買い主体は誰だ?

正直言って…「日立製作」(6501)の上場来高値更新を観てから、カタルの相場観は修正途上にあります。その「独りぼっち」の弊害から立ち直る為…今は相場観を見直し、その修正に務めようと考えています。具体事例の一つを指数で示します。

海外投資家動向の推移

先週の海外投資家の買いは、先物動向を観ると…日経平均株価(1152う億円買い)より、TOPIX型(4736億円の買い)に傾いていました。近年、平均するとこの傾向は強いようです。カタル自身、最近、海外投資家動向のデータを集めた為に、これまでのデータがありません。調べると言っても、東証などのデータは、わざと「使いづらく」表示しているように思えます。自分でデータを作らない事務的な処理なのでしょう。役所らしい…のです。日本と言う国は、データの管理が非常に「杜撰な国」です。米国と比較するとよく分かります。まぁ文句を垂れても仕方ありません。

日経平均株価の推移

あまり気にしなかったのですが、日経平均株価は、どちらかと言えば…「株価」を指数にしており…TOPIXは「時価総額」を主体にしたデータだと認識しています。

TOPIX指数の推移

その為に時価総額基準があります。100億円以上と言う「最低限の縛り」があると思っています。どちらかと言えば、TOPIXは時価総額の大きな会社が主体です。その違いをチャートで観てみましょう。如何でしょう。カタル自身も調べるまで…知りませんでした。これが「日立製作」効果です。基本的に、今の市場をリードする「種族」が誰か? その話です。

日本人は「米国株の動向」を観て…日本株を連想させて株の売り買いをするようです。基本的に、かなりの確率で…米国株が高いと日本も高く、米国株が安いと日本株も安い。しばらく前は、日本株は、米国株が高くても安かったのです。

でも最近は「普通の状態」になって来ました。しかし大昔は、日本株の方が、米国株より強かったのです。バブル前の話しです。この指数の違いを受けて…カタルは大型株が市場をリードしていると、最近は、認識し始めています。その為に自分自身の相場観の修正を試みています。「住友化学」(4005)を紹介して…ひょっとしたら、「底入れ」かも…知れないと思っているのは、その発想の欠片です。

相場と言うのは、誰かが手を加えないと…自然の状態では、一般的には株価は下げます。

誰かが関与しているから…株価を保っているのです。自然の状態では下がるのですよ。つまり買っている種族の動向を分析することが、必要なのです。「市場の整合性」を理解するのは、なかなか…大変なのです。

単に企業業績が良いだけでは、株価は上がりません。そんな株は腐るほどあります。良く読者から質問を貰うのは、この手の質問です。何故、こんな業績なのに…株価は下がるのか? …と言う質問です。

例えば…カタル銘柄の中の「KPPG」(9274)にしましょうか…。旧社名の「国際紙パルプ商事」の方が、馴染みはあるでしょうか? PERは4.4倍~4.0で…配当利回りは3.3%です。

「KPPG」(9274)の業績推移(四季報より)

コロナ禍で落ち込んだ「塗工紙」、つまり新聞のチラシなどを主体にしている会社ですが、海外に力を入れて…買収を梃子にして業容を拡大させています。2021年の後半から2022年にかけて、大きく変身を始めました。海外が主体になったので…「円安効果」は大きい筈ですが…保守的な体質と借金のよる買収なので、財務面は弱いのです。しかし、市場評価は、かなりの安さだろうと思っています。その業績を掲げておきます。

市場の整合性からすると、他の紙・パルプ株との比較になります。「紙パルプ商事」(8032)なども割安株なのでしょう。

KPPG(9274)の日足推移

カタルが言いたいのは、自分が、いくら「割安だ」と思っても、株を買ってくれる人種が存在しないと株価は上がりません。まだ基本的に…日本株は「実質成長期」から、「名目成長期」に移行したばかりです。つまり…株に対して多くの人は無関心のままです。

最近になって、ようやく…若者中心に「新しい投資層」が生まれ始めています。でもこの人種は、あまりお金を持っていません。基本的に100万円~300万程度なのでしょう。1000万円単位で株式投資をする層は、やはり「年寄り」です。でもこの世代は、お金を持っていても「痴ほう症」など…証券会社側もトラブルを避けて株式投資を勧めません。

「34年の悲哀」は長過ぎたのです。せめて…あと15年ほど前、あのリーマンショックの時に、日本の政策当局が態度を変化させているなら、ここまで疲弊はしていません。馬鹿が米国のリーマンショックをバブル崩壊と、同じ扱いのトラウマになって「過剰反応」(清貧思想)をしました。ベンチャリの失敗は、今ならあり得ないけれど…あの時の資金の出し手は「商社」だけでした。銀行は厳格な査定ですからね。時代の流れって…面白いですね。

こんな話ではなく…本日は海外投資家です。果たして本日の日経新聞のスクランブルの記事が本当かどうか…。あり得ますが、所詮は、若者の小さなお金です。老人が持っている現預金残の1%の資金移動が、どの程度、進むか?…ですね。そこで…これまでの相場を振り返りチャートを追ってみましょう。

「三菱UFJ」(8306)の 日足推移

カタルの推奨株の中でも、筆頭格は「三菱UFJ」(8306)の成功でしょう。この株は昨年末の「黒田サプライズ」が基点になっており、今日まで…その流れは続いています。その次は「日本製鉄」(5401)の構造改革です。

「日本製鉄」(5401)の 日足推移

起点は昨年末に始まった変化を観て、海外投資家が「日本株」を買ってきたのでしょう。当然、此処に「米中対立」があります。米国は完全に資金を引き上げています。

アドバンテスト(6857)の指数相場の実態が分かる日足

そうして…その受け皿としてインドを中心に、工場建設などの直接投資も盛んです。1992年だったかな? 鄧小平の南巡講話「富める者から、先に豊かになれ!」と言うのは、共産主義の考え方ではありません。市場経済を取り入れたから、グローバル化のファブレスやEMSなどが盛んになって、日本の空洞化が始まりましたが、その時期に、中国の構造改革とピッタリ…「時間軸」が合いました。だから、中国は日本のお陰で製造大国になったのです。

でも今は本日の日経新聞にも載っているように…日本も米国に追随して、これから始まります。汚染水の「戦狼外交」が、切っ掛けになっています。

そもそも…「共同冨裕」と言う概念は、間違っています。「一帯一路」も傲慢です。挙句に「戦狼外交」です。アセアンの支持を得られずに、会議は欠席です。

習近平はソ連時代の「間違い」を、再び…繰り返しています。理想は分かるけれど…北朝鮮のようなものです。一緒に貧乏になります。「共同貧困」の道です。本日の「不二製油」のポイップ工場の建設は分からないでもないけれど、果たして正しい行動でしょうか? むしろ「ニデック」のインドへの工場建設の方が、筋は良いと思っています。指揮官は目先の利益と未来の利益のさじ加減の采配が大変です。

こんな世界情勢ですから「キャノン」(7751)の国内回帰が光るのです。最近は半導体だけでなく、エアコンなども国内生産に切り替わっています。地方経済も地銀の活躍が目立って来ました。ラピダスが成功するなら良いのですが、実験と量産化の違いを述べるレポートを始めて見ましたね。

でも…東証のPBR発言は遅すぎると思いますが、この流れは基本的に株主還元に繋がり、動かない内部留保の活用になります。「デンソー」(6902)の報道を、何度も…登場させた理由です。基本的に時代の観察が、未来の株価に繋がります。

パイオニアの指名解雇は1993年でしたね。そうして日産マーチのタイへの生産移転が…この2010年が「空洞化のピークアウト」でしょう。始まりと終わりの象徴的な出来事です。2021年、コロナ禍での「サプライチェーンの混乱」が国内回帰に繋がり、この動きに呼応するように…「米中対立」が生まれます。共同冨裕から戦狼外交の選択は、明らかに間違っています。だって誰も資金を入れません。何故、カタルがゴーン逮捕や東京機械などの最高裁判決を批判したか? その原点は、資金の流入を止める動きだからです。

しかし東証のこの発言は、まるで「逆」です。ここから海外投資家は果実を求め、川船の株価のように資金を投入します。だから京都銀行の株価も大きく上がっています。


「京都銀行」(8369)の 日足推移

一見すると「川船」(9107)と「京都銀行」(8369)の繋がりは見えません。共通点があります。「総還元性向」が焦点にもなります。今回のTOPIXの堅調さは、大きな資金の流入なのでしょう。自分が持っている株と市場の焦点を比較すると分かります。

野村証券は構造改革が遅れています。みずほが函館支店を閉じて札幌に移転させた意味を社長の奥田は、どう感じたのでしょう。アルケゴスの責任も取らない馬鹿には、何を言っても無駄です。やはり氏家体制から野村は、間違った選択ばかりをしています。指揮官の方針が、如何に大切か…ジェイドGの田中君の活躍が期待されます。そんな事で、本日はこの辺でお終いです。

野村証券(8604)の日足推移

結論は出ていません。「問題提起」のレベルの原稿でした。でも野村証券の年末年始の高値奪回は確定でしょう。あの時の721円の高値奪回から「仕切り直し」の相場です。今度は今、行っている経費節減と市況回復で利益は急増すると思っています。

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