時代を振り返る

自分の立ち位置が分からなくなったら…時間軸を伸ばし、遠くから客観的に自身のスタンスを眺めることです。そこでカタルは今の日本株のトレンドを検証するために安倍政権誕生以降の株価を観てみようと思っています。その為に少し長めの日経平均株価のチャートを見ながら…これからの動向を探ろうと思ってみました。そのチャートが此方です。

日経平均株価の週足推移

安倍政権は2012年12月に誕生し、翌年の4月に日銀が量的緩和をスタートさせました。カタルが良く引き合いに出す「名目経済」と「実質経済」の違いは、物価動向が加味されているかどうか…なのですが、基本的にGDPの総額は伸びるかどうかなのです。

GDPは付加価値の合計金額で、原材料費を引いて、付加価値を付けて製品価値を上げた金額です。鉄鉱石や石炭を輸入して、鉄を作ります。この段階で鉄鉱石や石炭の合計金額より、出来た鉄鋼の価値が髙ければ…その差額が付加価値です。

パンなら小麦に水や酵母菌を加え、発酵させて焼くと小麦の製品から、パンとステージアップします。鉄鋼なら更に加工して、自動車などに利用される薄板鋼板にすれば、更に価値が高まりますね。その日本国全体の付加価値の合計がGDPですが…この数字が伸びるかどうか。

日本は、今の中国と同じで…様々な村論理の規制があり、分かりやすく言えば…鎖国政策を維持してきました。だから日本で活躍する外資系企業は限られます。日本独自の基準を満たす為、様々な障壁があり、外資の参入を困難にさせてきました。兎に角、使いにくいのです。ガラパゴスと呼ばれる所以です。

でも日本企業が、海外の労働力を使い価格破壊を起こしたのが…ユニクロ現象です。今では当たり前の価値観なのでしょうが…昔はTシャツの500円は衝撃的でした。フリースなど…様々な商品で価格破壊を起こし、ユニクロは成長を遂げ、とうとうスペインのザラなどと並ぶような世界的な規模になって来ました。

このユニクロの成長を見ると「内外価格差の是正」と言うキーワードが分かります。日本はバブル崩壊以降、この産業障壁の改善を、時間をかけて行ってきました。これが「失われた時代」です。空洞化現象とも呼びます。最後の象徴的な現象は、日産自動車のマーチのタイへの生産移転です。利幅は5万円ほどなのでしょう。その大衆車までも生産移転した方が効率的と判断されたのが2010年の初めです。

此処まで来て…2012年末に安倍政権が誕生し、デフレの清貧思想の政策から、初めて名目重視の政策に転換します。名目時代と言うは…基本的に「資産価格の上昇」です。資産価格とは、株や土地を意味します。日銀はETFやリートを買っていますね。途中、色々言う人は居ますよ。でも日経平均株価を見ても…地価動向を見ても、日銀の政策が効いていることは明らかです。通常、このような現象を見れば、私も一緒に儲けようと行動します。

所が…長引く政策不振で、日銀がガンガン火を焚き続けても、冷ややかな目で日銀の政策批判が続いてきました。これが「流動性の罠」ですね。なかなか名目時代への動きが広がりません。

この関門が、カタルが述べているデフレの関門である22750円です。この水準より上の株価位置が名目の世界で…下の株価位置が実質成長を重視する清貧思想です。過去ばかりを振り返り、他人批判を繰り返す…実質時代が、そんなに素晴らしいのでしょうか?

就職最難関の電通の過労死問題は、まさに「陰の極み」の現象です。東芝も同じですよ。様々な企業の不祥事が繰り返され、粉飾決算が横行しました。ライブドアなど可愛い存在です。村論理も、東芝や電通などで空中分解です。

寛容な社会形成になり、社会にユトリが生まれるのが「賃上げ」です。だからカタルは5%賃上げを実施したソニーを、長く語って来ました。この株価が上がるのは自然の流れですね。名目時代の象徴的な現象になるでしょう。

そりゃ、色々言いますよ。CMOSイメージセンサーが好調だとか…云々と。でも確り…本質を見ないとなりません。時代の流れを感じて欲しいのです。

名目時代は資産価格が上昇し…財産(資産)のある企業に本業以上のユトリを与えます。実質経済では株が下がり、年金債務が膨らみ特別損失を計上して、本業のもうけを吐き出して、やりくりをしてきました。その逆の現象が生まれます。

米国のスタイルが、市場経済の基本です。地価は年率で6%程度上昇し続けて行きます。つまり借り入れをして…資産投資をすれば儲かるのです。

中国がベルリンの壁崩壊から、直ぐに鄧小平は南巡講話を発表し「富める者から先に豊かに成れ」と「トリクルダウン理論」を述べたのです。この政策は良かったから、あっという間に、中国は世界2位の経済大国になり、米国に肉薄し…もう直ぐ追い越します。

読者の人は、本質を捉えて下さいね。時代の流れが銘柄を選択するのです。何故、カタルがその象徴的なケネディクスに固執しているか…分かるかと思います。ソニーが上がるなら、ケネディクスの株価は、もっと上がるのが道理なのです。

だって日銀様が、無尽蔵の資金でケネディクスの製品であるリートを買い入れてくれるのです。だからカタルは、宮島さんを当初、批判し続けたのです。彼は長く保守的な対応でした。しかし遅ればせながら…昨年、いや一昨年あたりから方針を転換しています。横浜の開発は、その事例の一つです。

まぁ、時代のアヤで…色んなことが途中であるでしょう。でもあくまでも政策方針で株価は動くのです。今は貿易戦争と脅えているようですが…NATOのEUの負担増などの要求は、当たり前の事を、トランプ氏は述べています。日本を見れば分かります。更にEUの関税撤廃になる可能性は高く…この貿易戦争はグローバル化推進の一翼と…も捉える事が出来ます。中国も資本比率など…中国独自基準は構造転換をせかされています。

まぁ、やがて皆さんも理解するでしょう。メディアの間違った方向性への誘導でも…一時的なのでしょうが、株価は、やはりガス抜きを余儀なくされ、地合いを固めます。まだ「進化論」の是非は当面、分かりませんが…カタルのように考える人達も、だんだん増えるのでしょう。あまり時代を先読みし過ぎても…一人旅で、苦労をします。やはり、みんなと一緒に行動するのが良いのでしょう。

来週はソニー株を6000円の株価で100株、買う事が出来るでしょうか? 間もなくソニー株もこのボックスを、日経平均株価の22750円に先駆けて抜けるのでしょう。カタルは日経平均株価のチャートを見ながら…改めて、自分にシナリオに自信を深めつつあります。

これから有料会員向けの原稿を書きますので…明日にでも読んでください。たぶん相撲があるから、アップは遅くなります。



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