アーカイブ:2016年11月12日

トランプ政権を考える

誰もが戸惑った…? 米国大統領選の結果による激動の1週間でした。クリントン勝利を事前に織り込む形で相場形成されていたものが、蓋を開けると…トランプ勝利になり、皆が新しい方向性を考えています。果たして…今後の市場は、どう動くのか?

懸念されていた共和党の議席数は、上下院とも過半数を握ったそうで…本来の市場原理の形が出来上がりました。米国は基本的に、共和党が小さな政府で、自立した市場論理を貫く集団です。ティーパーティーと言う極端な集団も存在し、民主党寄りの考えの方も居ますが、市場原理と言えば…共和党です。

本来、この集団は自由貿易を掲げるグループです。トランプ氏との考えとは基本的に違います。トランプ氏はNAFTA(北米自由貿易協定)も、見直そうとしています。メキシコは我が国の自動車産業の重要な輸出拠点になっています。タイと同じ構造です。自動車産業は下請けメーカーの集積化が欠かせません。マツダも、近年、工場を新設したばかりです。

VWは米国で不正を働きましたが、上手く切り抜けたように見えます。一方、エアバック問題で処理を誤った日本のタカタは、倒産の憂き目に遭っています。米国は面白い国で…昔、マクドナルドのコーヒーで火傷をした人が、マックに損害賠償を求め、懲罰的賠償額として270万ドルを命じる判決を受け、最終的に64万ドルの賠償金になり、和解金額は60万ドル未満と言われています。この懲罰的な罰金と言う考え方があるのですね。

タカタの場合は、故意に事件を隠そうとしたとして…問題がどんどん大きくなっていきました。でも正確な因果関係は、未だに分からない筈です。しかし現実は、ほぼ全製品かな? リコールを強要されました。VWのケースとは単純に比較できませんが面白い現象です。

グローバル化になり、多様性が求められていますが…トランプ支持者はBRICsの台頭からのグローバル化と言う流れに…爆発したのでしょう。ブレグジットも同じです。しかしEUの誕生からIAS(国際会計基準)の批准から、BIS規制(銀行の資本規制)などの流れは地球連邦に向けた統一基準です。言語もその傾向があります。

このような流れの中で…イラク戦争(湾岸戦争)から、中東地区のパワーバランスが変化して、ISの誕生などが引き金になり、シリア問題に発展、そうして難民がEUに流入して移民問題に発展してきました。

一方、急速に発展してきたインターネットの普及からの流れ、スマートコミュニティーに付いて行けない種族は、古き良き時代を懐かしむノスタルジー現象が、今、生まれています。社会変動の揺り戻し作業なのでしょう。トランプ政権は、何処に舵を切るのか?

カタルは前から、グローバリズムのスマートコミュニティーが、なかなか進展が加速しないのは、市場に格差が存在し、経済活動が、充分に潤ってないと言う論者です。この主要原因は、あまりに厳しい金融規制に、問題があると思ってきました。その為に競争力の弱い業界は、淘汰の過程でしたね。イタリアは、あまりメディアに出ていませんが、米国以上に、ひどい状態でしょう。

次に、飛び火するとすれば…イギリスから米国、そうしてイタリアではないかと思っていました。本来、EUの結成で、一番潤ったのはドイツですから、ドイツが負担を被るべきなのです。しかしドイツ国民は厳格なので、ギリシャの事例のように強硬路線を歩みます。原理原則をかざすわけです。ドイツは第一次世界大戦で多額の戦争責任を負わされ…ナチが誕生し第二次世界大戦に入りました。基本は食えないから…不満が溜まる訳です。

JPMの株価推移(対数化)

JPMの株価推移(対数化)

でもカタルは、今年に入り、この厳しい金融規制で下でも克服できるように感じていました。事実、9月13日に米国の家計調査が発表され、2015年は5万6516ドルと2014年の5万3718ドルから5.2%もの増加率を示し、この増加率は統計を取り始めた1968年以降最大の伸び率だったそうです。 ただ、リーマンショック時の2007年の水準は5万7423ドルで1.6%及ばなかったですが…。それでも…結構、戻っている水準だったのです。故に金融規制克服論を述べていたわけです。この様子を、米国を代表するJPモルガンの株価の動きを観て実感して下さい。

この移行期に、米国大統領選が行われ、不満派がグローバリズムに勝利したわけですね。故にスマートコミュニティーを代表する企業が集積するカルフォニアでは、独立運動が起る訳です。既に経済界はスマートコミュニティーが進展しており、国境の壁がなく商売している訳です。揺り戻しだけれど…トランプ氏は、減税と公共投資を進展させ、しかも…金融規制を緩和するのでしょう。

故に、米国国債金利は、一気に2.138%に跳ね上がりました。トランプ就任で…ブロック化による混乱より、減税や投資を評価して市場は動いており、株価が下がらなかったことなどから…FRBは12月には、間違いなく利上げをするのでしょう。

一方、日本は「流動性の罠」の状態だったのですが…今年に入ってからの金融庁の方針転換を受け、ここに来てマネーストックもM2基準で3.7%増と伸び率が髙くなって来ました。だから、カタルはケネディクスの株価が、本格的に反転すると思っているのです。仮に金融規制が緩和されると、自己資本比率規制強化により、資本の積み増しを要求されていましたが、その足かせが外されます。そうすると…一気に純資産価値を上回る水準まで株価が急速に戻ると思っています。

日米金融株の比較

日米金融株の比較

そこで現在の米国株価の水準を観てみました。ご覧いただくと分かりますが…資本の積み増しが要求されている下位銀行の株価は、PBRが0.7倍台です。そうしてPERは11.49~16.37ですね。わが国を代表する三菱UFJだけは、自社株買いを認められていますが、純資産価値は、一株当たり1119円もあります。一株利益は64円前後であり、PERは10倍にも及びません。だから三菱UFJは、急速に株価が800~1100円に戻るのでしょう。みずほの株価は、先ずは…250~300円前後なのでしょう。証券株は、銀行より高いPER評価になるのでしょう。米国もそうですね。野村は800円前後でしょうか?

この背景はリーマンショックを前提とした、金融規制が緩和されるので、自由に使えるお金が増えるようになります。銀行にユトリが戻りますから、一気に経済活動は過熱するでしょう。クリントン勝利の金融規制強化でも…カタルは金融規制克服論に傾いていました。そこに金融規制緩和が追い風になります。インフレの匂いがようやく増してきました。

インドのモディー首相が来日され、中国を抜く人口を抱えるインドはビジネス環境が整ってないとは言え…インドのGDPの成長率は、中国を上回り7.6%前後の成長と言われています。急速に中国化するインドの需要は大きく、大規模な資源需要が生まれます。よって世界中で再び資源の争奪戦が起きても不思議ではありません。金融界の足かせが外され、世界中の中央銀行の大量の資金供給がある所ですから、条件が揃いますね。

日本株はタイトな需給状態になっており、邦銀株が上がると、一気に市場に眠っていた流動性が供給されます。先日、述べたように「馬鹿になったものが勝つ」相場付きになると思っています。

本日は有料レポートを書く日ですから…たぶん夕方、遅くには…アップできると思っています。明日、読まれても良いですね。明日は確実にアップされています。金融相場の始まりの可能性は高く…いよいよ流動性の罠からの脱出が始まる可能性が高いと思っています。それでは…皆さん、また明日。



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