昨日の続きからのスタートですね。基本的にベースマネー、つまりマネタリーベースを伸ばせば、マネーストック(実際に市中に出回っているお金の量)は増えます。しかし…近年は長いデフレの為に、なかなか期待インフレ率が上がらずに、人々の行動が鈍くなっています。これが「流動性の罠」です。長い失われた時代の失政の為です。昨日は、その様子を見た訳です。当初、黒田さんは2年間で、物価上昇率を2%に引き上げると述べ…量的緩和を実施しました。株式市場は民主党が崩壊した時から、株価が上がり始めましたが(2012年晩秋)、しかし実際の緩和は、翌年2013年4月でしたね。2年の約束が実行されたなら良いのですが、原油価格の下落などの影響で、目標は「先ずれ」していると言いますが、実際はデフレの世界に、逆戻りの可能性が出てきています。
それは…、いくらマネタリーベースを引き上げても、当座預金にお金が貯まるだけで、市中にお金が、なかなか出回らない為です。この原因として考えられるのが…当座預金に付利されている金利0.1%の存在です。リスクゼロで…日銀が、各銀行にお金をくれるからです。これじゃ、いくら量的緩和を実施しても…お金は市中に出回りません。その様子を前年比率のマネタリーベースの伸びと、マネーストックの伸びのグラフを作りましたからご覧ください。
この所…マネタリーベースは、前年比で高い伸び率を続けていますが…なかなかマネーストックは5%台の伸び率に上がりません。ショック療法も兼ね、カタルは1980年代のような10%近い伸びが、必要だろうと考えています。目的は、マネタリーベースを増やし伸ばす事ではなく…市中に出回るお金を増やす事が、デフレからの脱却に必要なのです。此処で先頃の金融庁のヒヤリングも問題になりますね。不動産向け融資が伸びているから、警戒感を強めている訳ですね。しかしリート市場を見れば明らかのように…、5%台に回るリートも存在し、バブル状態で、ないのは明らかです。金融庁の間違った指針です。全ての政策当局が、一丸になって、デフレ脱却を図ることが…日本の未来に繋がります。
現状は明らかな中だるみ現象を、お金の伸びは示しています。一度、完全にデフレ状態から脱出させないとならないのです。故に、銘柄の選択が「ケネディクス」になっているのです。順調にAUM残高は伸び…将来の利益の「源」が蓄積されています。このお金の伸び率のグラフを見ると…、「1300兆円の逆襲」と言う基本シナリオが、如何に…重要か分かりますね。歴代の経団連会長を輩出した東芝も、追い込まれた失われた時代なのです。故に、至る所に歪みが生じています。最近、起きたバス事故も雇用条件が悪化している為に命が失われています。ある意味で人災ですね。正しい経済政策下なら、ブラック企業やブラックバイトと言う言葉は生まれません。自動車も軽自動車ではなく高級車が売れますね。まさに、失われた時代を象徴するお金の伸びを示したグラフと言えるのでしょう。
基本は此処にありますが…皆さんは目先の世界同時株安について、気になるのでしょう。カタルは、今も二番底説を採用しています。仮に昨年8月、9月の安値を多少割れても…再び高値に戻ると考えています。このまま「レビー説」や「ダリオ説」に向かうのは、不自然だからですね。故に2006年の相場に似ている様に今は感じています。あの時は年初に、地検がライブドアのホリエモンに対し、偽計会計の疑いで国策逮捕に踏み切りました。しかしその後、IHI,オリンパス、そうして東芝…と事件は続き、一体、「ものさし」って、何なのでしょう? カタルにはサッパリポンです。村論理のご都合主義ですね。まぁ、青臭い事を言っていても、仕方がありません。
あの時は、年初の大幅安に大きく戸惑い、悲観に暮れていましたが…、5月の連休に向かい2番天井を付け、その後…昨年のような指数相場が始まり、2007年にかけ株価は上がりましたが…空中戦の展開で、最後は大きく株価は崩れて行きます。昨日、レポートした「公開された日銀の議事録の内容」失政の為ですね。カタルは、もともと、オバマ政権下では…、正常な状態に戻らないと考えています。
その理由は、金融デリバティブを否定した「清貧思想」の為です。最近、フィンティック関連株が大きく賑わいましたが…そもそも、日本はスイカなどの電子マネーが、都会では一般化しています。故に、いち早くキャッシュレス社会を構築できるのです。カタルの未来論は、これまでも何度か公開しています。税務署も警察などの治安も大幅に人員削減され、理想の公明正大で、公平な社会構造です。安全で、安心な社会の誕生ですね。
話を戻しますが…カタルは「ダリオ時間」が、流れると踏んでいます。1937年の再来を思わせるような展開ですね。でもイエレン時間の考え方も、良く理解しているとつもりです。この考え方の背景は、バフェットがリートを買ったことも、影響しています。今の市場は、あまりに根拠が希薄な材料を、何度も何度も使い回し…株価を叩いています。崩れるから動揺が広がっています。故にこの株安の根拠は、サウジなどの売却説に傾いているのです。しかしカタルが「時間の推移」の読みを、間違った可能性もあります。事実、夏からの反騰は、遅れたとはいえ…読み通りの展開で、一度は、12月初めにプラス圏に浮上しています。ところが…12月の米国利上げで、スッキリポンと思っていましたが、上がったのは一日だけ…翌日から再び下落です。
12月は特殊月で…税制の還付を受ける為の…損切りの嵐が、長いなぁ~とは思いつつ、強気を堅持しました。しかし相場は、新しい時代のフィンティックだけ…。当然、巻き返しが起こると考えていた自走車関連は沈みました。年が明け、三井住友など…続々と昨年の夏の安値を下回っています。今度、カタルはサウジの売りが、世界的に広がっていると考え強気を維持し現在に至っています。雇用統計の改善には反応しないのに…小売売上には、過剰反応してNY市場もとうとう昨年の安値圏まで来ましたね。
つまり次々に事前の読みが外れ、相場の基本シナリオを変更しなくてはならないかもしれません。その理由の一角と思われるレポートを発見しました。WSJの此方の記事です。有料会員でない人は、読めないかもしれません…が、此方です。これは日本同様に、米国の金融株もPBR1倍を割れていると言う内容の記事です。その米国大手金融の動きを見てください此方です。
確かに、昨年後半から今年にかけ…再び急落しています。しかし…この程度は読みの内、50を挟んだ横這いになるか? それとも…一気に、さらに急落相場に入るかどうか…。大体、過剰な自己資本比率規制なのですね。だって金利が低いのに…、検査も厳しいのに…16%~20%も…自己資本が必要とされるなら、事業そのものをやめた方が良いですね。このように…オバマ政権の過剰な金融規制、故に、かたるは、米国経済は「偽りの景気回復」と述べている理由の根源になっています。それだから…大統領が変わる来年をみないと…新しい展開は読めません。
もともと現在の中東の混乱は、オバマが主張した「米国は世界のポリスマンではない」と言う発言が引き金になり、混乱が…さらに拡大しています。日本の安全保障問題もこの影響です。集団的自衛権などの変更ですね。本来は憲法改正をすべきです。しかし時間が間に合わないから臨時処置を取ったのですね。それは米国の基本政策に影響を受けています。現在、強いアメリカ復活の旗印を掲げる、共和党のトランプ氏が高い支持率を受けているのは、弱腰外交、オバマ路線の反対票によって維持されています。
もし…このままダリオ時間突入かどうか…は、今月一杯の相場を見ていれば…分かります。カタルは、今でも、いつでも相場は反発して…、間違いであっても、一回はイエレン時間が流れると考えています。つまり好調な米国経済を材料に株高になると言うシナリオです。しかし高値を更新するかしないかで…再び真価を問われると考えています。その時に政策の選択を誤ると…一気にダリオ時間が流れると考えています。だから春から夏以降になったら、大きくポジションを閉じる予定でした。でも今、この時間が流れるとは思ってなかったのです。意外にもイエレンが正しく…、適度な調整過程を経て、再び直ぐに上昇は出来ませんが…横這い相場になる可能性もあります。
実はこのシナリオが、一般的かも知れません。年末にかけ…何度も、カタルは日本株の復活を説いています。理由はROE経営などを中心とする市場原理化した経済が浸透している為ですね。トヨタのAA型株式で一旦は沈みましたが…、ファナックなどの企業群が、日本をリードすると思っています。どちらに転がるか…。今月いっぱい、様子を見ていれば分かるでしょう。イランの原油輸出解禁なども…、一つの変化点になります。通常、市場経済下に置いて、一方的な展開が、続くことはありません。世の中には、様々な意見があり、それぞれに言い分があり、たくさんの道筋の中で、試行錯誤しながら…正しい道が選択されていきます。それが市場原理であり、市場経済ですね。
それでは…また明日。