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かたる:本日の相場は、流石に高いようです。目先的には米国雇用統計の改善により、イエレン時間の認識が広がったことでしょう。ただ金融政策を決定する一番の指標は物価です。この推移は、決して芳しいものではありません。カタルの考える仮説の一つに、スマートコミュニティーを前にした「ジレンマ」があります。人間と言うのは、基本的に「現状維持」から、なかなか抜け出せないものです。日本が「村論理」に染まっているのは明らかですからね。先の東京都知事選を観れば、その「しがらみ」が、分かるというものです。

カタルの述べる村論理には、様々な解釈がありますが、先日、読者から紹介された小説が、その辺の状態をよく表していると思われます。江上剛が書いた「激情次長」と言う新潮社より発売されている小説ですね。彼はカタルと、ほぼ同世代の人間で、2003年にみずほ銀行(第一勧銀)を退社しました。テレビで放映された半沢直樹の池井戸潤も銀行マンでしたね。彼は三菱かな?この「激情次長」と言う小説は、村社会構造が上手く描かれています。だから三菱UFJが国債入札資格を返上し、財務省が怒るのは容易に背景が理解できます。

もともと「時代の変遷」を見逃している政策官僚の失敗に、この経緯の原因があります。プラザ合意からですから、非常に長い時間、「失われた時代」の中で生活しています。革新機構のジャパンディスプレーから、最近はベンチャーへの融資や出資など…官の増殖が問題なのでしょう。故に「働き方改革」が問われているのです。1993年1月にパイオニアの指名解雇事件が起こります。既に23年も経過しているのに…。まったく、仕事をしない役人ばかりです。

日本の村論理は、新しい時代のスマートコミュニティーへの扉を開ける妨げになっています。何も、日本だけではなく、イタリアも同じような構造です。イギリスも米国もそうなのです。だから世界中で、立ち止まっているのです。先進国からBRICsへの新興国の躍進が広がり、ファブレスやEMSと言う受託生産の世界になったのですが…日本は未だにトヨタ偏重時代ですからね。僅か1%や2%のコストダウンを争う時代ではないのです。せめて高速道路だけでも自走車輸送のトラック便を認めれば…どれだけ効率化が進むのでしょう。

時代を一気に進めるなら「キャッシュレス社会」の構築ですね。振り込め詐欺にかける経費は必要なくなり、犯罪も、ぐっと減るでしょう。防犯カメラとキャッシュレスを組み合わせたら、すごい効率が生まれます。税務署だって、「税務調査」の文字がなくなりますね。皆が公平な基準で競争が出来ます。この激情次長と言う小説に出てくるタクシーチケットを要求する役人も居なくなります。その意味で、小池新都知事が推進する「情報公開」や「期限付きの仕事」の推進は、価値がありますね。時代は変わっているのです。

日経新聞が、何故、この時期に三菱UFJの国債入札資格返上を取り上げ、村社会の構造を叩くのか? 9月の日銀政策の効果検証は、1月のマイナス金利の導入評価は、充分に発揮されていない段階ですからね。本日の相場は、どうも…この9月検証と米国のイエレン時間の評価、更にカタルが述べたETFの買入れ増加などを、加味して動いているようです。更に、日経新聞が、この所、盛んに述べている財政ファイナンスの動向が、相場に反映されている可能性もあります。ケネディクスの話を、しているのです。どっちにしても、何れは「1300兆円の逆襲」は、相場のテーマになり、大きな変化を迎えることになります。

小野薬の治験失敗と金融株の流れは…逆業績相場から金融相場が始まったことを示しているのかも知れません。やはり野村が推奨した段階は、売り場だったのかもしれません。でも実際の小野薬の相場は、今年の春まで、第一弾の理想買い相場が続きましたからね。相場のアヤと言うか…面白いものです。ブレグジットで叩かれ、もう一度下値を確認した7月8日の相場から、金融株は大きく上昇しています。あの時に何処かのファンドが、野村証券を大量に組み入れていると…日経新聞が紹介記事を載せていました。あれから、約100円の上昇です。三菱UFJもそうですが…相場は完全に、金融相場が始まったようにも見えます。

今回は本物になる可能性が高いと思っています。長かった「景気の中だるみ」から、デフレ脱却の相場へ、軌道修正している様に見えますね。やはりカタルは1月のマイナス金利導入が切っ掛けになり、効果が出ている様に感じています。問題はスター株の誕生です。

ケネディクスは、コンセッションと言う切り口もあり、奥が深いのですが…問題は経営者ですね。昨日紹介したリロホールディング(リログループ)のように、相場の途中で変化し、上手く変身できるかどうか。1万円相場まで…かなりの道のりです。時間の経過からして…ヤレヤレの売りは続くのでしょう。相場って…面白いものです。やはり人間は、時間の経過には、勝てないものですね。何処かで…相場の波動が大きく変わるのでしょう。

決算数字の発表が続いていますが、基本的にこの時期の数字を重視すべきではありません。まだ期が始まったばかりで、1Qなのです。クラウドワークスは3Qですから増額修正が出やすいですが…通常、会社側は、この時期の数字は、保守的な数字しか打ち出しません。村社会で、調和を重視するのですね。

そう言えば、本日の日経新聞にも、社外取締役の話で、聖徳太子の憲法17条が載っていましたね。いい加減に…本音を述べないと…財政ファイナンスからガラガラポンに発展します。財政ファイナンスの文字が日経に載り始めたという事は、ロボット教育が開始されたという事ですね。この意味は、本当は心配ないのですが…国民は馬鹿だから、メディアに踊らされ、自壊するのです。太平洋戦争の二の舞にならねば、いいのですが…あの時もメディアは開戦を煽っていました。お金持ちは、そろそろ準備を始める時期なのでしょう。

その前に、デフレを脱却し、適度のコントロールできる「名目世界」に、早く移行させた方が良いですね。役人は、真剣に新しい時代に対応した政策を実施すべきなのです。それでは、また明日。「激情次長」は…なかなか泣けます。



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