米国の雇用統計が発表され、予想を上回る改善をみせ、早期の利上げ懸念から米国株は大幅安になりました。一見すると、経済は改善されているのに、株価が下がるのはおかしいとの見方が存在しますが、逆金融相場への懸念がある訳ですね。相場の循環サイクルを四季に喩えると、金融相場の春から、業績相場の夏、逆金融相場の秋、そうして逆業績相場の冬となり景気は循環していると言うのが基本概念です。今は量的緩和の金融相場(春)が終了し、企業業績は改善し(夏)、利上げの逆金融相場(秋)に突入する段階なのです。
企業業績の改善から、景気循環指数の中では遅行指数の雇用が改善して、好景気が雇用まで波及し始めていると見られるわけですね。だから今度はこの景気状態を保つ為に、適度のブレーキを模索している訳です。これが利上げですね。未来の物価の上昇、資産価格の上昇を抑える為に、金融を引き締めるわけです。
ただカタルが懸念しているのは、1937年の再来です。大恐慌の後に財政投融資を中心に需要を喚起して景気が立ち直った所に、引き締め政策を実施しましたが、実際は大恐慌の痛手が回復してなかったために、引き締めした途端に景気が再び失速しました。そうして戦争に突入しましたね。破壊活動を通じての復興需要から景気が本格的に立ち直ったわけです。今回も米国の金融危機、リーマンショックなどの痛手は大きく、未だに銀行には蓄積がありません。新基準達成に、ようやく…と言う段階ですね。その為に株価の回復も製造業に比べ鈍いのです。金融危機の反省を踏まえ、自己資本比率を上げるなど…制裁が科されているから、収益の回復が景気回復に比べ鈍い訳です。一部で懸念されているのは1937年の再来です。かたるも、この状況を懸念しています。
だから雇用の予想数字(24万予想で実際は29万5千など)を上回る改善を示すと、(ただ雇用の質である人件費の上昇は、予想に届きませんでした。)本来、主流だった6月の利上げ説が復活し、最近まで存在した、来年まで利上げはズレ込む…との観測も急速に萎み、株価に動揺が走ります。この動きは1日だけかどうかは分かりませんが、株価の大幅な下げが続くとなると…、実態経済は、まだ対処できてない可能性があります。金融引き締めによる経済に与えるダメージが大きいことになりますね。2006年の日銀と同じ間違いを犯す可能性が米国にもあるのです。今の経済状態は、原油安効果もありインフレ懸念はなく、利上げを急ぐ必要性はないですからね。
カタルは、スマートコミュニティーの世界では、今までの経済原理が大きく変わっていると考えています。今までは常識では、雇用情勢がひっ迫すると賃金は上がり消費が増えてその需要増に対応するために生産拡大が行われます。その物流網の整備等を含め、社会インフラが不十分な新興国や後進国では、社会基盤整備の為に投資(固定資本形成)が盛んに行われますから、素材価格が急上昇しますね。2000年に入ってからの中国の爆食を想定すると良いですね。
でも先進国の景気上昇は、主にモノへの需要は大きくならず、故に素材ではなく、人材投資が重要になると思われます。素材でもハイテク素材ですね。ユニクロのヒートテックなど考えると分かりやすいですね。だから東レが新高値に躍り出るのです。自動車も高級鋼板から炭素繊維に変化します。量より質ですね。
サービス産業を中心に人材需要は増し、人材の2極化が起るのでしょう。優秀なプログラマーなど人材の争奪戦が、経済の主要産業を支えると考えています。だからカタルは、わが国最大の人材関連ビジネスとクラウド産業に特化したリクルートが、トヨタを凌ぐ可能性さえ、あるのでは…と未来を想定しています。リクルートの未来は、非常に明るいと思っています。目先は赤字企業の買収などで、資金を投下していますが、このクラウド関連ビジネスや人材関連ビジネスの華が開く可能性があると思っています。ただし…目先の業績推移は思わしくなく、直ぐに株価が大幅上昇するとは考えていません。あくまでも年金基金などの中長期の見通しです。沢井製薬やピジョンのような投資スタイルですよ。
今日は時間がなく、原稿を、更に進めることが出来ません。概略だけを書きましたから、あとは自分で考えてみて下さい。それではまた明日。