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そう言えば…過去にも「海運株」の相場で色んな事件がありました。カタルは現役ではありませんでしたが…「三光汽船」の相場を覚えている人が居るかどうか…。確か…大恐慌の時代も大きな相場があったような記憶があります。海運株は、昔から「仕手筋」が絡む相場に発展しやすい要素を秘めています。

カタルをA証券に入れてくれたのは…大御所さんの紹介がありました。彼の郷里は福島で学生時代に新潟と縁があり、カタルの新潟出身との繋がりもありました。因みに…A証券の創設者の弥八さんも、新潟出身の百姓だったと思います。

その大御所さんは、流石にベテランの証券マンで、数々に武勇伝を持っています。彼は高校を卒業して秩父セメントに入社しますが、田舎の勤務が嫌いらしく…上京をして株屋になりました。その際に、おばあちゃんから、「真坂、魔坂、真逆の用心を怠るな!」…との言葉を残されました。

その大御所さんの自慢話のなかで、三光汽船の相場の逸話があります。

因みに彼は産金株の是川銀蔵からも注文を受けていた人物です。是川さんの機関店は、確か、丸荘だったかな…。記憶力が悪いカタルは、やはり馬鹿人間です。大御所さんは機関店という訳ではありませんが、それでも100万株、200万株と言う単位で…注文を受けていました。この話は別の機会にしましょう。今は海運株の話です。

当時のA証券では、三光汽船の店内残は「買い」がなく…「空売り」だけでした。そこで…2代目 社長 の吉雄氏が、大御所さんだけがA証券内で、大幅な買い越しになっており、その背景を探るために…大御所さんを呼び、事情を聴こうとします。しかし大御所さんは、まさか本当の事は言えませんから、社長との話の中では真実を話しませんでしたが…「まだ株は上がり続ける」と言ったのでしょう。

流石、あの時代の証券会社の社長です。直ぐに株式部長を呼び、店内のカラ売り残を調べさせて、即刻、全株式を買い戻せ…と指示したそうです。先ずは店の持ちで,、三光汽船を買います。

そうして三光汽船が大幅高してストップ高すると…その寄り値の安値で買った玉を空売りをしているセールスに分けて…「証券事故」を免れたと言う逸話をカタルは大御所さんから聞きました。その三光汽船の相場で、大儲けした大御所さんは、当時の背広はまだ高かったのですが…10着も同じ背広を作り、名前に…全て三光(サンピカ)と刺繍を入れたそうです。

この創設者の弥八さんの話も面白いのです。弥八さんは借金だらけで…首が回らなくなり、借金を踏み倒して…東京から大阪に逃げます。しかし大阪時代に、彼は金がないのに…友人の岩崎さんのボンボンと知り合いで、彼の信用力で…相場を張ります。その時に大儲けしたのが海運株です。友達の岩崎さんは、郵船の内部情報が分かっていたのでしょう。

その相場で大儲けした弥八さんは東京に舞い戻り、過去の借金を清算して株屋になります。そうして…今、大河ドラマで話題の渋沢栄一の自宅を訪れ、彼と懇意になり…成功するための指南を受けます。彼は貧乏した大名家のお姫様を嫁に娶り…貴族界の仲間入りをします。大御所さんの話は、脚色もあるでしょうが…非常に面白いですよ。

僕ら…昔の株屋は、先輩からいろんな話を聞き…相場を理解していきます。

今の時代は、その「技術伝承」が出来ていません。何か…今週は、初めての入院からの退院、海運株の相場がスタートし…大御所さんの話を思い出しました。三光汽船は、何十倍にもなったのです。

もともと「市況産業」は「熱しやすく、冷めやすい」…性質を持っています。「一過性」なのですが…過去の歴史の中では、様々なドラマを演じてきました。

何か…面白い縁を感じます。カタルは、この手の感覚に弱い人物です。「運命論」者なのです。人生は3割の努力と、7割の運で人生の成否は決まると思っています。だから…だんだん海運株に傾斜していく「自分の心」を持っています。故に大御所さんを思い出したのです。

理由は、この時期に…通期の増額修正を2回も実施、更に…大幅な増配を決めたことです。

こんな事例はカタルの経験上、見たことも経験したこともありません。全て…が「初体験」です。通常なら2割や3割の配当を増やす程度ですが、郵船は200円の配当を500円も増やして700円にして、商船三井も150円を、400円も増やして550円にすると言います。そこで…背景を少し調べました。

2017年の10月に海運相場の不振が続き、とうとう…コンテナ部門を統合する話が持ち上がりました。グローバル対応するために「村論理」で話が、纏まったのです。村社会も悪い面ばかりではありません。そこで我が国の大手3社が、新たに創った会社がオーシャン ネットワーク エクスプレス ジャパン株式会社です。(英文:Ocean Network Express(Japan)Ltd.)

コンテナ船ランキング

これでもシェアは6位と言う数字があります。

出資比率は郵船が38%、商船三井、川崎汽船が31%ずつです。その時に、同時に3社は株式併合をしているのです。10:1の株式併合です。つまり…1000株は100株になったわけです。

だからカタルは当初、海運株の「イメージ」が、なかなか湧かなかったのです。株屋と言うのは、過去の株価の記憶が頭の中に残っています。商船三井を買う時に、100株しか買わずに…躊躇ったのは、この影響です。商船三井の600円なら話は分かります。

海運3社の業績の変化と株価上昇度合い

近年は「株式併合」などが多く、「印象度」など…ちゃんと調べないと駄目ですね。問題は3社のうちコンテナ船だけを観ると…出資比率からみて郵船が有利と思われますが、業績の変化率の観点では、商船三井に軍配が上がり…株価は出遅れています。

もともと商船三井は「仕手性」が強く…僕らの仲間では3社の中で群を抜いた動きを見せます。果たして今回はどうか…。それでは、再びと言うより3度ではありませんね。何回目かな? もう200株だけ、商船三井を「寄り値」で買い増しに行きます。

だんだん…良くなる「法華の太鼓」です。情報の伝達力の実験としては、非常に興味がある事例です。そもそも「決算短信」など…読まないのが一般の人です。証券マンでもそこまで目を通す人は少ないのです。

売買動向を観ると…今週に入ってからの海運株は急上昇をしており、通常の人間は「買い増し」をしません。利食いは出来ますが…新規に買う事も、躊躇うのに…更に買い増しをする人は、非常に少ないのでしょう。しかし…そういう人は、相場を知りません。

相場は「理外の理」と言います。もう我慢が効きません。もう300株を買い増しして合計で1500株にしましょう。ハイ、今、7000円で商船三井を買ってみました。この性格ですから…ベンチャリで40億円も飛ばすわけです。担保がないので仕方なく…エーザイを500株、更に…損切りました。仕方がない…貧乏人の「性」(さが)です。

ついでに「シックHD」(7365)も買い増しに行きます。昨日は堪え切れず…こちらも790円で買い増しを実行しています。781円まで売って790円で買うバカをやっています。

個人の人気株BASE(4477)の日足推移

常に自分の相場感覚を磨くために、身銭を切って体験をしています。僕らは賢い投資家を目指し…下値を丹念に拾いましょう。今の相場は、非常に投資マインドが弱いのです。理由は相場が実質的に下げ続けています。例えば…個人投資家の人気の的だった「BASE」(4477)のチャートを観ましょう。

別に「ロコンド」(3558)だけでなく…全ての個人好みの銘柄が、こんな状態です。だからイナゴ族の投資マインドは、非常に低いのです。

しかし…ロコンドの出来高は減り続けており、とうとう10万株を割れました。

これは僕らが初参加した昨年の年初から初めての体験です。本日は1400円で500株を買いました。昨日は1415円だったかな? そこで1000株を買いました。ただ相場はまだ「底這い」なのでしょう。でも全体のムードが変わると、ロコンドの株価は大きく戻る可能性があります。

そもそも小型現物株の性質を皆さんは理解していません。プロでも貸借株との違いや、資本の違いなど…区別は出来ない馬鹿は大勢います。多くの読者は、こんな常識も知りません。自分が、どんな投資法を望むか? それで…銘柄を選択しなくてはなりません。

商船三井は大型株の部類ですが…まぁ、株式併合し…1億2062万株しか発行済み株式総数がないから…そんなに大きくはありません。トヨタは32億6299万株ですから…1/32です。だからこそ…仕手化しやすいとも言えます。

でも市況産業は、恐いのです。

株価が簡単に10倍、20倍になりますが、逆のケースもあります。特に海運株は相場動向次第です。しかし…三光汽船の相場の時は、建造した船の権利の価値が話題になったほどです。船が不足しているからと言って、直ぐに造れません。特に、日本の造船界は、不況が長く続き…業界が疲弊しています。今は韓国と中国でしょう。建造まで1年や、2年は掛かりますよ。だから…相場が面白いのです。

このような「事前知識」があるかどうか…。全てそうですが、証券マンは雑学を学んでいます。専門家ではありませんが、専門家のような知識もあります。

例えば…カタルは高脂血症の薬で、リバロを飲んでいますが学説は色々あります。コルステロール値が下がるとガンになるリスクが増すそうです。どちらを選択するか…の話です。コルステロールが高いと血管が詰まり、高血圧や心筋梗塞、脳梗塞のリスクがあります。株の選択と同じで、どのリスクを自分が選択して…勝負を挑むか? 

自分自身が、自分の力量と合わせて…決めなければなりません。

ところが…日本人は自分で決断をすることがなかったので慣れていません。画一化教育の弊害です。ロボットを量産するのに適した教育を、進駐軍が施したとも言えます。米国の戦略の一つでしょう。

カタルはいつも事前に、丁寧に…解説をしているつもりですが、それでも何か聞きたくなるのが人情です。でもカタルだって、失敗だらけ…所詮、貧乏人に聞いても無駄な時間です。株式投資は人生と同じで、自分で自分の道を選択するのです。

その為にカタルは、時々、好きでもない国際優良株を薦めることもあります。

でもカタルの本質は、博打が好きなタイプで「ハイリスク」派の人間だと前から述べています。故に、果敢に挑戦をするのです。上がる株など…既に、前もって決まっています。問題はそのタイミングの話だけです。このタイミングは、所詮、「仕掛け人」の力量問題です。皆さんは企業業績が良いから、株価が上がると思っているかもしれませんが…そんなのは一つの要素に過ぎません。

「新電元」(6844)は、案の定、なかなかの業績数字でした。

こんなことは前から分かっていることです。少し前、カタルが何故、自動車部品の「スミダ」(6817)を選択して…買っては投げ、買っては投げていたか?

スミダ(6817)の日足推移

そのチャートを観ると…カタルの「先見の明」とは、言い過ぎですが…カタルの精度が分かると思います。昨年の会員レポートでは、この株を3回も推奨をしています。最初は6月28日に779円で推奨、その後7月12日に689円で推奨、更に3回目は8月23日に621円で推奨銘柄に掲げています。本日の株価は22円高の1416円です。ついでにそのチャートを付けておきます。

こんなことは、小学生でも読める選択です。

今は海運株の他に、S君に惹かれ始めています。皆さんは、株が上がらないと分かりません。ですが…もう事前に、「上がる株」は決まっているのです。後はタイミングだけの話です。

だから…「シックHD」(7365)を、この800円以下で拾っておけと述べています。光通信の重田氏は非常に優れた人ですよ。その方の上前をはねられるチャンスは、通常、あまりありません。馬鹿は識者の真似をするのです。

これを実行したから日本は、戦後「奇跡の復興」を遂げられたのです。米国の真似をしたのです。ヤフーが成功すれば…アリババに、思い切って投資した孫氏も同じ手法を用いて…お金持ちです。馬鹿は世間を観察して…識者の真似をしましょう。

たぶんロコンドの田中君も、相当の器に見えます。皆さんは株価が下がると見捨てますが…カタルは、彼の精神力を観察し、今回は「株式会社フェアプレイ株式」のM&Aを観て…彼のモチベーションを確認しました。こういう観察力が、皆さんに、何故、理解されないのでしょう。何を観察しているのか?

様々な経験を積まないと、理解できない領域なのでしょうか?

カタルは、いつも事前に述べています。後は、皆さんの選択力の問題です。一番、重要な事は自分の「力量」を把握することです。それぞれ…資金力も、性格も違います。慎重な人、大胆な人、お金持ちの人、少ないお金しかない人など…様々です。

自分の力量に合わせて、まだ無理をしない投資をしましょう。ただし、海運株の郵船か、商船三井の…いずれか100株だけでも買って、「市況株の楽しさ」を学ぶと良いでしょう。なんでもそうですが…机上論と実践では、まるっきり感覚が違います。カタルはいつも実践派です。有言実行です。

だから小手川君は非常に優れているのです。通常、「ジェイコム」が、「誤発注」だと思っても…あんなに大胆な行動は取れません。カタルのように100株買う程度です。でも彼は違います。

実践できる奴と、机上論を語る奴の違いは、10倍どころではなく1000倍も万倍も「器」が違います。人間の器量と言う物は、そういう物でしょう。それでは…本日はこの辺で…また明日。読み直していたら…780円の指値も買えました。今度は775円です。動かない時に…ジックリ…と、株を集めましょう。



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