欲望と恐怖

「欲望と恐怖」この組み合わせの言葉が好きになりました。この言葉は昨日の日経新聞の夕刊の記事で知りました。リバティメディアのジョン・マローン氏が今の米国株の状況を表現した言葉だそうです。

彼はカタルより14歳上ですから…今年は80歳なのかな?

米国で一番の土地持ちだそうです。カナダに近い東のメイン州を中心に9州で森林や牧場を持っており、北海道より大きな土地を個人で所有していると言います。一代で財を成し遂げた有名人ですが…バフェット程、日本では有名ではありません。 2016年時点で…2004年からの運用は、年率13%程度だったようです。この昔の記事ではバフェットが7.5%程度ですから、この程度でも継続できるなら…お金持ちになれるのですね。

カタルは8月に入って…直ぐに「船株祭り」を開催しました。ご存じの通りの結果です。あの9月の後半は、まさに…この「欲望と恐怖」の二文字がピッタリ来る感覚の相場でした。人間は、面白いものです。カタルは博打承知で、あの相場に挑み…結果は「行って来い」です。

でもこの過程で色んなことに気付くから…相場は面白いです。今回、会員の更新期にあたり、多くの会員の方の意見を聴く機会がありました。そこで思ったのは…カタルのような博打感覚ではなく…意外に、オーソドックな銘柄を好む人も多い…現実が分かりました。

カタルは証券マンだったので…基本はカメレオンです。顧客に合わせて好みを変えて銘柄の選定も出来ます。しかし本来、貧乏人のカタルはいつも「一発博打」的な銘柄を好む傾向があります。株価10倍を目指すのですが…2倍程度ならゴロゴロしているのです。

ですが…流石に10倍となると、なかなか見当たりません。結局、「仕方なし」…の選択になり、行動力を欠いた動きになります。「欲望と恐怖」は、良い響きです。「ハイリスクとハイリターン」と同意語です。なら…恐怖と欲望の順番の方が良いかな? でも…やはり少しニュアンスは違いますね。

人間と言うのは面白い動物です。船株で4000万円ほど、飛ばしたわけですが…昨日は色んな銘柄で、僅か…数千円の「儲け」が嬉しいのです。面白い気持ちの変化です。カタルは川船の下値を買うために、信用の枠が既に一杯なので、何かを…売らないと、信用の枠が空きませんから、仕方なく、日本製鉄の下値で買った株を1000株売って、そうして船の下値に備えましたが…ダメでした。

この船株は、値動きの激しさから…多くの方の共感を得られるようです。でも…ロコンドは全く反応が消えてきました。ですが…ようやく最近は、何度か「利食い」が出来るようになって来ました。昨日は、1295円で1000株、1275円で1000株、1265円で1000株を買った後、1263円で2000株、そうして1260円で2000株の買いを入れました。

その後…更に1260円で追加の1000株ずつですから、合計2000株と…下値の1255円でも1000株の買い物を用いました。でも結果は1260円までで1100株しか買えませんでした。面白いですね。その後、板を見ていた人は…ご存じの通りです。誰かが、この割れない株を見て1260円に1万株の「追加の買い」を用い、更に時間経過で株価が上がると…今度は1265円に、2万株の買い物が入っていました。

他人の動きを見て…自分の行動を決める日本人らしい行動に見えます。

ラッセルをする勇気がないようです。今はロコンドで解説をしましたが、大型株の日本製鉄も、三菱UFJも同じです。どうも…最近はアルゴリズムのAI利用の自動プログラムの運用額が膨らんでいるようで…相場は「一方通行の動き」になる傾向が強いのです。小手川君達が利用したイナゴ族の「目先売買」が主流になって来ました。

でも…同時に大型株も、結構、動いています。

企業内部留保額(左側)の推移

たぶん…どの銘柄も浮動株式が「枯れている」ものだと思われます。日銀様のETF買い効果で浮動株が沈んでいるのでしょう。ここに…内部留保484兆円効果があります。基本的に、もう内部留保を積み増すことは出来ません。既に8年分の利益を積んでいます。この理由は「此方のレポート」に在ります。

読めない方も多いと思いますが…日経新聞よりWSJの方が影響力は大きいと思っています。日経に先行する形で、ロイターやブルームバーグなど…海外メディアが先行して時代を伝え…あとになって日経は追随している印象を抱いています。相場も同じなのです。

誰かが…ある「アイディアを提供する」と、それに追随して行動が連鎖します。船株なんか…その事例の一つです。カタルレポートは、なるべく…幅広く材料を提供して読者が選択できるように配慮しているつもりですが…どうしても主観が入ります。これは仕方ありません。別にカタルの主張が正しいわけではなく…読者が様々な選択肢の中から選べば良いのです。

一応、カタルの会員レポートを見れば分かると思います。常に先行して未来を語っています。でもその「情報の価値」を理解できない人も居られるでしょう。当然です。カタル自身が迷っており…試行錯誤を繰り返しています。でも最近、新たなチャレンジをやってみようと考えています。本当は…資金があれば、ものすごい確率で儲かる実験を始めたいのですが…今は無理です。

ロコンドの田中君は、優れていると思っています。確か…彼もマッキンゼーだったんじゃないかな? 冒頭に紹介したジョン・マローン氏はエール大学からベル研空所、そうしてマッキンゼーに勤務しています。なかなか良い会社です。DeNAの南場さんもマッキンゼーだったと思います。彼女も素敵な人です。同郷のせいか…好きな経営者です。

彼女は新潟に電話の相談室を設けたのです。地元に雇用の場を提供しました。「企業は人なり」です。だから、たとえ僅かでも…田中君に今回のM&Aの精神が見られたので、応援をしています。些細な事ですが…こういう感覚が重要なのです。皆さんには、理解できないかもしれませんが…今は株価はドンドン騰がる場面ではなく…下値を固める作業段階ですが…ジャンプの前に準備が必要です。そういう過程でしょう。

村田製作も、あの経営感覚は流石です。ところが…村社会論理で上に行った奴は、東芝や日産のような行動になります。だから先ほど紹介したWSJの「東芝分割、悪しき日本的経営との決別か」の中で、登場する2014年の「スチュワードシップ・コード」導入や2015年に新たに導入された「コーポレートガバナンス・コード」の言葉の意味を、理解できない人は、カタルが語る話の理解度がイマイチです。内部留保金額484兆円の意味は、何れ100%の株主還元に向かうのです。米国のように…。

本日の日経新聞には、商船三井が4000億円投資の現実と、株主還元率を25%~30%に高める話が来年の2月か5月に登場し…認識が変わる可能性があります。「パラダイム・ショック」をカタルは疑っています。既存の常識が大きく変化する時代がやって来るのかもしれません。

これに絡みますが…こちらの記事は危険です。

ECBのラガルド総裁は実態を理解しているかどうか…でもDXの進展とMMT論理が絡むから、カタルの仮説も疑わしいのです。カタル自身も見えません。全く分かりませんが、今は極端に…市場は、「一過性の物価上昇」と言う考え方を市場は支持しており「インフレ加速」を軽視しています。船株相場の「低PERの謎」は、そういう事でしょう。

しかし船も脱炭素化の流れは避けられません。だから商船三井は4000億円も投資をします。同時に、この記事は日本郵船にも触れていました。ここに村田製作が、何故、再生エネルギー100%に舵を切った投資をしているか?…と言う感覚が絡みます。難しいでしょうね、読者には…。このカタルの説明で理解できるかどうか…。

だから、最近は購読者が伸びておらず…このサイトの購読者数が5000人を割れる日もあるようです。一方で…熱狂的な支持層も居られるようです。たった3日間しか新規会員を募集をしていませんが…今回も多くの有料会員への申し込みを断りました。感謝しております。

何処の照準を充てて…レポートを作成するか? 難しい課題でもあります。

もう少し…スペースがありますね。

日本製鉄(5401)の日足推移

「日本製鉄」(5401)の話を書きましょう。これは大きく育つ可能性がありますよ。バフェットの運用が7%なのですが…この配当の7%と言う水準は10年間で2倍になるのです。50年間も続けると…29457000円です。100万円が、約3000万円になります。毎年100万円ずつ…追加投資をすると、もっとすごい天文学的な数字になります。7%は「恐るべし」なのです。

日本製鉄ですから、億単位で投資が可能でしょう。自分が10万株買っても株価はビクともしません。簡単に玉が揃うでしょう。配当は半期で70円なら通期で140円です。株価は1842円ですから、140/1842₌7.6%ですね。驚く安さです。

たぶん日立と同じように…日本製鉄も資産が豊富です。何しろ…官業の八幡製鉄時代からの資産が豊富にあり、これからどんどん資産を売り、効率化経営に舵を切っていますから、配当の還元率も高まるでしょう。

意外に知られていませんが…既に、韓国のポスコの方が世界基準では上なのです。昔は新日鉄が韓国に「技術供与」したのです。この恩があるのに…韓国は、いま日本を敵視していますからね。困った風潮です。でももっと前の時代を観ると…日本人は韓国人を虐めて来た時代もあります。だから一概に、韓国を批判できませんが、やはり中国人もそうだけれど…約束は守るのが最低限のルールだろうと思います。ですが…世の中は色々です。

何れ…日本製鉄は、日立のように輝くと思っています。

今は株価が下げており、何処かで株価は底打ちして…こんどは反転する過程で、増え続けている信用の買いは消えていきます。やはり…株価はこれだけ上がると、利食いできる人は大勢います。

更に日本製鉄は最近こそ…ROE経営の効率化に舵を切り始めましたが、今までは総資産経営で、かつての経営者は歴代の経団連会長を多く輩出した名門です。つまり「村社会論」に、どっぷり…浸かっていた会社なのです。故に、簡単に方向転換できるレベルの企業ではありません。持ち合い株も多くあるでしょう。今は、かなり減りましたが…それでも持ち合いの解消の動きがあります。

この会社も海運株同様に、10:1の株式併合をしました。だから投資家の感覚がマヒしているから、こんな評価の可能性があります。しかし一部では目敏く…野村証券で信用取引を利用すると…裁定取引が成立するのです。配当が7%で…金利は0.5%です。

馬鹿以外は、誰もが…投資をする銘柄です。故に株価は、今は下げていますが…やがて浮動株式は信用買い残に置き換わります。だって担保さえあれば…いくらでも株を買えます。追証にならないように…買えば良いだけの話です。野村も同様です。

海運株と同じ、赤字から黒字への激変銘柄だから…同じような評価になっています。

常識が一般化するには、時間が掛かるのでしょう。これが今の日本人の実態です。個人の現預金残は1072兆円ですよ。もう馬鹿な国民ですよ。情けない限りです。自分で、ちゃんと決算を確かめて…自分の頭で考えてみれば分かります。こちらが決算短信です。ついでに会社説明会資料をみると…分かりますが、明らかに効率化投資を実践し始めています。

半導体も同じ背景ですが…今まで虐げられていた部品提供会社の逆襲がコロナ禍のサプライチェーン問題で起きています。ここに安全保障の概念が入っていますから、トヨタも部品会社の正当な主張なら受け入れるのが道理です。だからトヨタは譲歩したのです。

今回のトヨタとの訴訟問題は、その現象の表面化です。「安全保障」が絡むのです。中国は厄介ですよ。今起きている金融引き締めと言うか…固定資産投資依存度の引き下げ作業は…避けて通れない壁です。

あの時の日本人は、馬鹿だから…資産価値を下げました。そうして…長い清貧思想の「失われた時代」の選択ですが…中国は、澄田元日銀総裁のような馬鹿ではありません。だから…恒大集団の問題が起きています。分かるかな?

もう長くなりましたね。投資と言うのは大きなお金が絡むから、自分の頭で、確り…その背景を理解して、納得してから投資をすべきです。自分が理解してないから、株価が下がるとアタフタします。カタルの仮説が正しいとは言いませんが…カタルは自分なりに、そう考えていますから…実際に率先垂範をして行動で示しています。あとは皆さんの選択次第です。それでは…また明日。

「恐怖と欲望」の感情は、理性で抑えましょう。



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