ロコンドの決算を考える

残念ながら、カタル君は普通の証券マンでした。一応、「証券アナリスト」の資格を(1995年だったかな?)取りましたが、基本は素人のようなものです。ですから公認会計士のように詳しい分析は出来ません。ですが…ロコンドの株価の急落に違和感を覚えたので、その数字を自分なりに分析してみようと思いました。それを加味して原稿を読んでください。尚、経理士などの専門家も、読者の中に居られるでしょうから、間違いがあったら指摘して下さい。お願い申し上げます。

さて…ロコンドの期待値が高いことは、信用買い残などから事前に分かっていました。だからこの「期待感の剥落」が相場に欠かせないことも理解していました。ですが…まさか、こんな形を歩むとは…カタルも意外感を持っています。

最初に田中君の決算会見を聞いた時の印象は「安心」したのです。四季報の予想数字と変わりなかった為に…マズマズの数字と思いました。

ですが進捗率が50%を切ったので、やはりヒカル効果も苦しかったのかな?…との印象を抱きました。もともと予想を超える受注だったようで製品の出荷が間に合わなかったようで、まだ若干3Qへの積み残しもあるようです。当初は8億程度から10億から12億と言われているようです。

ですが、ここで問題なのは…商品取扱高と売り上げの関係です。ZOZOなどもそうでしょうが…商品の販売額が、売り上げ計上されてないと思うのですが、このヒカル君のスニーカーは自社で作っている筈だから…売り上げに入るのかどうか? 単に商品取扱高にカウントされるのか? この辺り、IRに聞いてみないと分かりません。

通常は自社で製造して販売する場合は、取扱高を売上計上すべきだと思っています。どっちなのでしょう。まぁ、いい加減なカタル君ですから、あまり詳しい部分を追求しないで自分で調べて下さい。この問題は「スルー」します。カタルが分析するのは此方の資料です。

先ず、連結も単体も同じようなので…単体の数字を元に分析をします。1Qは40億12百万円、2Qは52億36百万円で30.5%増となっています。前期比では1Qは-2.57%で、2Qは32.62%増となっています。つまり取扱高は1Qから2Qは、12億24百万円増加したわけです。

決算書は1Qの売り上げは19億55百万で、(前期比-10.7%)2Qは48億11百万円(前期比15.8%)となっています。なので…2Qの売り上げは28億56百万円です。やはりヒカルブランドの扱いは分かりません。

カタルは、そもそも…2017年の売上が28億93百万→2018年が39億79百万円→2019年が67億11百万円→2020年が85億76百万円なので…、37.5%、68.7%、27.8%の伸び率なので…この3年の平均値44.7%なので、45%と「驚異の成長」と、この潜在成長率の高さからロコンドを推奨したのです。当然のことですが…期により、大きな上下がありブレがあります。何しろ…今年初めからの観察です。

正直に言えば…皆さんが期待している利益より、カタルにとっては、「売上高の増加」の方に関心があります。その分、1Qの発表からの株価上昇は、あまりの驚きでした。故にカタルは順番に売り上がっていました。そうして最終的に9月4日現在は現物株4000株だけの持ち株になっています。信用分は持ちがありません。

ですが…その後、株価が下げる過程で、「3割乱高下に向かえ!」の格言通り、信用の持株数は10500株になりました。この調整波動、第一波の買いの行動が失敗でした。この下落率は31.5%で13日間の下落期間です。

カタルも人間だから…やはりスケベ心があるのでしょう。ですが…10月2日の段階では信用の持ち株は5000株に減っています。たぶん、あの新作発表の時に売ったのでしょう。

今の下げは調整、第二波の下げで…戻りの新作発表から既に14日間経過して、下落率30%です。エリオットの株価波動では3つの上昇波動と2つの下落波動で一つの波が完成すると言われており…大きな第一波の波が終わり、今度は第二の波が始まります。(下の日足を参考にして下さい)

この資料の取扱高推移では1Qの数字は悪かったのですが…例の田中君の6月発言で期待値が高まった訳です。

イナゴ族が期待する営業利益30億なんか…誰も考えていません。

ロコンドの会社四季報推移(前号と今回のもの)

欲も程々にしないとなりません。前期は赤字計上なのです。それが10億円の営業利益でも…たいしたものだと思ってカタルは買っていました。ここで…その修正度合いを理解するために、四季報の前号分と今のものを掲載しておきます。 1Qの実績は悪かったのですが、ヒカル効果を田中君が語ったために、過剰にイナゴ族の期待が膨らみ、株価を押し上げました。

カタルに取って「イナゴ族」との協賛は、初めての体験です。ですが…カタルが最初に聞いた決算の第一印象と、何故、株価の動向が、こんなに違うのでしょう。

カタルは、この「D2C」と呼ばれるインフルエンサーを利用した商売を始めた田中君の経営センスを大きく買っています。

資生堂の魚谷さんは、中国のネット販売を転換してないように感じています。彼は、そのネット販売の力を知りながら…経営の舵を切っていません。しかし田中君は、実際にヒカル君を発掘して利用し10億円以上の販売に繋げています。やはり…この行動力は、髙く評価されるでしょう。田中君もその事を認識している様で…UUUMの販売実績と自社の比較を採り上げています。此方です。

D2Cの販売力

カタルが注目するのは、もう一つのEC請負業の「BOEM」分野です。この分野は、例えば…個人がアクセサリーなどを作り販売する場合でも活用出来ます。最近は個人がネット販売する時代ですから、販売の煩わしさや物流管理をしてくれるなら、大きな分野に成長してもおかしくありません。地方の名産品の販売でも良いですね。田中社長に頼めば…対応をするでしょう。

BOEMの取扱高推移(百万円)

たぶん…このBOEMはプラットホームを提供して、物流からお金のやり取りまで請け負うのでしょう。何も靴だけではないでしょう。早い話が…楽天やアマゾンと同じです。街の靴屋さんがネット販売を自前で立ち上げるのは難しく…返品の仕組みがあるこのサイトの利用価値はあるのでしょう。

e-3PLの取扱数量(ピース数)

更にe-3PLと呼ばれる物流受託の分野です。複数の店舗を抱えて在庫リスクを避けるもので、実際の店舗で試着して…後でネット配達をしても貰う事も出来ます。在庫管理は大変ですから、それを請け負ってくれるのは助かります。このプラットホームは、まだ始まったばかりですが…都心の店舗では多くの在庫を持てませんから、後でネット配達をしてくれるのは助かります。未来において…大きく伸びる可能性があります。

グラフのBOEMの単位は百万円、e-3PLは出荷は個数の推移です。

このようなプラットホーム事業は、他になくロコンドの…これからの成長を支える為、この協業は原動力にもなり得ます。故にカタルは「ラッセル組」とロコンドを位置づけして…成長株になり得る器として、高い評価を与えました。

「D2C」におけるインフルエンサーの活用、更に、BOEMやe-3PLのプラットホーム事業、M&Aのスピード感、カタルは田中君を高く評価しており、これからも応援をします。

基本的にまだ小さな会社なので、まともな機関投資家はこの程度の売上数字では興味を持ちません。やはり最低で売り上げは100億円ラインを超えてこないと投資を考える対象にもならないでしょう。今期はその分岐点である100億ラインの売上数字になりますから、来年になると複数のファンドが注目してもおかしくありません。

だって、考えて下さい。100万株買うと…もう10%近くの持ち株になります。通常5%未満に抑えます。50万株を買うと株価3000円でたった15億円です。これから…ファンドが注目する段階になるのでしょう。

まぁ来年ですね、本番は…。ヒカル効果が一時的な売上か…、あるいは継続的に発生する売上か…。他のインフルエンサーも居り、化粧品の販売などは単品を売るのではなく…化粧の仕方を指導するハウツー・ノウハウを持った人を採用すると…爆発的に売れると思っています。

どうやったら、綺麗に見えるか? 

ファッションコーディネーターの存在も「ファッションウォーカー」を、ワールドから買収したので…考えられます。この分野はインフルエンサー販売に向いています。化粧品やファッションなどのこれからの広がりがあります。

皆さんは、ロコンドの成長より、株価動向に関心があるのでしょう。あとは…「株価と投資」の考え方の問題です。今、決算数字を見て来たように進捗率の関係でイナゴ族の「過剰な期待感が剥落」しました。実際の数字を、どう読むか?…と言う問題より、目先の株式の需給動向に、関心が移っているのでしょう。

カタルは「手変わり」が進むかどうか…だと述べています。カタルは、いつも第一印象を大切にしています。最初に数字を見た時に、カタルは「安心感」を覚えました。これで大丈夫だと思ったのです。

ですが…同時にサプライズを期待していた人は、落胆をしたのでしょう。田中社長の法螺を過剰に信じたのでしょう。だって1Qの実績値は、取扱高で40億円、売り上げは19億ですからね。良く頑張っているのでしょう。もともと靴は外出をしないから売れないと言われていました。

今は過剰な期待感が剥落している段階です。どれだけの人が株を売るか…決算を観て成長を続けているのは間違いなく…どれだけの良識派が株を買うか…の需給バランスです。

ロコンド(3558)の日足推移

イナゴ族の買値平均は3136円前後なのでしょう。 これは7月17日以降の平均VWAPです。一部の人は3500円以上で株を買っているのでしょう。故に新作発表の時は、ほぼ寄り値が天井でした。9月28日です。3600-3645-3275-3370=1205400株

信用買い残が増えた時期があるでしょう。8月の末ですが…。そこから50万株ほど信用残が増えていますから…その人達が、今、株を投げているのでしょう。この時期からの平均値は3325円です。8月24日から昨日まで…。何しろ…この価格では追証水準です。

需給バランスの読みは難しく…売る人と買う人のバランスなんか…は、カタルに分かりません。ですが…ロコンドは、「アンジェス」や「PSS」と違い…ちゃんとした企業業績の「裏付け」が背景に存在する株ですから、株価は、いつか反転して上昇するでしょう。

高値の4180円を、いつ抜けるかは…今後の田中君の頑張り次第です。ですが…カタルは自分のお金が続くなら…応援を続けます。

こんな所で…良いかな? カタルは売り上げが100億円台に乗るし…PSR5倍の評価は変わっていません。時価総額500億円程度が、妥当な株価だと思っています。つまり発行済み株式総数は1145万4千株ですから、株価は4365円です。PERの評価は最大50倍程度でしょう。 つまり一株利益が100円なら株価は5000円程度です。現状のカタルは、その評価です。

あとは自分がどう考えるか…大切な事は、無理をしない投資をする事です。何処まで株価が下がるか? そんな事は需給のバランスですから…分かりません。投げる人が投げ切れば…安くなった株を売る人は、限られます。

ですが…現状では、3000円を超えると、ヤレヤレの売り物は膨らむのでしょう。15日にカタルは3050円で売りに出しましたが…3045円までしかありませんでした。そうして…翌日も株価は切り返しませんでした。ヒカル君達の「仕掛け筋」って、どの程度の資金があるのでしょう。

50万株程度を実弾で買えば…場の空気は一変して、やり方(テクニック)が必要になりますが、新高値更新場面があっても、不思議ではありません。

何故なら、一気に期待感が剥落しましたから…この下げの効果は、株価が上がった時にジャンジャン売り物になります。100万も買えば…新高値の相場を演出して、「一大仕手株」に育てることが出来ますが…問題はこれからの数字です。ですが…この手の株は、最大PER100倍の評価を下しても可笑しくありません。

この下げも、意外に…「演出」なのかもしれません。この辺りはカタルが仕掛け人ではないし…まったく分かりません。僕らは、所詮はコバンザメ…なのです。無理をせずにノンビリやりましょう。ブツブツ投資なら…全く怖いものはありません。

むしろ…このような下げは、ある意味でチャンスかもしれません。世の中は分かりませんからね。「塞翁が馬」とも言います。どちらに転んでも良いように…確りした知的武装をして…相場に臨むのが良いのでしょう。それでは、この辺で本日はお終いです。

追証の人はジャンジャン株を売りましょう。余裕のある人は、少しずつ下値をブツブツ投資で買い続け…反転するまで買い続けるだけの話です。本物の成長株になるかどうか…は、これからの田中君の頑張り次第なのです。

一応、これまでの所、田中君は合格ラインです。一流域の経営者に成れる資質を感じます。これからですよ。ハイリスク派のカタルにとって…やはり楽しみな存在です。

これから会員向けのレポートを書きますから、会員の方は明日にでもお読みください。



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