アーカイブ:2021年5月2日

日本の歩みとROEの捕捉

昨日は「ROE」経営の話を展開しました。日立は嘗て…全ての生活の産業を、自分達の手で実行しようと手を広げました。だから一貫性のない産業が傘下に多くあります。渋沢栄一の世界観です。カタルはこれを「総資産」経営と読んでいます。規模の拡大です。必要な産業を全て、自らが手掛けようとします。だから総花的な経営になり、焦点がぼけています。産業によれば…どうしても利益を得にくいものもあります。売上高に対する利益の話です。

この線引きの基準を、利益率で分けるのが「ROE」と言う考え方です。儲からない部門から撤退をして…その経営資源を利益率の高い産業に資本投下します。この繰り返しで企業がリストラクチャリング(再構築)をして、徐々に売上高営業利益率を高めていきます。この分岐点が「プラザ合意」(1985年10月)が境目の時代だったのです。

米国は車の生産において価格競争に敗れ、日本車ブームになり貿易摩擦が激化しました。その結果、「日本叩き」が過熱して、その解決方法として、為替を360円から100円に…実際は様々なステップアップの過程があります。この時期に…米国では「ファブレス」化が始まります。EMS(Electronics Manufacturing Service)などの製造請負です。

現在、世界トップの台湾の「TSMC」は1987年の創業です。そうして…天安門事件が1989年です。共産党国家の中国の指導者だった鄧小平氏が「南巡講話」を発表したのは1992年です。「富める者から先に豊かになれ!」と言う思想概念は、共産党政権のものではなく、市場原理に沿って、価格競争で優位に立ち貿易立国を目指しました。日本の戦後の荒廃からの立ち上がりを、そっくり真似をしたシステムです。

ところが日本では1993年にパイオニアは効率化に対応するために…それまで聖域であった雇用問題にぶつかります。終身雇用と言う壁が、当時は、まだ…あったのです。これをメディアは、「パイオニアが悪い」と言って叩いたのです。その為に、これを見ていた他の企業は自分自身の改革に「二の足」を踏みました。この時間闘争が「失われた時代」の原点です。

仕方なく…日本の多くの企業は、成田闘争のような「時間闘争」を選択することになりました。空洞化が長引き…徐々に人件費の安い中国などへ、生産拠点を移します。これが空洞化の真相です。パイオニアの指名解雇事件の時に、国内生産で価格競争に敗れる産業は、やめるべきだったのです。しかし総資産経営の為に、非効率の産業を残したのは「終身雇用」と言う壁です。年功序列の仕組みの為に、日本の産業界は徐々に力を失いました。

この過程で…世界一の半導体の生産国であった日本は…NECの凋落の歴史を観ると分かります。98パソコンなどの時代は、IBMやマイクロソフト…更にアップルを「凌駕する」力があったのですが…村社会の制度上の壁があったのです。折角のチャンスを狭い料簡でチャンスを潰したのです。技術をオープン化にして、ディファクトスタンダードの道があったのですが、自分たちの小さな利権争いに拘りました。

何故、カタルがメディアを批判し、日経新聞の罪を語り、NHKなどの報道姿勢を批判するか? その背景が、少しお分かり頂けるでしょうか?

メディアの主眼は「情報力」です。ところがその情報発信は、村社会ゆえ、スポンサー契約の関係もあり…批判できない仕組みがあります。営業体から圧力がかかります。

村社会の根底は、みんなで仲良く…貧乏をする清貧思想です。競争の敗れたグループ内の敗者にスポットを当て、頑張るやつを「村八分」にするのです。勝者を称えるのではなく…傷を舐め合う仕組みです。

リクルートの江副さんが、バブル期に東京地検に叩かれます。ライブドアのホリエモンも投獄されました。しかし東芝は、罪に問われましたが…全く違う形です。村社会の仕組みの矛盾が、東芝問題にあるのが分かると思います。どちらの罪が重いですか? こんなサイトがありました。

歪められた真実は、一般の国民には、なかなか分かりにくいでしょう。友達にROEって何?…と聞いて「ディポン式」まで、答えられる人が、いったい何人いるでしょう? 

何故、475兆円の内部留保が問題になるか?

結局、頑張る奴を叩く仕組みが日本にあるから…先頭を歩むのではなく…2番手、3番手を目指すのです。楽天の三木谷さんが中国企業から、僅かな出資を受けるのを、メディアが批判し…彼は「意味が分からない」と述べていました。

東北新社の問題から20%の出資規制問題が、背景にあります。誰も…そんな出資規制が時代遅れで、間違っている…と声を、挙げませんね。おかしくありませんか? この時代に…。

だから米国は時給30ドル時代になり…日本の時給は1000円なのです。少し極端な書き方ですが…似たようなものです。どんどん…日本の進化が遅れます。メディアの報道の仕方が間違っています。情報力のない日本人は、真実を知らされていません。だから…「駄目な時代」が、永遠に続くのです。「失われた時代」の背景です。

昨日の捕捉をしました。ROE経営の本当の意味は、効率的な経営改革です。無駄な資本を投下しないのです。その基準は「売上高営業利益率」です。借金をしても稼げる体質なら…どんどんシェアを広げます。稼げない産業からは撤退をするのです。もう日本には残された時間が殆どありません。団塊の世代が、続々と…「要介護」世代に転落して、社会保障費が増大しています。

医療改革や介護の問題など…何故、ニチイ学館がTOBになり、ツクイもTOBになったか?

その背景を考えると…時代が分かります。馬鹿な日経新聞は何故、変革を真剣に謳わないのか? 国賊です。日本の経営者は、みんな日経新聞を読むのです。真剣に正しい報道を発信して、変革を促すのがメディアの「使命」の筈です。モラルの欠片が残っているなら…村社会報道を止めるべきです。

本日は昨日の捕捉をしましたが…実は、既に時代は次のステップに向かっています。その一つを掲げておきます。これは…どういう風に解釈すべきか…。色んな絡み…。発展があるのでカタルも、もう少し考えないと良く分かりません。ですが、昨日掲げた…こちらとの兼ね合いもあります。

皆さんには、少し難しい…と思いますが、このような時代の流れを、常に考えてないと…カタルの銘柄感も、理解できないと思います。カタルは、常に…「時代の流れ」に沿った投資が成果を収めると考えています。それでは…本日はこの辺でお終いです。また…明日。



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