東邦チタン

本日は金曜日に発表された決算で、カタル銘柄の「東邦チタン」の数字が増額修正されましたから、その内容を少し簡単に見てみようと思っています。あまり期待しないでくださいね。ざっと見ただけの話で、それほど時間を使って分析したわけではありません。

先ず、皆さんは「素材産業」と言う理解が出来ているかどうか…です。東邦チタンは基本的に二つの分野から売り上げが形成されています。一つはチタンです。一口にチタンと言っても様々な形状があり、化粧品などに利用される酸化チタンなんかと、よく混同されますが異質のものです。

大阪チタンや東邦チタンが作っているのはスポンジチタンと呼ばれるもので、日本の製品はエンジン部分に使われる高品質の製品を製造できるそうです。ソ連やカザフスタンなど、最近では中国もそうですが…日本製品の質は上だとされています。本当かどうか…カタルには分かりませんが、一般的な解説です。

カタルはジャムコの時もそう感じていましたが…必ずしも、航空機メーカーが活況だからと言って、収益が連動するわけではなさそうです。

航空機需要は、兎に角、うなぎ登りなのです。ボーイングもエアバスも豊富な受注を抱え、増産体制下にあります。この理由は新興国経済が急速に立ち上がっているためでしょう。中国の需要は凄いですし…今度はインドが注目されます。何しろ、人口が違います。それに東南アジア、いわゆるアセアンの所得水準が上がり、需要がさらに増えています。ただここに来て、米国の金利高からドル債務問題が懸念され始めていますから、この話はマイナス要因です。でも当面は伸び続けます。

ジャムコの株価が、なかなか上がらなかったのは為替問題でしたが…チタンは在庫問題だったと推測されます。その在庫問題が、ここに来て徐々に解消されているのでしょう。まだひっ迫しているというわけではありません。このような好調な航空機需要を見越し、さらなる増産体制を整えたところに…リーマンショックが起こり、東邦チタンは一気に赤字転落になりました。ようやく…その増産体制が活きる場面が訪れつつあるのでしょう。まだ生産能力にかなりユトリがあります。

東海カーボンの日足推移

素材産業と言うのは…最近の事例では、東海カーボンの好業績が話題になり注目を浴びて、株価が236円から2373円に急騰したように…兎に角、爆発的に収益構造が変化します。カタルが推奨したSUMCOもそうでしたね。株価は800円台から3000円台まで飛んでいます。

この理由は「損益分岐点」売上高を超えると…利益が溢れるようになります。売り上げ=利益と言っても良いほどの変化になります。これが素材産業です。大平洋金属の時もそうでした。あの時も株価は10倍以上になったはずです。

既にご案内のように積層セラミック(MLCC)は、製品が足りずに奪い合いになっています。だから太陽誘電の株価が急上昇したのです。村田製作もそうです。この製品材料(高純度酸化チタン、ニッケル粉)を提供している東邦チタンは新工場を建て増産体制に入っていました。

でも最大手の村田製作も、更に工場建設を進めている状態で…このMLCCへの需要は当面下火になりません。既にこの分野の売上高営業利益率はかなり高いのです。前期の32%から今期は34%です。

カタルが注目しているのは、この話に加え…スポンジチタンの米国在庫が減っているという話を聞き、いよいよ本格的な株価上昇に入るのではないかと思ったのです。前回、増産体制を整えた稼働率が、いよいよ上がるのでしょう。そのタイミングが問題です。故に貿易統計などの数字を追っているわけです。基本的に素材産業は、世界景気に連動して動きます。原油価格動向なども、同じ方向性にあります。

チタンの輸出状況(貿易統計より)

その貿易統計は今年3月、4月と落ち込みましたが、5月は前年同期比でほぼ倍増の21億5457万円でした。実に前年比94.7%増です。心配していたのは6月です。何故かと言うと、2017年の6月は2016年6月より53%も大きく伸びており、かなり高水準の数字だったから、今年はマイナスになるんじゃないかと思っていました。でも実際の6月の数字は27日に発表されましたが、5.23%増の金額では25億437万円になりました。昨年からの高水準な輸出体制が維持されている様子です。

一部でチタン鉱石の価格上昇で収益を懸念する噂と言うか…馬鹿なアナリストのレーティング発表と言うか、嘘報道により株価は下落しました。カタルは多分JXTGHLDから玉移動に伴う動きだろうと解釈し、下値で株を買い増したが、この上昇過程で既に外しています。理由は信用買い残のぶら下がり懸念です。たんなる需給バランスです。

しかし今回の決算は奇異な修正です。通常、この時期、よほどの馬鹿か、未来への自信がないと…通期の数字まで踏み込んで増額修正をしません。それがサラリーマン根性です。

その証拠に多くの企業は、現状の為替が111円程度ですが、未だに105円のまま通期予想をしています。東邦チタンの今回の増額修正の幅は5億33百万円ですが、そのうち3億3百万円は、為替変動による増額修正です。通期分の増額もこの要因の割合が大きいのでしょう。たぶん増額修正した分は、既に大半が為替予約されているのでしょう。

問題は何故、誰もがしたがらない通期の増額を、この時期に敢えてしたのか? チタンに限らず、機能化学品の増産要請が来ており、既にその分の増額が見込まれているのか? この辺りは…各自の読みによります。

兎に角、日経新聞が掲載するほど、異質な印象を抱きました。日経新聞が掲載するということは…、ファンドマネージャーの目に触れますから、当然ながら、投資の為に検討をすることになります。

残念ながら、カタルが場(板)を見ている分には、それほど大きなファンドの介入があったのかどうか…判断がつきませんでした。カタルは1040円の売り物4万株でしたかね? あの時にカタルも1000株だけ、その売り物を一緒に拾いましたが…仮にファンドの参入があっても打診程度の動きなのでしょう。

東邦チタンのセグメント

最後にセグメント面から見たカタル独自の分析を載せて、終わりにします。此方がその表です。カタルが注目しているのは、機能化学品よりチタン部分の面です。ピーク時近辺、丁度10年程度前になりますが、その状態も一番下に載せました.

稼働率が上がると馬鹿儲けになるのです。機能化学品もまだ34%程度ですからね。会社側の会社説明会の米国在庫が終焉を迎えているという感覚が正しいなら、ここからが一番おいしい場面になります。事実、前年比で4.52%から6.18%に利益率がアップしています。この数字が、何れ(いつ)…3割~4割になるか…。

業績面はカタルの読み通り以上の推移ですが、需給面で信用買い残のぶら下がり懸念があり…それと仕掛け人の存在が確認できていません。

季節的なアノマリー面では、毎年、高校野球の時に株価は低迷します。全体相場は、ようやく…温まり始めていますが、一気に新高値に躍り出るような環境ではないのでしょう。故に若干、慎重に構えています。

でもすごいね。ビックリしました。1Q の段階で通期の数字を増額するなんて…。よほどの背景がなければ、カタルが社長でも通期の数字は変えません。為替も105円を据え置くでしょう。西山さんと言う人は…意外に、すごいのかもしれません。サウジも話もあるし…やはり、カタル銘柄の中でも、注目度は抜きん出ている印象を抱いています。

後は各自が、どう判断するか…の問題です。「カタルの短気」から、カタルはまたしても…「力量」把握の大切さを学びました。良いですか…上がる銘柄を当てることなんか、誰でも、ある水準になれば、簡単に先が読めるようになります。

問題は、自分の気持ちとの戦いなのですね。ここが非常に難しいのです。無理をせず、互いに頑張りましょう。それでは…また明日。

有料会員の方へ、昨日の夕方に原稿を書き終えて、アップしてありますから…合わせてお読みください。



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