アーカイブ:2016年11月19日

トランプ現象の金融相場と相場論

本日はトランプ政権の相場について考えてみます。トランプ氏が当選すると事前予想通りトランプリスク(ブロック化)が、先ずは懸念され、はじめは大きく売られました。しかし米国株の好調さはマイナス要因よりプラス要因を評価し…市場は、一気に減税や大型財政出動を好感し、自由貿易懸念を払拭して上昇してきました。

カタルは前から金融規制の在り方を問題視してきましたので…トランプ氏が「ドッド・フランク法」の撤廃論者だったので…これで世界経済は完全に浮上できると考えました。理由は銀行の自己規制比率規制が緩和され、総資産の圧縮懸念がなくなるからです。

しかし…トランプ当選を前に、既にカタルは「金融規制克服論」に傾斜しており、原油高を観て、米国金利の上昇を確実視していました。この上昇スピードが、クリントン就任だと緩く…展開すると思っていましたが、トランプ就任で、一気に加速したのでしょう。

その為に…今週は、その対応に追われていました。先ずは初動の銘柄入れ替えは…一段落を迎えたのでしょう。今度は、冷静に…どのスピードで変化し、事前予想通りの展開を見せるか? 実際のトランプ政権の活動状況を見ながら…相場は反応するのでしょう。

この様子は、三菱UFJの動きでも確認できます。通常は、先ずは値段を問わず…、空売りの買戻しが進みます。これだけの大型株にも拘らず、「5空」と言う初動波動は、カタルも経験がなく、明らかに海外投資家のよる実弾投資です。この人達の考え(仮説)が正しいか…これから実際の政権運営を観て検証されていきます。

カタルは、そもそも世界経済の低迷は、金融規制の弊害だと思ってきました。日本はこの規制に散々苦しんできました。株屋なのに…株式の解説が出来ない証券マンは、たくさん存在し、投資信託やETFなどの商品説明しか出来ない証券マンは、多い事でしょう。経済の成り立ちも知りません。そう言えば…恥ずかしい話ですが、カタル自身も、新入社員の頃は、「金利と景気循環の関係」も知りませんでした。恥ずかしい話ですね。公定歩合操作の意味も知らなかったのです。社内研修で、初めて知った次第です。

カタルの場合は…小さな証券会社ですから、教育機関もなく…常に実践を通して、多くを学んできました。売れない6.1%国債100万円を、元本保証だと謳って販売していましたが、ある日、そのお客様が満期前に換金に来られ、解約すると…元本が割れており、嘘をついて商売にする株屋は、やっていられないと考え、辞める決意をして、上司に申し出ましたが…いろいろ諭され、株屋を、長くやる事になりました。確かに満期まで持てば…元金保証なのです。でもカタルには、債券相場の知識も何もなかったのですね。ただ言われるがまま…元本保証を謳い販売していました。

株式投資もそうですね。その頃は自己売買も自由ですから、5日間連続でストップ高する日鉄化学だったかな? 自分自身で…成り行きで買いに行き、翌日も買い気配なのです。やった!…と叫び、午前中はストップ高気配だったのです。でも後場寄りから一転して、商いが成立しないのに…売り気配に変わり、一度も寄らずに…今度は気配値だけでストップ安になる始末です。そんないろんな経験を、実践を通して学んできました。

まさかトランプ当選とは…。カタルはクリントン当選で、相場論を組み立てており、失敗をしました。加藤あきら氏が、相場を張る前に…神社にお参りをするわけです。相場と言うのは、このように…常に変化しているのです。単純に企業業績の変化だけで、株価が動く訳じゃないのです。あくまでも人間心理が、株価を動かすわけです。毎日、その気持ちは変化しています。天候にも左右されますし…政治家などの言動にも、左右されます。そんな未来現象は読めませんから…常に、相場論は修正されます。毎日、微妙に修正されています。

それを素人の読者に、どうやって伝えるか? プロと言えども…真剣に相場を考え、日々、自分の相場論で、収入が左右される歩合セールスの多くも…年収1億円の壁は厚いのです。一生、このラインに到達できない奴が、殆どなのです。東証外務員協会では、たぶん数人だったでしょう。たしか…この協会の基準は、年収5000万円以上が顧問税理士の管轄でした。税務署は基本的に5000万以下なら…殆ど、調べないのでしょう。年収5000万が基準になっているようです。1億以上の年収を獲得するためには、相場が見えないと駄目なのです。

顧客が利益を上げ…手数料を稼ぐには、1割や2割程度の株価上昇では商売になりません。常に2倍以上になる株を狙わないと…高水準の手数料を揚げ続けることは、不可能です。歴史的な転換の金融相場は、7年程度に1度くらいの割合でしょうか? 2003年5月、そうして2012年11月ですね。

アベノミクスの株価波動は、「流動性に罠」や、世界的な「金融規制」下での成り立ちで…どちらかと言えば、逆風での政策転換です。しかし2003年5月はリーマンショック前の転換で、世界も順風でしたからスケールが大きかったですね。

三菱UFJの週足と金融相場

三菱UFJの週足と金融相場

通常、相場は、強弱のバランスで形成されます。前の山が髙ければ…次の山は低く…、前の山が低ければ…次の山は大きくなります。2003年と比べ2012年は低かったので…今回は、非常に大きな山が期待されます。これから始まる2016年は、休む期間が短いので…実際は、2012年からの二段上げの印象を抱いています。故にカタルは、トランプ就任により、日本も「流動性の罠」から、いよいよ抜け出し…実質の世界から、名目の世界に移行できると考えています。

もともと日本の様々な構造改革の清算は2003年で終了しており、その後はリーマンショックや日本の政策誘導ミスで生まれた清貧思想の為に、「失われた時代」が長引いたのです。長引いたが為に…「流動性に罠」が深くなったのですね。どうしても村論理だから…上には馬鹿が揃っています。

韓国の財団問題ですが…日本も同じ構造なのです。例えば…官僚が○○協会を立ち上げ、資格試験などを実施し、その資格がないと職に就くことができませんね。技量を上げるためと言う目的もあるでしょうが、基本的には官が退職後も食える仕組みを創っているのです。そうして業界から協賛金を募り…受験料や会員費を資格保持者らからも徴収します。企業へ協賛金をねだる構図は、韓国と同じです。

半導体協会とか、自動車協会とか、証券業協会なども、その口です。官と民間企業の橋渡し役を兼ね、必要とも言えますが…癒着構造の温床になっています。決して公明正大なわけではないのです。まぁ、米国も同じでしょうが…せめぎ合いの中で、今後の方針が決められていきます。通常は表面化せずに、水面下でせめぎ合いが進行して行きます。韓国のような事例は、水面下での交渉が決裂し、最終戦争に発展したケースですね。

実は株式相場もそうです。水面下で相場のせめぎ合いが進行しており、株価が上下しています。どのシナリオが採用され…大きな相場になるか? その読みが相場論です。カタルは述べていますね。当座預金に眠る300兆円の相場が、いよいよ本格化します。だから日経平均株価10万円も…可能かもしれません。例えば…日銀は不動産向け融資が、過去最高水準になったとか…発表していますが、過去最高と言うのは、どの時点を示すのでしょうか?

仮にバブル期とすれば…1989年ですから、現在は2016年で、27年も要しています。2倍でも金利を観ると…3%成長を続けているなら、25年で2倍の領域です。分かりますか? 日本は、資産インフレを否定し続け…その転換期にあるのですね。1300兆円の逆襲は、論理的に正しいと思っています。

カタルは相当、大きな規模の金融相場が、これから開始されると考えています。金融相場は、基本的に、理屈を捏ねては駄目なのです。馬鹿になった奴が勝つのです。通常、三菱UFJも、これだけ上昇しましたから…しばらく休む筈ですが…。相場が下がるとは思えません。事実、過去の事例をそれぞれ見て下さい。最大でも1~2か月程度の休みでしょうが…その後も、大きく上昇します。来週は2週間連続上昇の後なので…1週間程度休みを入れるかもしれません。でも邦銀株が上がったことで、市場の流動性は一気に膨らみ、小型株は用無しになり、材料株も大型が好まれますね。おそらく「シャープ」に照準が当たるのでしょう。

シャープの日足推移

シャープの日足推移

半導体も悪くはないと思っていますが…最初に潤うのは製品メーカーで東芝でしょう。そうして原材料を提供しているSUMCO、信越化学など…トリケミカルのような材料提供も良いですが…どの銘柄も、その事をかなり織り込んでおり…相場は、そろそろ休みを欲しています。

カタルが述べている半導体株は、スケールが大きいと考えており、後工程で、更に競争力のない銘柄です。同じ後工程でも、先ずは1流域のアドバンテスト、それから新川などになります。でも日本は基本的に設備投資絡みだけなので、どうしても遅れるはずです。それにかなり高評価しており、株価は仕手化しています。SUMCOを観るとそうですね。基本的に…仕手化と言うのは、株式相場では「華の場面」で…クライマックスなのです。カタルは、もっと大きな半導体の活況期を想定しています。

たぶん…この場面では、「三菱UJF」の本命株(金融相場の銘柄)を責めつつ、材料株の選択が正しいように感じています。トランプへの抗議が加速して、相場が不安定に終始し弱ければ…スマートコミュニティーなどへの傾斜、「クラウドワークス」もこの範疇ですね。

逆にソコソコの移行期なら…やはり、もう少し大きな銘柄が選択されるのでしょう。銘柄の候補は「シャープ」を筆頭に、「オリコ」なども…その範疇でしょう。相場はトランプ政権への信認度により、揺れ動くことになります。

どれを選択するか? それは…読者の自由ですね。ここで強調しておきたいことは…ようやく「流動性の罠」から抜け出し…、当座預金に眠る資金300兆円の正常化が…焦点になるのでしょう。あとは企業の内部留保で、242兆円も積み上がる現預金の行方です。この1割でも…トランプ現象により、流動化が高まると、一気に日本は、名目時代が開花します。

日銀資金循環表

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