今日は先日以来、気になっている米国のレポ金利の上昇のニュースを集めて研究していました。しかしこの原因はサッパリ分かりません。市場では、もっともらしい解説がなされていますが、通常、レポ金利が、これほど上昇することはないからです。先ずは総合的な解説を…此方です。
レポ取引は、基本的に米国債を担保にした短期資金のやり取りで…利用者は金融のプロ市場だから、予定される資金需要には、前もって対応しているはずだからです。でも市場では、この解説のように…税金の支払いや国債の受け渡しなど…の一般論が述べられています。
でもそんなことは事前に分かっていることですから、プロの市場において資金ショートをする筈がないのです。今でもNY連銀は連日市場介入しており、資金を提供している報道が多いですね。その為に慢性的な不足分が4000億ドル~5000億ドル程度必要ではないか…と言われているようです。 日本円で44兆円ほど~55兆円規模の金額ですから、かなりの資金量です。
でも…カタル自身の知識が不足しており、こんなことをレポートするべきかどうか迷いました。一応、それを前提にして…読んでください。本日は自分の勉強の為にレポートを作成しています。つまり自分に知識がないレポートを書くことで、自らの知識を補う目的があります。
準備預金の話なども加味され…大きな構造変化が背景で起きているから、その兆候の一つとしてレポ金利が大幅に上昇してNY連銀が介入を余儀なくされたのでしょう。基本的に金融市場は、現金不足に陥っているわけです。
やはり…この所の行き過ぎた景気後退論から、10年債金利は1.5%水準を割れました。この水準は歴史的な高値(金利は低下=債券価格は上昇)です。此方のレポートを読むと分かりますが…リーマンショックで導入された金融規制があまりに行き過ぎているから、許容度が失われた面もあるのでしょう。MMFやMRFで運用している現預金が、自由に使えなくなったのです。
このレポートでは「より重大な問題は、2008年の金融危機以降の規制改革が銀行に一定の流動資産保有や総資産に対する株主資本の比率であるレバレッジレシオの最低要件などを義務付けた結果、フラッシュな銀行の貸し付けとタイトな銀行の借り入れが制限されたことだ。」と表現されています。
基本的に厳格化を迫ると…当事者の自由度が奪われ、臨機応変な対応が出来なくなります。今は量的緩和の後処理の段階なので、景況感の大きな対立が背景にある為に、このようなイレギュラーな状態が生まれているのでしょう。
でも一部で指摘されている様な…リーマンショックに結びつくような資金ショートの話ではありません。今は、リーマン級以上のトラブルがあっても…金融システムは盤石です。非常に厳しい自己資本比率規制が実施されています。FRBのストレステストと言うのは、そういう意味です。
たぶん…何か大きな変化が市場で生まれており、予期せぬ資金不足が生じているのでしょう。例えば中国資本の引上げや…最近の株式市場ではバリュー投資の復活のポジションなど…とても大きな資金が動いているのかも知れません。
何しろ…1.4%台まで景気後退を織り込み、過剰に景気後退を織り込んだので…米国債の金利は、今度は逆に1.9%台に上昇したのです。この変化率は非常に大きなものです。
FRBは量的緩和政策を止め、ジャブジャブの資金から引き締めに転じました。その為に米国債は景気回復も背景にあり3%台まで金利は上昇しました。今でも3カ月物は1.83%水準です。10年債は1.7%ですから逆イールドの状態です。
でも10年債は3.24%から1.47%まで下げてから1.90%まで上昇したのです。市場が過度の景気後退を織り込んだため、その修正が起こったのでしょう。これがバリュー投資に繋がりました。まぁ、金利動向がバリュー投資に発展したわけではなく相互作用があります。グラフを見ると分かりますが、この1.5%割れの金利は今までの下値の関門です。2012年7月は1.43%で…2016年7月は1.37%です。今回は1.47%です。
しかし…この間3か月物の短期国債の利回りは一貫して低下しています。10年債のピークアウトは、昨年の11月8日ですが、3か月ものは今年の3月21日の2.49%がピークです。そうして…5月23日から逆イールド状態が常態化しています。
何故、カタルが今回のタイミングに驚いているか?
まだ相場の本格反騰には早いんじゃないかと思っている背景の一つが、この米国の3か月物国債金利の動向です。しかし…半導体価格の上昇の方が先行すると思っています。そのあとを追い、3か月物国債金利も…後で追随するのでしょう。これは推測です。
もう一つ、ここで…考えなければならないのは…キャッシュレス社会の到来で…ドルの基軸通貨問題が起こると考えています。
中国では既にキャッシュレス化が進み…尚且つ、顔認証技術も素晴らしく、地下鉄の改札などにも既に応用が始まっています。
いずれ…この形が、未来社会でしょう。SFの世界です。カードもスマフォも…何もかも必要なくなります。顔パスで買い物から交通手段の決済まで…すべてが顔認証を用いたキャシュレスになります。
お金の関わる全ての決済では顔認証が一般化します。だから犯罪なども当然の話ですが…何れ消えます。カメラ技術の未来は素晴らしい成長分野です。だからソニー株は、未来にわたり有望です。NECもやり方次第ではその可能性があります。
話はそれましたが…ドルの基軸通貨が消えて電子マネーの世界になります。その時に米国の覇権体制が終わりを迎え…地球連邦の道を歩むのでしょう。まるでスタートレックのSFの世界の話です。
結局、かなりの時間を使い米国金利動向などを追ったりしましたが…やはりレポ金利の上昇は謎のままです。これまでの結論として一時的にですが…カタルは過度の景気後退論と、市場の金利低下要求が消えたので…取りあえず、予兆かも知れませんが、次のステップを市場は目指しているのですはないかと言う仮説を持って、明日以降の市場の相場シナリオを考えることになります。
本日のテーマは素人には難しいですね。カタルでも非常に解釈が難しく…この事象が重要なのだろうと思うのですが…未来図にどう結び付くのか…。正しい判断が出来ませんでした。このレポ金利動向一つの解釈が、これから株式市場にどう影響を与えるか? 見守りながら…自分なりの推察を深めて市場を注視することになります。
今日はカタルの勉強に付き合い…皆さんは大変でしたね。カタル自身も結論が出ませんでした。でもこのようなプロセスを経て、「市場の整合性」を探りながら…銘柄選別を考えて行っている過程を、敢えて…公開しました。
カタルは、カタルなりに賢い投資家をめざし努力を続けている訳です。それでは…本日はこの辺で、また明日。