アーカイブ:2024年9月16日

躍動感あふれる市場

昨日は「時代投資」の具体例を一つだけ見ました。日本には「様々な課題」が山積していますが…誰も、その事の「改善」をしようとしませんでした。

その理由は「大勢では必要だ」と理解していますが、いざ…「自分達の事」になると反対になります。「構造改革」と言うのは、「痛み」を伴うと言いますが、「他人ごと」に考えているからでしょう。メディアの表現をみると「大袈裟」な事例を取り上げて、その事象が、さも一般的な出来事のように思わせます。

台風でも洪水でも一番「被害」の大きな部分を取り上げます。だから、何も知らない人はその現象が一般的だと思います。この認識の「ズレ」が起こります。メディアの使命は正しい情報を伝えることですが、同時に彼らには「視聴率を稼ぐ」と言うノルマもあります。だから…基本的に、人々が驚く「興味」を持つような画像を作るのです。嘘ではありませんが、「誇張された表現」と言う認識が、視聴者側にないと「間違った情報」になるのでしょう。

彼らの論理は「大衆受け」をする側の報道が多いと思います。

構造改革は痛みが伴いますが、その改革が時代の流れの中で必要だから…求められた結果です。日立のケースなら「切られる側」は、一時的に減給など「不利益な障害」に合う場合もあるのでしょう。大概、人間は「環境の変化」を嫌います。でも社会構造は、ドンドン変化をしています。その変化を受け入れなければ、生き残れません。

例えば…「キャッシュレス」カタルが通う飲食店では「現金のみ」を掲げる所もあります。更に、今まではペイペイ払いも受け入れていたのに「なるべく使わないで…欲しい」と言う掲示を観ることもあります。しかし…時代の流れは「キャッシュレス」でしょう。だからいち早く…その体制に合うように、自分自身を変えないと駄目でしょう。

この事は、相場の「流れ」に「逆らうな」と言う事です。

パッシブとアクティブ運用の推移

カタルは良く「個別株要因」と「市場要因」の話をします。米国株もそうです。今の世界では一般的な投資法として、指数に連動する「ETF投資」が主軸です。たぶん60%程度なのでしょう。此方の報道は53%になっており…

此方では…「ここで、我が国と欧米市場におけるアクティブ運用とパッシブ運用の比率を見てみたいと思います。2022年ベースでみると、我が国の場合、国内投資顧問残高のうちパッシブ運用の比率は70%に達しています。2014年が50%程度でしたので、8年間で20ポイント程度上昇したことになります。また、国内投資信託のうちETFなどパッシブ運用の比率は2022年では85%程度となっています。」こんな事例を述べています。

「GPIF」(年金積立管理運用独立行政法人)では、運用額の大半が「パッシブ」運用です。その比率は2021年度末で85%がパッシブでアクティブは15%程度です。調べてみると日本の場合は「パッシブ」運用が多いようです。つまり日経平均株価指数やTOPIX指数に連動したETFの売買で全体の市況は影響を受けやすいのでしょう。

この「大元」を決める…株式投資の運用額の変動は「なにが」左右しているか?

この資産投資の上下を決めるのは、基本的に「儲かるか」…どうかで、この運用額が決まります。そこで…一番大切な事は「資産価格」の推移です。つまり株式や土地の価格動向が非常に重要です。

しかし日本の場合、このような資産投資で得る所得を、基本的概念で「否定」しています。良く…「不労所得」と言う言葉が使われます。「働いて得る」お金と、「働かずに得る」お金の価値観が違う…教育をしています。

ここに「構造変化」や「空洞化現象」が、日本の場合は重なりました。「パイオニアの指名解雇事件」は、その「切っ掛け」になった事象です。

ようやく…今頃になって「労働改革」が総裁選の争点の一つになっています。誰も…この事を「言いたがり」ません。本来は「封印したまま」…うやむやに処理をしておきたい事例です。でも小泉君は「選挙で問う」と言いました。勇気ある発言です。

でも多くの日本人は、みんな「触れたがらない」話題です。彼は、なかなか…本質を理解しているように思います。正社員と非正規社員の賃金格差を含めた抜本的な課題は、「解雇」が、気軽に出来るかどうか…なのでしょう。

あのパイオニアの指名解雇の時にメディアは一斉に、古い概念の「終身雇用」制度を維持しようとパイオニアを責めて…切られる側の弱者に焦点を当てて…報道したのです。

だから日本企業の多くは、日本での投資を止めて…労働賃金が安く、未来の市場の大きな中国へ「生産設備を移転」したのです。しかし…ようやく総裁選の話題になったのに、今でもメディアは「間違った主張」をしています。小泉君の言うとおりだと思います。何故、正社員と非正規社員が誕生して、その比率は、ほぼ…拮抗しているのか?

ウヤムヤに…しているから、こんな「歪な市場」になったのです。

名目と実質賃金の比較推移

それでは「資産投資」が起きなかった理由の一つを観てみましょう。このグラフはバブル期からの比較ですから、マズマズですが…本当は、その前に在った日本の「名目成長時代」も含めて…掲げた方が良かったですね。

1990年まで…日本は「他国を圧倒する」名目成長率だったのです。しかしバブル崩壊からこのような状態が、長く続きました。特に問題なのが「名目賃金」です。加藤氏が言うように…毎年5%の賃上げでも、なかなか…欧米に「追い付かない」のです。

特に45歳以上の人間は、これから…苦しくなるのでしょう。

話が労働改革の話しになったので…焦点がボケましたが、資産価格の上昇が「名目賃金」を、どんどん押し上げます。その結果、実質賃金も継続的に上がるようになります。

既に日本の物価が、世界水準で観ても「割安圏」になりました。しかし昔は、様々な障壁が在って、「日本独自」価格があったのです。洋服が一番、分かり易い事例です。何故、ユニクロや大成長を遂げることが出来たのか? 基本的に「グローバル価格」を基準にしたのです。日本の高い労働者を使わずに…当初は中国、今はバングラデシュかな? 世界で一番高い効率を目指して…生産国を変えています。

昔の…僕ら世代の人間は、日本の洋服は高い印象がありました。だから洋服の「青山」などのスーツが当初は激安で「飛ぶように売れた時代」もあったのです。今では考えられません。建築費などは、まだ日本の独自価格ではないかな? 既に国際価格になったのかもしれません。

米の価格が、最近は異常に上がって来ました。まぁ生産者が物理的に減っており、この高かったコメの価格も、ようやく…グローバル基準になって来たのでしょう。最近、「さとう」の「パックご飯」も値上げが、実現しています。海外でも売れているようですからね。

何故、このような話をしているか? 

それはようやく…基本的に日本を取り巻く「市場要因」を決める要素は、大きな転機を迎えているのです。カタルは米国と中国の「覇権争い」において、習近平政権は間違った政策を実行し、米国はインフレも容認する程…過剰な「資産投資」優遇政策を実行しており、世界のお金を集めています。この基本政策の違いが、「覇権争い」に大きく影響します。

米国は、日本を取り込もうとしています。この庇護と言うか…保護と言うか…。この事が「市場要因」を大きく押し上げています。だから…株価が34年ぶりに最高値になったのです。

ようやく…始まったのですよ。個別株要因より、市場要因を決める…「基本的な要素」の話をしています。仮に…小泉君が総理になったなら…日本は「劇的」に変わるでしょう。一気に経済成長率は高まる…と期待しています。

彼が言う通り…労働改革が「一丁目一番地」なのでしょう。基本的に「解雇規制」を緩和すれば…正社員と非正規社員の賃金格差も消えます。ですが…メディアの一般的な主張は此方です。バカバカしい…。限りです。

なかなか…決められない30年以上も「グダグダ」言い続け…更に時間を延ばそうと画策をするメディアです。本当に「問題の本質」を理解しているなら…もっと「日本国を愛している」なら、こんな報道は消えます。

むしろ…小泉君を応援するでしょう。

解雇されて良いのですよ。ピンチはチャンスでもあります。株価が下がることは、上がる事への「裏返し」です。今日は、昨日の時代投資より、本質的な市場要因が、どうして決まるか? そっちに原稿が向きました。

実は「日本国の課題」と「世界の課題」を、当初は「対比」させようと思っていました。日本の場合は、多くの日本独自の課題を抱えています。しかし世界は「AI革命」が主眼なのです。この中には自動運転なども含まれます。

だから、半導体株の「異常人気」が生まれました。しかしこの流れは「正しい」のです。でも「市場の期待値」だけが…先行したので、高い「乖離状態」になったのです。

でも既に、その「割高感」は消えてきました。今回、相場が反転しても大きく「上方乖離」はしませんが、「戻り相場」になるのでしょう。何しろ…世界全体が望んでいる時代の流れが「AI革命」です。

ロボットの「ファナック」は、「プリファードネットワークス」(PFN)などと協業しています。ただ、このPFNの昨年は30億6600万円の赤字企業です。

基本は此処です。どんな進化も、お金をガンガン…入れるなら、「時代の進化」は早くなり…黒字に転換します。中国は「過剰生産」になる程…ガンガンお金を入れていますから、EVの覇権を握ることが出来たのです。100%課税されても…それでも「競争力」があるのです。

この辺りは難しいですね。「ラピダス」の民間資金集めは苦労をしているようです。もともと…「実験と量産化の違い」を、どの程度、政府が認識をしているのか…。TSMCでさえ…3ナノ生産の現状の「歩留まり」は、20%程度と言われています。実験と量産化は、全く…「別物」です。しかし…「兆円」単位で、「途中で怯まずに…」お金を、ガンガン投じるなら、量産化も「時間の問題」になります。最後は「覚悟の問題」です。

カタルが総裁選の回答を聞いている分では、小泉君の評価は、ドンドン…高くなってきました。当初は、「大丈夫か?」…と冷ややかでした。他の候補は駄目です。具体論がありません。もうカタルは69歳だし…、一気に「時代革新」を加速させて欲しいものです。

「躍動感」あふれる市場になるかどうか…。今回の選択は、その岐路にあるのでしょう。また明日。



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