本日は…先日、奇妙に感じた現象を考えてみたいと思います。先ずは此方の資料をご覧ください。資料は7月26日の水曜日と7月27日の日経225の動向を示したものです。26日上のものですが…信越化学は大幅な陰線を作り、逆に27日はアドバンテストが大幅な陽線となっています。上記の陽線率と言うのは、寄り付きと大引けの株価の差の比率を示しています。
つまり26日の「決算深読み」と言う日経新聞の記事を読んで、信越化学を飛び付いて買った人が多く居て、逆に27日のアドバンテストの日経新聞の記事を読み、寄り付きに売った人が多かったことを、このデータは示しています。
残念ながら…、カタルは、どちらも大型株に属するので、あまり詳しく決算数字を追っていません。アドバンテストは、一度、1万株程度 保持していた時期があります。例のクラウドワークスに、入れ替えて失敗した時ですね。あの間違いは…大きかったです。だから、ある程度の内容は…知っています。
むろん証券マンだったから、信越だって、ある程度の内容は、知っていますよ。でも、この日経新聞の報道なら、カタルは、一般的の解釈とは違い、別の解釈をします。日経新聞の評価は、信越化学はバランスのとれた経営に変わり…盤石な体制に変わったとの評価をしています。逆にアドバンテストは…これまでの研究開発費を削った失敗が報じられています。
この解釈は間違いで…、実は信越も、同じ失敗をしているのです。半導体部門に対し…保守的な態度で臨んだために…折角の好機を逃し、期待値以上の実績を挙げられなかった可能性があります。この仮説を調べる為には、信越化学の部門別の売り上げデータ推移を、過去に遡って…追わなくてはなりません。そうして現状の市況分析が必要です。
たぶん…カタルの仮説が正しい筈です。此方のDXI指数をみるとカタルの説が正しいと思うと思います。もっと…ウェハーの売り上げと利益が伸びても…よかった筈です。ところが信越化学も、SUMCOと同等の間違いを犯しています。
積極的な増産体制を取らないのでしょう。過去の失敗が、経営心理に影響を与えているのでしょう。もっと伸びていた筈なのです。何しろ…今の半導体業界は、作りたくても材料が手に入らずに…作れない状態です。だから市況が…異常な値上がり方をしています。
まぁ、今回は、この話が主眼ではないので、問題提起に留め…この現象が、何故、起ったか? この検証です。先ず…多くの人が間違っているのは、この時期の…「決算数字」に対し、過剰に…反応する必要はないのです。相場の流れが、業績相場の段階にある為か…極端に市場は、決算数字に過敏になっているように思えます。でも考えてみれば…分かります。まだ1Qですよ。あと…9カ月もあるのです。まぁ、実際は8月ですが…。
日本人経営者の多くは、サラリーマン根性です。サラリーマンは自己保全をするのです。ところが…オーナー経営者は違います。一代で企業を築き上げてきた人間と…跡継ぎ経営者と、サラリーマン経営者は、それぞれの立場で…大きな違いがあります。ソフトバンクの孫氏や日本電産の永守さんも…みんなオーナーです。基本的に、一番、株価が確かな時代です。経営者の器は、株価に大きな影響を与えます。
一方、トヨタの大政奉還で、社長に就任した章男さんは嫌いではありませんが、やはりボンボンです。「鋭さ」がありませんね。テスラと比べると分かります。まぁ、アホな経営者ではありませんが、安倍政権と…同じような評価です。マズマズ…なのでしょう。
一番、駄目なのが…東芝のようなケースです。保守的な考えで泥沼に嵌った印象です。リスクを背負える器量がないです。社長の器ではありません。民進党の党首のようなものです。このクラスは…実は難しい。日本村の財界の影響を受けます。村論理の「しきたり」です。加計問題も、ホリエモンも、同じような論理が日本の背景にあります。故に、なかなか「失われた時代」から抜け出せないのです。何も…「連合」だけではないのです。だからこそ…規制改革なのですが、なかなか全会一致を目指す、日本の論理は難しいですね。
さて経営者の話になったら…また話しが、逸れました。基本的に…日経報道を利用しましょう。株価の基本は「上がったら売り、下がったら買う」のです。だから…その判断の為に、基本的に業界の流れを知ってない…と駄目です。カタルはDXI指数を、時々、紹介しています。今の半導体業界の「姿」だからです。
この認識がないと…信越化学の日経報道が真実に見えます。でも…おそらく外部環境は、もっと飛躍的な数字を、叩き出せる環境なのでしょう。信越もSUMCOも甘えているから…台湾の新興勢力に、首位の座を…何れ、奪われる可能性が残ります。これが村論理です。
シャープも東芝も凋落したのは…。NECは嘗て…サムソンより、ずっと、上の地位でした。甘え構造の日本村論理が存在し、負け続けています。「スチュワードシップコード」の導入が、始まっていますが…依然、浸透は鈍いのです。
株価が低迷しているから、社長が交替される事例が、日本では生まれていません。しかし米国では、一流域の経営者が、株価の低迷を理由に解任されます。GPIFは、責任ある行動を取らねばなりません。日銀もそうですね。
シャープの復活を見れば分かります。Jディスプレイなど…ホンハイの傘下になるべきです。産業革新機構などの…時代遅れの組織は、解体されるべきです。あんな組織を保全しているから…いつまでも村論理のままなのです。
本日は、象徴的な二つの現象を見て…新聞報道に踊らされないような賢い投資家を目指しましょう。別に、日経批判をしている訳じゃないですよ。報道に嘘はなく…スポットの当て方の解釈の違いで…このような現象が生まれたのです。通常、日経225の銘柄が、たった一日で、5%も変動する事が、今の…相場の状況を示しています。この意味は、お金になりますね。読者が独自に深読みして下さい。
最近、カタルも、もう少しお金が増えるなら…、投資方法にバリエーションを増やしたいと思っています。機関投資家だって、年間で2倍水準を狙えるはずです。そんな大相場の幕開けが、見えると考えています。
一方で…米国の動向は、非常に難しいのですね。PERが30倍台だとも言われ…買われ過ぎの水準にあることを示しています。この原因は、アクティブファンドの衰退とパッシブの華盛りのギャップが、拡大している為でしょう。AI投資の矛盾が、何れ爆弾に見えるのです。この洗礼が、いつ起こるのか? これが気になって仕方がありません。もう一つが米中対立の激化ですね。懸念材料もあるのです。
でも…ITバブルの時も、そうでした。市場は、黎明期の時に…新しい流れを受け入れますが…過剰の反応するのが、市場の因果です。ITバブルを…連想して下さい。あのソニーが連日のストップ高を演じ、ソフトバンクは1万円で…ようやく利食いしたのに、なんと…そこからが、早いこと、早いこと…結局1万円が、最後は198000円です。20倍ですよ。これが株です。あれは1999年~2000年でしたね。
何故、イエレンは、インフレでもないのに…テーパリングを急ぐのか? 既に、米国は資産バブルの入り口なのですね。ケースシラー指数は、ようやくリーマンレベルに戻ります。だから、カタルは、まだ時間があると思っています。一部で噂される事態を考慮するのは早すぎるのでしょう。いくらFANG相場に、資金が集まっていても…まだ大丈夫なのでしょう。でも…一部で言われている暴落説も…イエレン氏の態度次第なのでしょう。この辺りの考慮も…必要です。
さて…話は飛んでしまって、焦点が、「ボケた」原稿です。カタルの頭の中は、所詮はボケ状態なのでしょう。本日は、この時期の決算数字に…あまりこだわるな!と言う事です。新聞報道と実際の株価の動きを通じて…色んな発想が出来ますね。
まもなく…新たな障害が出なければ…この秋にも、ボックス相場を抜け出す「流動性の罠」の呪縛から解放されます。まぁ、甲子園の出場校が決まり、夏なので期待はせずに…のんびりやりましょうね。
カタルは、明日の原稿を投稿して…夏休みに入ります。1日から4日まで、お休みを頂く予定です。明日の月曜日には、原稿をアップします。でも火曜から金曜日まで、お休みして土曜日から再開の予定です。悪しからず…ご了承ください。