黎明期らしい…展開

昨日のレポートの骨子の一つは、米国経済は新しい成長段階に突入した可能性を示唆しています。米国では既に統計学上はインフレを克服して、実質賃金がプラス圏に入っています。日本とは違う点です。

日本の名目賃金はプラス圏ですが、実質賃金はインフレに負けていますから…賃上げの度合いを高めねばなりません。完全な名目成長時代に突入する「前の段階」だろうと思っています。今はまだ…実質経済成長から、名目経済成長への過渡期なのでしょう。だから名目成長時代の「黎明期」とカタルは解釈しています。

カタルは米国が「AI革命の新時代入り」をした可能性を考えています。その為に…金利が「再上昇している」と言う話です。この話が本日、発見したロイターのレポートに載っています。この26日からジャクソンホール会議が開かれますが…そのテーマの一つが「自然利子率」=Rスターの解明だと言います。

カタル自身、言葉の解釈が、アヤフヤですが…自然利子率は「景気への影響が緩和的でも引き締め的でもない、景気に「中立的」な実質利子率のこと。

利子率にも名目と実質があり、名目利子率から期待インフレ率を差し引いたものが「実質利子率」。実質利子率は消費や投資に影響を与えるといわれている。中長期的な実質利子率は潜在成長率と類似するとされている。なお、自然利子率は中立利子率もしくは均衡実質金利と呼ばれることもある。」と解説されています。

米国経済の基本はFRBによる金利の引き上げ効果は、インフレをようやく抑え込む段階に来ましたが…同時に米国では「財政出動」が行われています。

「バイデン大統領が成立させた3本の法律(インフラ投資の強化、グリーン経済への投資拡大、半導体製造の増強)は、4-6月(第2四半期)の経済で需要をかき立てた。この先の影響はさらに強まりそうだ。

バイデン氏が選挙運動の柱にしようとしているバイデノミクスから、1兆ドル(約142兆円)を超える支援が経済に投下された。重要なのはそのタイミングだ。経済にソフトランディング(軟着陸)への道を開いているのか、それともインフレ再上昇の下地を作っているのかという議論である。」と言う報道です。

何度も…登場させる話で恐縮ですが、大切な事です。

つまり…米国の「金融政策」と「財政政策」は、相反する政策を実施しているために、分かり辛い現象が起きていると考えるべきでしょう。ウクライナへのロシア侵攻も米国経済にとってはプラスです。兵器の在庫整理が出来て関連産業はこの世の春を謳歌しています。金利を上げても賃金が上昇するのですから、強い経済です。当初はFRBの金融政策ばかりに目が行き、逆イールド現象を始め…M2の増減を気にしていましたが、それ以上に、財政出動が効果を出しているのでしょう。

ところが…大きく米国株は戻りましたが、ここに来て米国の金利高は様々な弊害を生んでいる様子が…「ロシアルーブル」は兎も角…中国の「人民元」相場です。

もともと…3期目に入った習近平体制は、異質な「権力欲」になっています。

そもそも「共同冨裕」など…市場経済論理ではなく、負け組である敗者の共産主義の考え方です。ソ連が崩壊した事実を観れば分かります。北朝鮮でも良いですね。学習塾を廃止すれば、抜け道で…個別の家庭教師を雇い、更に教育費は増大しています。表面と裏面では、全く違っています。

これでは市場から資金が、どんどん…流出します。恒大集団の事をレポートに登場させてから、2年ほど経って…破産法の申請です。もう習近平体制では抑えきれない不満が溢れているのでしょう。

此方の報道は極端な事例でしょうが…嘘ではなく、他にも同様のものがあります。

観る前に…「メディアの本質」を理解しないとなりませんよ。彼らは、嘘は言っていませんが、それに近い…誇張した演出を施します。嘘と真実のギリギリの場面で、人々の心を揺さぶるような報道の仕方をします。背景には、「視聴率争い」が、彼らの頭の中には、真実を正しく伝えるより…視聴率を、如何にして稼ぐか? 此処に焦点があるのでしょう。

だから台風の映像でも、最も激しい部分を描写して…さも、その被害が全部に広がっているような「誤解」を与えますが、あの映像は、最も被害が著しいものを更に誇張してプロジュースされています。

日本人は「画一化教育」を受けていますから、どうしてもメディアの報道を信じます。しかも…「悲観的」(後ろ向き)に受け止めますが、現実は違います。この辺りを「受け手」は「自分の頭で」…解釈し直さないと駄目なのです。

報道の多くは、いろんな角度で「検証しない」と実態は分かりません。こんな事は小学生の時に、習う概念ですが…日本人はその教育を受けていません。先生の言うことが正しく…他は間違っていると教育されています。文科省改革が必要な所以です。

中国の人民元の話を持ち出したのは…このような懸念が広がり、米国自体も影響を受けます。当然、日本企業も「ファナック」(6954)のような業績に成ります。 でも同じ設備投資でも「DMG森精機」(6141)は違います。

「ニデック」(6594) の日足推移

「ニデック」(6594)を観ると分かりますが、少しもたつきましたが…一度、株価が200日線を超えて騰がったという事は、既に、この事態(下降局面)から脱出して「新しい方向性」を示しています。再び、ニデックは200日線を割れましたが、ここから買い場の可能性が高いですね。カタルは、「2度目の200日線割れ」は、買い場になると…述べています。

「ジェイドG」(3558) の日足推移

覚えているかな? 「ジェイドG」(3558)の1000円割れの場面はその2度目200日線割れを、カタルは1万株程度買っていたのです。ですが、貧乏人故に上がる前に、直ぐに利食いをしましたが…その後、株価は約2倍の1929円になりました。このケースは教科書の題材になるような出来です。

「リクルート」(6098) の日足推移

同じような事例として「リクルート」(6098)もそうですね。ニデックは明らかに新しい段階に入ったのでしょうが…今は何処が「下値になるか」は分かりません。でも下がった場面は「拾い場」になるのでしょう。

このジャクソンホールで「自然利子率」の話し、潜在成長率が高まっているかどうかの…議論が展開されます。

「ルネサスエレク」(6723) の日足推移

カタルはAI革命の新時代として「ルネサスエレク」(6723)に注目している原稿を昨日のレポートで掲げました。車の半導体への搭載率はどんどん高くなります。自動運転などは一般化します。

だからここから下げ続けるルネサスエレクを買い始めて、反転するまで買うと言う新時代投資の投資もあり得ます。この部類に「ニデック」も電動アスクルで先行していますから、そのような投資対象になります。

ですが、まだ冒頭に紹介したドルの金利高は世界経済に大きな影を落とし始めています。中国の成長が10%台を前提に金利が6%、8%の金融商品が生まれたのですが、この処理が終わっていないから…様々な問題が誕生しています。この行方は、米国金利の利下げになるまで拡大する可能性があります。米国は、自国だけを観て金融政策などを実行できないのです。

ドルが「基軸通貨」故に…いろんな問題が起こります。でもフィッチの米国債格下げに観られるように…米国も財政問題を抱えています。やはりバイデンのインフレ法案などは、過大な投資なのでしょう。なかなか…インフレの沈下見通しにならず、米国金利が4.3%まで再上昇するのは、そういう意味でしょう。

日本のGDPの金額推移

でも日本は、ようやく…「名目経済」が拡大傾向になっており、少々の懸念も大きな問題にならないでしょう。名目時代を象徴する「循環買い」物色が、既に起きています。過度の…無理をした投資は、「万が一」の場合に備え…縮小する必要はあるのでしょうが、早晩、この懸念は払拭されるのでしょう。いつか特定しろと言われてもカタルには時間軸は分かりません。

でも米国株の動向や米国金利の水準を丁寧に観察するなら、そのタイミングが分かるでしょう。今はカタルは見えない部分の時間は、1か月程度かな? …と漠然として考えていますが…ルネサスエレクなどの乖離調整が、どの程度で収まるか? アドバンテストも指標銘柄になります。

この中には三菱UFJも日本製鉄も同じ意味ですね。それぞれの…株価の粘り具合と言うか…意外に下げそうで、株価は下がらないと思っています。その理由は「海外投資家」の買いが、継続するからです。日本は名目時代の黎明期ですから、非常に魅力的な市場です。何しろ…「34年ぶり」に目覚めるのです。この空白の時間は未来の株高を暗示しています。

市場の摂理はいつも同じですね。お船の相場を観てください。コンテナ部門は未曽有の大不況だったのです。それが…時代の変遷で「爆利益」になるのです。日本市場は34年間も眠っており、多くの銘柄がPBR1倍以下で、しかも配当利回りも合う株価水準です。ようやく海外投資家が株を買い始めたばかりです。逃げる「中国市場」と、ドンドン資金が流入する…「日本市場」の違いは明らかです。

「野村証券」(8604)の日足推移

ノンビリ構えて…目先の拘らずに、移動平均線を観て、指標銘柄を観て…米国株や米国金利を観ていれば…自ずと「次のチャンス」をものに出来るのでしょう。皆さんは迷ったら「野村証券」株(8604)を買えば良いですね。この株は既に200日線が「右肩上がり」に…上昇する段階です。だから下値を買い続けると大きな成果を産みます。

基本は日本の「名目時代」に突入した…その成長度合いを買うのです。自分が確りした概念をイメージしてないと株価の上下に気持ちが揺れます。

自分が不安で「気持ちが揺れる」という事は、たぶん…多くの場合で自分にとっては、「過大な投資」なのです。その時はカタルのように…損切りでも良いのです。相場観は違いますが、個人の「力量」問題は全てのケースに優先されます。こればかりは、自分で判断するしかありません。自分の気持ちは自分だけにしか分かりません。相場を観て…「楽しみだなぁ~」と言う水準になるなら、もう大丈夫です。

カタル自身の話では、過大な投資を外し、今は適正レベルですから、また株を買えます。常に持ち株の平均買値を、市場価格に近付けます。200日線はその指標の一つですね。今は指数銘柄の多くは75日線まで調整を入れていますから、少し市場のマインドは悪化し始めています。

日本製鉄(5401)の日足推移

でも強い株も多いですね。やはり大きなファンドが買うような大型株は意外に強い動きをしています。日本製鉄などは、その代表事例の一つでしょう。この株価は75日線ではなく一段上の25日線のラインです。数字に合うならビクビクしないで済みます。僕らは、確りした理論武装をして…相場を楽しみましょうね。上がっても、下がっても「楽しい株式投資」です。

知れば知る程、奥が深く…楽しくなるのが株式投資です。負けても、買っても…己の気持ちを、何処に置くかで…相場の見方は変わるのです。ノンビリ…構えましょう。ですが、年末年始には新しい相場がスタートします。楽しみですね。また…明日。



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