J・TECの業績発表を見て…

かたるまず何故、J・TECの株価が、思うように上がらなかったか?

理由は明白で、期待しているジャック(膝軟骨)の収益化が、非常に遅いと言う事。さらに既存のジェイス(人工皮膚)の頭打ちが原因ですね。ジェイスの適用範囲は、以前も述べましたが、非常に制限されています。その為、我が国では適用範囲の患者が、そもそもそれほど居ませんし、重傷故、細胞を培養している最中に、患者が死亡すると言う破棄損失が多く存在していると思われます。16期の801百万の売り上げが、17期に531百万に減っていますね。ただ昨年10月に臨床報告期間が終了し、今年1月に再審査申請書を提出しており、保険適用に関する留意事項の緩和が予想されます。つまり限られた患者適用から、より軽度の患者へ、薬の適用範囲が広がる可能性があります。再生医療分野であり政策支援があるので、早期の認可が期待されますね。

もう一つは、ジャックの利用が鈍い事。此方は、先日発表されたように、ようやく全国に170か所の認定施設を設けることが出来ました。再生医療は、早期認可の為に臨床が不十分で、実際に認可されたからと言って、直ぐに一般化するわけではないのですね。様々な基準が儲けられて、適用後の臨床も義務付けられています。つまり実験をしながら実用化しているのでしょう。ジャックもようやく離陸と言う段階ですが…まだ株価に影響を与えるほど、収益が出ている訳ではありません。昨年は実験レベルの142百万円と言う結果です。しかし前年から、およそ3倍の伸びですからね。今年は5億レベルが期待されます。

J・TECの売り上げ推移
image-569

J・TECの売り上げ推移

今期の売上数字が、およそ31%増えたのは、親会社のフィルムからの受託開発費の計上が大きいですね。此方が558百万円、計上されています。だから売り上げがグラフのように右肩上がりで伸びています。一般的に、株屋は売り上げの中身を見ませんからね。売上が順調に伸びていると…思う訳です。このような小さな会社の場合、売り上げが命です。中身がどうあろうと…利益の質など、あまり問題にしません。同時に、前決算では政府系機関から、様々な支援を得ています。経産省から2点で、独立行政法人(NEDO)、文部科学省及び厚生労働省からと、厚生労働省単独でも補助金を受けていますね。5か所から、額は合計で219百万円と僅かですが…政府が再生医療を応援していることが窺えます。良いですか、所轄監督機関の厚労省だけではないのです。この意味は非常に重要です。経産省は国家の方針を決める重要な役割を担っていますね。

更に…かたるが、もっとも期待しているバックボーンの一つ、此方はあまり知られてないと思いますが…。親会社の富士フィルムが主導し、再生医療にかかわる国内150社でつくる団体が、米国や欧州の再生医療ビジネスを進める団体と提携を結び、国際的な基準作りを目指しています。良いですか…世界のデファクト・スタンダード(標準規格)を握ることは、非常に重要なのです。嘗てNECがパソコン界を牛耳る事も出来たのです。しかし結果は、負け組でしたね。今はアップルとグーグルが携帯市場のデファクト・スタンダードを手に入れています。再生医療の分野で、日本がイニシアチブを握る可能性は高いですね。

何故なら、安倍政権が世界のどの国より早く、製品化を認可している為ですね。そりゃ、ジェイスを見ても分かるように…いろんな制約がありますよ。早い話、死ぬのが分かっている患者に、最後の手段として提供されているようなものですね。網膜再生も同じです。他に道がないのです。故に早期の認可が魅力となり、今、続々と日本で再生医療の拠点を設けようと、世界の製薬会社が集結していますね。このような目に見えないバックボーンは、株価に大きな影響を与えます。これはおそらく、まだ市場で認知されていませんね。カタルは此処で指摘することにより、徐々に市場で、評価を受けて行きます。先日の富士フィルムの報道は、5月7日に報道されているものです。関連のニュースは此方です。

さて、再生医療は素晴らしい分野ですよ。今日も武田が電子カルテを利用する話が、日経新聞に載っていましたね。良いですか、電子カルテが整備され応用されると、一気に医療の分野が加速度的に進化します。やがてスパコンを利用するのが当たり前の時代になりますね。臨床などが必要なくなるのです。そうすると新薬開発のスピードが一気に短縮化され、効率化が進みます。10倍なんて…もんじゃないでしょうね。つまりPERが革新的に評価されるのです。PER100倍は、当たり前の時代になりますね。理由は潜在成長率が一気に増すからです。その中核に位置しているのがフィルムです。今回のCellular Dynamicsの買収もそうですね。この相乗効果は非常に大きくJ・TECの株価を後押しします。

株価は期待感を含んで、現状の業績評価からみれば高いですが…まだ全然、このような明るい未来を織り込んでいませんね。あっという間に、高収益会社に変貌しますね。まぁ、見ていなさい。人工皮膚のジェイスの適用範囲が拡大され、やがて美容整形の分野にも応用されますね。シミなどを気にする大勢の年老いた女性は、無限に存在しますね。再生医療は、アンチエイジングと同意語になります。

良いですか…。株は目先など、どうでも良いのです。5年、10年は、あっという間に流れて行きます。J・TECを、安定株主として長く保持してみたい株ですね。やがて株価面ではファナックも凌駕し、日本で一番の高株価になるかもしれません。ただ現時点では残念ながら、目に見えた業績変化は、見られません。今期の期待は、ジェイスの適用拡大が焦点であり、ジャックの成長度を、見極めるのがポイントとなるのでしょう。せいぜい上手く行って黒字化が成るかどうかなのです。現状は会社の予想通り、今期も5億円強ほどの赤字の見込みです。でも出荷に備え、工場を増強した意味を噛みしめてくださいね。あとは会社の資料を見て、自分なりに分析して下さい。資料は此方です。

さて、シャープの資本金を食うリストラが、日経新聞のみならず、至る所で報道されているようです。正式発表ではないのでコメントをするのもどうかと思いますが…、公募増資をしたばかりなのですね。この意味を、よく考えることです。まるで詐欺になりますね。証券会社も、認可した東証も加担しています。だから100%減資があり得ません。1%でも既存株主に残れば、既存する資産は、株主のものですから、株価価値は変わりません。問題は、次のステップです。当然、何処かで増資が予想されますが…、これを見込んで剰余金をプラスにしておきたいわけでしょう。この意味は、二つの捉え方があります。一つは株主を馬鹿にしていると言う、厳しいものは当然の発想です。

しかし同時に、これで社員には後がないと…促す意思表明ですね。人間と言うのは「火事場のばか力」と言うほど、土壇場に追い込まれると力を発揮するもので、意外に追い込まれたシャープは、これで育つかもしれませんね。こればかりは…これからの歩を見ないと分かりません。もしこの報道で、新安値に売り込まれれば、またカタルは買ってみようと思っています。まぁ、全てはケースバイケースです。

まだ正式発表でないのに…敢えてコメントしたのは、読者からのメール相談もある為ですね。どっちでも良いのです。株価など上がろうが、下がろうが、どっちでも良いのですね。要するに、自分がどのようなポジションで臨むか? 仮に、倒産したら、どう対処するか? いつも、あらゆる可能性を考え、投資に臨めばいいのです。だから分散投資なのですね。仮にカタル銘柄3銘柄を、それぞれ100万円ずつ投資したら、一つだけ成功すれば、それで充分ですね。一つが10倍になれば、それで良いじゃないですか。投資など、そんなものですよ。嫌なら、配当している大型資本の割安株を買って置けば、先ず、倒産は、余程の事がないとあり得ません。粉飾とか…ね。

ただシャープの中小企業家と言うのは、あまり褒められた手法ではありません。まさに一世一代の「大勝負」と言うイメージですね。面白くなって来ましたね。株価が大きく下がると、もっとも面白いのですが…果たして、そんな株価が成立するかどうか…。楽しみが又、一つ増えました。それではまた明日。今日から、相撲ですね。遠藤君は成長したかな…今日は、勢との対戦ですね。錦織君は残念でしたが…。DeNAが、意外にも…連勝を続け、スポーツもなかなか面白いですね。



amazon.co.jp 全品に拡大 無料配送キャンペーン実施中!詳細はこちらをクリック。

IRNET

本サイトは、「今日の市況」(月~金)、「株式教室」(土)、「コラム」(日、祝)をほぼ毎日発信しています。

2024年11月
« 10月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

過去のIRNET

広告

株式投資関連の本



連絡先

kataru at irnet.co.jp
(at をアットマークに変えて送ってください。)