのですが…人間は、様々な能力を神様が平等に与えたと思っています。カタルは馬鹿ですが…このような連想ゲームの能力は、他人より、長けているからもしれません。だって本日の日経新聞6面記事を見て…普通の人は、こんな発想に至りません。
カタルの読者には、新聞記事の見方や…テレビのニュースの見方を学んで欲しいと思っています。「アイディア」が、如何に大切か…。でもこのような発想が、必ず、利益に結びつくとは言っていません。…が、相場のシナリオの組み立てと言うのは、様々な事象が重なる方向性に、向かいます。会社の業績だけではないのです。
人間と言うのは、馬鹿と言うか…。特に日本人は、「群れ」を作りたがります。集団行動を重視するような教育を、小さいころから受けています。半導体が良いと言えば…好調な部分ばかりが報道されます。でも半導体は市況産業です。
「サムソン詣で」の日経新聞の記事を見て、NECの社員は、どんな思いで、この記事を読んでいるのでしょう。カタルの知り合いに、NECからサムソンに引き抜かれ…用が済むと放り出される事例の知り合いが居ました。先生、先生と崇められ…三顧の礼を持ってサムソンに迎えられ、技術供与をしたのです。
NTTが開発した量子コンピュタは、世界でトップを走っています。NF回路ではありません。NTTなのです。政府は、此処にお金を投じるべきでしょう。何故、ルネサスエレクが負けるの? トヨタのカンバン方式は、正しいのでしょうか?
いつも疑問を持って、自分の頭で、相場を考えないとなりません。本日は日経新聞を題材にして、着眼点の一部を披露しました。勿論、カタルの見方が、正しい訳ではありません。こんな事を、何故、何度も何度も繰り返し述べて、注意を喚起しなくてはならないのか…恥ずかしい日本人の一般的な知識レベルなのです。
証券マンは、プロ意識を持って、勉強して下さいね。哀しい…野村証券の株価水準です。過去の栄光は、何処に消えたのでしょう。馬鹿社長だから、きっと株価が低迷したままなのでしょう。昔、カタルが戦った…大手証券マンの誇りは、何処に消えたのでしょう。株価の奮起に期待します。