明日から再スタート

今回の「相場の焦点」を探る話ですが…この話は「材料出尽くし」と言う市場の「諺」がありますが…この諺の話しとも一致します。相場の焦点を探るうえで、市場がどの時間認識で動いているか? その速度計算が重要です。

特に、今回のインフレと金利の関係は、何れ…「景気問題」に移行します。これは分かりますよね。金利を上げれば…経済活動全般の「活動コスト」が増えます。だから活動が鈍り…経済活動は停滞します。

例えば、一例を掲げると「住宅」です。通常、住宅は借金をして家を建てます。だから金利コストが上がれば…住宅を買うためのコストは上がり、住宅を買う人が減って来ます。住宅を買うハードルが高まることになります。このように高いコストを負担しても、それに見合う「競争力のある」買い手が生き延びます。基本的に金利の引き上げは、全ての産業の経済活動を鈍らせ…参加者を減らします。だから買い手の競争は減りますから、住宅価格そのものも下げます。

要するに「市場原理」は、優れたものが市場に残る競争原理です。他人より高い競争力を保持するものが、後世に残る仕組みを創るのです。だから当然ですが「進化」が早まります。

ここで余談ですが、日本村社会は違います。みんなで「貧乏しても良いから」互いに助け合う仕組みです。1992年初めに起きたパイオアニアの指名解雇事件は、そういう事です。これは古くなった日本の終身雇用や年功序列という仕組みを、日本の残すべきか…止めるべきか? それを世に問うた事件です。

その当時の日本は、負け組の社員を淘汰せずに、みんなで助けようと…当時のメディアはパイオニアの姿勢を批判した事件です。当時は、まだ終身雇用や年功序列の考え方が一般的だったのです。

あの当時の世論は「村社会維持」を支持したのです。だからパイオニアは批判を浴び、最終的にこの会社は市場から消えました。当時は、非常に良い会社で「内部留保」も高い企業でした。しかし「構造転換」が上手く出来ずに、市場から消えた原因ですが、その発端は、能力のない社員を辞めさせようとしたことを、メディアが取り上げてので、パイオニアは、仕方なく…ダメ社員の雇用を続けました。

カタルは、この「日本村社会論」を批判しています。北欧の仕組みは、国家が弱者を救済する仕組みですが…日本は「中途半端」な制度です。至る所に…その場しのぎの矛盾が溢れています。

村社会論の極みであるトヨタは、300万台の生産体制を維持して…国内の雇用を確保しようと、EV化に反対の姿勢を貫きました。この為に、日本はいろんな面で…脱炭素化が遅れています。EV化を進めるなら電力が必要です。しかし…今の電力業界を観ると分かります。原発反対は理想論です。その負担コストの話を誰もしません。電力料金が、毎月10万円以上になっても、原発反対なのでしょうか?

トヨタによる「下請け叩き」は有名ですよ。今回の車の半導体不足は「自明の理」の面もあります。車の半導体は、兎に角「儲け」が少なく…価格が叩かれます。だから生産をするところは少ないし…あと回しになります。この原因の発端はトヨタです。ルネサスエレクは「必要な投資」が出来ない程、カツカツの生活を強いられていました。だからコロナ騒動もありますが、ここに旭化成の子会社かな? その火災が、車の半導体不足の要因の一端になって、「玉突き衝突」のような問題に至りました。「適正利益」の考え方は重要です。

毎年、トヨタは部品の単価の引き下げを求めます。だから日本の下請けは強くなったとも言えますが…その弊害が強く表れているのが、近年とも…言えます。日本製鉄とトヨタの訴訟を観て…直ぐに、この関係を思い浮かべた人は少ないでしょう。この現象は、日本村社会論の崩壊を、示すとも…考えられます。完成品メーカーと下請けの部品会社の力関係もコロナ禍で大きく変化しています。

今までの日本は「弱者救済」の面ばかりが、強調されています。

メディアはそれを誇張して利用しています。安倍首相の森友学園や加計学園問題から桜を観る会など…確かに、厳密に言うならルール違反の面もあるのでしょう。しかし…昔の村社会論は、功績と比較して「寛容さ」がありました。

例えば小さな事例ですが、カタルが高校生の頃、バイクで「一時停止違反」をして、お巡りさんに捕まりましたが、彼は「厳重注意」で、見逃してくれました。高校生だったから…大目に観てくれたのでしょう。末端の人間にも、このような裁量権があり、非常に大らかだったのです。

今の社会は、たかが…クラブでのお騒ぎ程度で、香川照之さんが、叩かれています。確かにやり過ぎで、「奢って」いたのでしょう。カタルは関心がないので内容を良く知りませんが…「銀座のクラブ」での話でしょう。通常は、表に出てくるものではないし…それも数年前の事件とか…。やはりカタルには、今の世相観は理解できません。ハハハ…馬鹿をやっているなぁ~。と笑って忘れます。それより…このように、何度も何度も馬鹿報道を繰り返すメディアの品格を疑います。

金利高により、活動コストの話しから…持論である村社会批判になりましたが、市場原理は高い競争の中で、「良いもの」を後世に残す作業です。価格競争力のない汎用品が淘汰されて消えるのは、当たり前です。多額の借金を残したまま、延命すべきではありません。それより早く…倒産をさせて…「新しい体制」を築くべきでしょう。

実質経済から名目時代になると…インフレになって行き、この競争が厳しくなります。日本の…あまりに「行き過ぎた」弱者救済制度が、変化を見せると思います。コロナで延命された飲食業など…他の産業も同じです。

失われた時代は「競争原理を放棄した」村社会論とも言えます。インフレは加速して、金利は上がり、活動コストが高くなりますから、「薄利多売」は通用しないでしょう。高い売上高営業利益を保持する産業だけが残るのです。例えば…此方の報道は、既にこの淘汰が始まっていることを示しているのでしょう。

最近の建設業界のM&A騒動も、その示唆です。カタルは年金だけで、食える時代は終わりを迎えると述べています。毎年、毎年、老人から若者に「所得の移転」が進みます。このような確りした…基礎的な構想が、未来の相場観を育みます。

先週から市場が、どの「時間軸」を歩んでいるか? その時間軸を探る一助として、雇用統計値を受けた、市場の反応を「相場の焦点」として解説しました。そうしてジャクソンホールのパウエルの強硬発言から、市場の材料の「消化度合い」として、再度の「強硬発言」を受けた市場の反応は、6月の底値確認になったのです。

このような…現象を観て、市場が「どの時間軸」を歩んでいるか?…を観察します。

もう一つの「具体事例」を掲げましょう。お船の上海のコンテナ相場が連日、下がっており、船株は200日線にタッチしました。商船三井は、まだ届きませんが…日本郵船や川船は200日線にタッチして…既に上方乖離が消えました。つまり…既に下値で買った人の多くは、利食いを終えて…「次のステップを模索する」段階になっています。

カタルは、コンテナ船相場が下がり続け、今の利益が1/3になっても、株価は安過ぎるとして、まだ株を持ち続けています。そうして金曜日は一度、担保の関係で外した川船を同値の7950円で100株だけですが…買い直しました。

そうして、本日の日経新聞に「大きくコンテナ船相場が下がって」コロナ前に戻ったことを伝えています。一見すると、この報道は「悪材料」なのですが…月曜日の相場では、この報道を受けても…「船株」の相場は上がるかもしれません。この反応を観て、船株の反転相場が新たに「スタート」する可能性もあります。

市場に材料が出現をして、その反応具合を観て、未来の相場を考えるのです。

カタルは、この報道を受けて「船株を買おう」と思っています。幸い、Jトラの株価が少し上がり…追証懸念は、少し…「遠退き」ました。個別株でも同じです。材料の出現で、なにを考えるか? 相場が、どの程度まで…未来を消化したか? その反応を観て…未来の相場が決まります。

最近の原稿は、証券マン向けに書いているような…少し高度かも知れません。材料の出現を受けてどう考えるか? そのプロセスを述べています。

上がる株なんか…事前に決まっているのです。問題は、どの時間軸で、その相場がスタートするか? カタルは最低、相場になる為には。「3つの条件」が不可欠だと述べています。好業績なんか…当たり前です。それだけで上がると思ったら大間違いです。未来の人類の「夢」がないと駄目です。この夢は「未来の利益」です。利益の広がり具合が大切です。

しかも「積み上げ式」の利益です。独占的な利益なら「利益の質」も高いですね。他が真似を出来ない利益です。そうして…最後は「仕掛け人」の存在です。これが一番、重要です。「演出」がないと…相場は、なかなか…続きませんし育ちません。これが「個別材料」です。

此処に…「市場要因」である「全体市況の好転」が重ならないと…大きな相場になりません。今の市場要因は、米国では逆風です。でも日本では…色んな条件が、「株高」を訴えています。最大のものは、516兆円の内部留保です。東証一部市場の「時価総額」は、なんと「735兆円」しかないのです。自分の頭で、物事を考えるなら…如何に、日本株が割安か分かります。

既にこれ以上の内部留保を積めないのです。だから配当性向はどんどん上がるし…設備投資は進みます。

もう馬鹿だけです。円安がどうのこうの…とか、「狂った解説」は、いい加減にして欲しいのです。何故、日経新聞が「配当利回り」とか…「金利裁定」の話を書かないのか? こういう基本を丹念に書いて…国民に真実の実態を伝えて1088兆円の現預金残を動かさねばなりません。

いよいよ…待ったなしに、株価は反応を示します。また明日。



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