アーカイブ:2017年10月14日

テーパリングの難しさ

この2週間の大幅な株価上昇は、いくら強気のカタルでも…全く予期していませんでした。実は、本日は有料読者向けレポートも書く日ですから、前回の有料レポートを読んでみると2015年高値20952円の奪回は、年内予測だったのです。  

日経平均株価の月足推移

まさか1996年の22750円が視野に入るような「上げ相場」になるとは思ってもいませんでした。ただこの水準は重いはずです。1994年6月には21573円の壁もあります。しかしITバブル期の20833円を抜いた意義は、非常に大きいものがあります。  

昨年7月の「馬場レポート」を見てからの着想の正しいことが、裏付けられている展開です。もう一度、簡単に…この「馬場レポート」をお浚いします。この馬場記者が書いたレポートは、失業率3%割れが、物価上昇の目安になるとのレポートでした。  

このヒントを「切っ掛け」にして、何故、日銀の量的緩和継続でも、なかなか「流動性の罠」が、解消されないのか? の「謎とき」が出来た、開眼を促すレポートでした。  

失業率と消費者物価の推移

カタルは過去の消費者物価、失業率の推移を長く追い…自分でグラフを作成して、仮説を立てました。失業率が3%を割れると…経済が動き出すというものです。  

ここに…電通事件が「切っ掛け」になり、ヤマト運輸の賃金未払いなど…サービス残業にスポットが当たります。驚きますね。電通だけでなくNHKも…すべての超優良企業でも「ブラック企業化」が、当たり前の世の中になっていました。この事実が明るみに出たのが…電通事件です。故に、カタルは「パイオニアの指名解雇事件から始まり…電通で終わる」と述べたのです。  

この馬場レポートからの着想は、まさにピッタリコンのベストタイミングでした。カタルの革新的なアイディアの背景です。だから「夢テク」の相場は、こんなものではありません。かなりの確率で…クラウドワークスに追随するだろうと…今は考えています。  

実は、様々な仮説が、頭の中にあり…それを、いちいち解説していたら大変です。この馬場レポートを元に、カタルは実質時代の終焉を述べており名目時代の到来を予見しています。  

その一つの現象が、アベノミクスの成否を決めると…前から述べていた「ケネディクスの相場」展開です。馬場レポートとも繋がっています。まさにピッタリコンの「エリオット・ファンド」の介入でした。流石、世界で一流のファンドマネージャー達がいる集団です。経営者の怠慢を突いた株集めです。ヒントは此処までで…カタルの空想の公開は、今はしません。 想像など…あまり意味がないからです。 

市場で株式を公開している以上、会社は公器です。誰が株式を買っても自由なのです。嫌なら、非上場にすべきです。公開されている以上、経営者は、真剣に経営をしなくてはなりません。それを…東芝のような村論理が通用するなんて…おかしな話です。  

だから日本は、世界から認められないローカルなのです。まぁどこの国も、グローバル基準を遵守しているとは言えませんが、少なくても、絶対に崩せないコアの部分はある筈です。東芝は、これを壊す可能性があります。後出しジャンケンは、いい加減にすべきです。  

話の流れが、変化していますから元に戻します。カタルは簡単に38915円の挑戦に、このまま向かうとは思っていません。その前に超えなければならない壁は、米国のテーパリングです。新興国の多くは、ドル資金に頼っています。このままイエレン時間が流れるか? 非常に微妙なのです。カタルは、依然、金融規制が問題なのだろうと考えています。しかしドッド・フランク法の影響力が、低下していると言う現象も存在します。  

でもね。多少、米国の金融株は上がっていますが…ほかの株と比較すると…株が上がっているとは言えません。辛うじて、リーマンショック前の株価を回復した程度の話です。まだまだ金融機関の体質は脆弱なのでしょう。このままテーパリングから、利上げが耐えられるか…非常に危ういと考えています。  

つまり…「ダリオ時間」の可能性が、依然、残っていると思っています。だからテーパリングは慎重な対応が望まれます。バブル状態になっても…カタルは良いと思っています。確かに不動産は急上昇し、株価も連騰を続け…資産バブルが懸念されています。でも現状は「砂上の楼閣」のイメージも残っているのでしょう。  

銅の市況推移

この辺りの「さじ加減」は非常に難しいのです。原油価格の低迷というか…なんと言うか。先日、大手の資源会社が、銅の増産に踏み切りましたが…市況は、増産に耐えられるかどうか。  

読者のレベルは、日経新聞程度でしょうから…その裏の背景を説明しても意味がありませんが、兎に角、テーパリングは、そんなに簡単な話ではありません。だからバーナンキが、この話をしただけで…あの時(2013年5月~6月)に市場が反乱を起こしたのです。  

慎重さが…必要です。ここでの上げ相場は、本格的なテーパリング開始を前にした「糊しろ」確保の可能性も存在します。 

良いですか…市場には色んな思惑があり、いろんな見方が存在します。逆に…日銀のETF買いの成果が、これから生まれ始める時期かもしれません。一気に、実質時代から名目時代への分岐点を通過するのかもしれないのです。  

カタルは、長くこの事を述べてきました。個人を始め、企業の豊富な現預金残の内部留保の存在や日銀の当座預金など…この資金が、いよいよ動き出します。  

この可能性がメイン・シナリオです。しかし常に、ダリオ時間がカタルの頭の片隅には存在します。故に、様々な指標を注意深く観察する必要性があります。その一例は原油価格であり、増産が実施された銅価格の推移も、注意深く見守る必要性があります。特にドルが減ると…困るのは新興国の株価です。BRICsの株価を、よく見ておく必要性があります。  

良いですか…カタルだって、未来が分かる道理がありません。様々な仮説が存在する中で、自分が、どのシナリオを採用して行動するか…それは、自分が決めるのです。  

株式投資で、一番大切なことは…自分自身の力量を、どう考えるか? カタルのような失敗を、読者の皆さんは、しないように…新高値圏の株価故、注意を喚起する次第です。強気を堅持しながら…いつ何が起こってもいいように、守りも同時に考えておくこと必要なのでしょう。それでは…また明日。 

本日は有料読者向けにレポートを書く日です。深夜になるでしょうから、明日、会員の方は読んでください。 



amazon.co.jp 全品に拡大 無料配送キャンペーン実施中!詳細はこちらをクリック。
2017年10月
« 9月   11月 »
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  
株式投資関連の本