カタルが有料のレポートを書くとしたら、どんなテーマを採用するのでしょう。まず、有料なので価値のあるレポートでないと意味はありません。でも本当に儲かるなら、自分で有料のレポートなどを書かずに、自ら投資をして儲けるわけですね。こんな事は常識です。だから、世間一般で出回っているレポートなどは、みんな「ザル」だという事です。価値のあるレポートとは、ヒントを多く含んでいるモノを言うのでしょう。
カタルは、いつも思っています。ニュースを集める為に1~3時間ほど時間をかけ、更にテレビも情報源だとすれば、毎日5時間程度を、この情報集めだけの為に、データを蓄積している訳です。しかし当然ですが、その過程で、つまらない意味のない時間を費やすのですね。このフィルターが欲しい訳です。
一例を掲げると…、カタルは良いテクニカル・データを探そうとしており、日々の株価データの蓄積をしています。リストには、必ず、人気株がヒットするようになっています。例えばTICK指数と言うものがあります。売買代金や売買高、勿論、値上がり率や値下がり率にはない、実際の人気度が分かる指標ですね。これを毎日蓄積しており、どんな株が人気株に育つのか探っているのです。
例えば、大納会は「OTS」(4564)が27376回で、TICK回数では人気が第一位ですが、売買代金では「日経レバレッジファンド」(1570)です。これは個別銘柄より遙かに多く、「トヨタ」(7203)のおよそ2倍の売買代金を、このところ、コンスタントにこなしています。他に、ETFなどの影響も受け売買代金上位には、いつも値嵩株が並びます。ソフトバンクに、ファーストリテイリングなどは常連組ですね。どうしてかと言えば…値嵩株は、日経平均株価に寄与する割合が高く、連動性が強いので、指数関連ファンドのコア株に選ばれ運用されているからです。
逆に値上がり率でみると…、時価総額が小さい銘柄が多く、毎日、メンバーがコロコロ変化します。これは当たり前の理屈ですね。でもこんな指標は、あてになりませんが、みんなが売買を活発化させている様子が分かる指標が、「TICK」回数と呼ばれるものです。これは1日の立会時間中に、何回、値付けが行われたかを示す指標です。新聞には一般的に取り上げられませんから、普通の知識レベルの人は馴染みがないでしょうが…、証券マンにとっては非常に重要な人気のバロメーターですね。
大昔…の話です。株価を知る手段がない頃、株価通報テレビ(=クイックも含め、今ではパソコン画面に変化)で株価が分かるようになったのは、実は、最近の事なのですね。昔は立会場から短波で株価をラジオ放送していたのです。その頃は、その短波放送を聞きながら、黒板に、短波を聴きながら株価を書く仕事が、株式部員の新米がやる仕事でした。アナウンサーが、建設業からサービス業まで順番に株価を読み上げるのですが…、途中で何度も、人気株の株価の気配を伝えるわけです。そうなると…、人気株の株価欄は大変な混雑になり、株価を書くスペースがなくなります。時計の針がチクタクと進むように、株価を刻むわけですね。TICK回数の由来は、そこから来ています。つまり市場の人気株を探るのには、このTICK回数を観ることが、非常に、大切だという事です。
まぁ、新米の証券マンが、このような経験則を、実感として自分で掴むまで、実際は何年も掛かるのですよ。カタルは先輩から、昔、クイック(株価通報テレビ)の見方を教えて貰い、同時刻の値付けが早くなると…先輩は、株価が上がるサインとして、注文を発注していました。昔は売買を整理するために、手作業でしていた訳で…売買が集中すると、一旦注文の受付を止め、売買を整理する「板寄せ」と言う作業がありました。
場内で笛を吹き、注文受付の中止を知らせるわけです。所謂「笛吹き」です。大概、先輩が注文を出すときは、この板寄せに引っかかります。あるいは…運よく板寄せ前に注文が入ると、その作業で買い注文が多いと、買い気配表示になり、売り注文を待つわけですが…、その間、どんどん気配値が上がるのですね。実に、活気のある場面だったのです。だから注文を出す市場部員を、体格のいいラグビー部員を採用していた証券会社もあったほどです。人垣が出来る中を、人込みをかき分け、他人より早く、才取会員に注文を提示するわけです。まるで戦争で、体力勝負ですね。今では過去の遺物ですが…。
さて…話を戻しましょうね。だから、価値のある話題だけを集めるサイトがあるなら、いくらかの情報料を費やしても欲しいのです。自分で情報を集めるのは実は大変な作業です。一定の経験がある証券マンの目で、掬った(すくった)情報が欲しい訳です。でもこの作業は大変なのですね。能力のある証券マンは少ないのです。大概は、ザルの情報ばかり集めます。たくさんの新聞報道や雑誌報道から、相場の裏を知る情報を得る為に、どれ程の能力が要求されるか…。カタルは、既に公開でレポートを書くようになり、17年程度が経過します。それでもこのレベルですよ。証券マンで30年以上経験し、歩合の世界で数々の経験をして、このレベル。情報を集めるのが、如何に大変か…という事が分かるかと思います。でもこのカタル情報を鵜呑みにして、表面しか見ていない読者も大勢います。多くの情報の中から、シナリオを選択して、銘柄を選定するわけです。一般の人は、まず無理でしょうね。
だから、このカタルレポートは、月に1万円程度から10万円まで…払っても良いようにカタル自身は思っています。しかし一般の人は、どの程度、この情報にお金を払うのでしょう。日経新聞は4500円程度ですから、これが最低限の水準でしょう。例えば、カタルは、この正月休みに、あるデータを収集しています。その前提条件を探る為、基礎データのグラフを提示しましょう。
このグラフは、昨年の日経平均株価と日経225採用銘柄のサイコロジカルの数字と14日平均値の動きを示したものです。サイコロジカルの説明は、此方です。個別株のサイコロジカルラインの平均です。日経平均株価の上下による直接の数字ではありません。あくまでも個別銘柄の平均値ですから、精度はさらに高いでしょう。何故、サイコロジカルかと言えば…、一般的であり、いろいろ試した結果、日経平均株価に先行して、明確に、連動している様に感じられるからです。この実感を得る為に、実は4年程度の歳月がかかっています。いろんなものを…試したのですね。
株価を動かすものは、人間心理が行方を決めます。その人間心理を動かすものは…株価の上下ですね。人間と言うものは人気が出てくると…だんだん、その気になるものです。だから株価が上がる回数が増えれば…、どんどん人気が過熱するのです。さて、このグラフを観ると…確かに大きくマイナス乖離した後に、株価は底入れしているようです。相場のイメージは掴めますが…これも今一です。
今度は上昇率と下降率の比率、つまりRSIと言う指標があるので、これを元に見てみると…日々のRSIより、週間のRSIは、より綺麗に、株価のイメージを表しているようです。相場が上昇するためには、何度も何度も、日々のRSIが、週間のRSIを上方乖離する動きが連動すると…、実際の相場は良くなって行くようですね。
確かに…昨年、儲かった時期は、日本通信が生まれた3月から6月にかけての相場ですね。最初は、何度も日々のRSIが、週間のRSIを上方乖離している様子が分かりますね。つまり…この変化を待てば…いいのでしょう。それでは…具体的に、どのようにして、この変化の中で銘柄を選別して行くか?
さて新春を飾るレポートは此処までです。この正月休みにカタルが勉強した成果の一端をレポートにまとめました。参考になりましたか? このデータを蓄積する作業も、実は大変なのです。このようにして試行錯誤して、実際に投資をしてみて、検証を繰り返すわけですね。まるで新薬開発をして臨床試験をしているような気分ですね。
カタルの本質は、テクニカル分析で銘柄を選別する事ではありませんが…、実際はテクニカル面のデータも、本文を書くにあたり、参考にしています。こんな感じで、今年もスタートするわけですが…、皆さんも、何度も述べていますが、カタルの意見は、市場に存在するたくさんの意見の中の、一つに過ぎません。だからカタルの意見を参考にするのは構いませんが、あくまでも最終的な投資の判断は、自分自身で決めているのですね。その点を良くわきまえねば、なりませんよ。カタルは、このように今年もがんばります。まぁ、いくら努力しても、成功できるとは限りませんが、たゆまぬ努力は続けるつもりです。互いに頑張ろうね。本年もよろしくお願いします。同時にコラムにも、本年の見通しを掲載しております。