前回からの続きです。この最初の原稿は3日からの続き物です。だから最初の部分から読んでくださいね。チャートの中でも…「株価位置」と言うテーマで原稿を書いています。何故、この株価位置と言う考え方が重要かと言えば…、株式チャートは、自分が、今、どの位置に立ち、株を売り買いしているかという地図だからなのでしょう。
地図がなければ…行き先が分かりません。株式投資は、株価がどの方向を向き、どの程度の幅を上昇するか。あるいは…どの程度、下落するかどうかに、賭けるゲームのようなものです。その為には、自分の売り買いする株の立ち位置が、何処にあるのか? 自分が分かって…投資をしてないと駄目なのです。
新興企業(これから生まれる産業)の株を除き、一般株、所謂、産業が確立されている会社の株価は、過去のデータが存在します。だから過去のデータに照らし合わせ…、現実地点が、どの辺りに位置しているか? 自分の立ち位置を、知る必要があります。株価チャートは、その地図のようなものです。
地図を頼りに…コンパスなどの武器を手にして、先行きを読みます。コンパスは「企業業績」かも、知れません。この企業業績の読みが…先行きの動向を左右します。それではトヨタを参考にして、原稿を進めていますから、本日は月足に並び…週足と企業業績の推移を参考に話を進めます。上の月足は昨日のものですが…リーマンショック後、3と4の二度の下値を付けて…Bへの株価上昇に繋がっています。1の高値は2250円ですね。しかし3(2585円)も4(2330円)の安値も、この1の高値(2250円)を下回っていません。
カタルは赤字から黒字への変化の時が、一番、株式投資では妙味があると述べています。その様子を見て下さい。トヨタの業績推移です。もっと長いものがあると良かったのですが…、これは四季報のものですが、後は自分で補うと良いですね。
トヨタが赤字に陥るのは、リーンマンショックの後ですね。リーマンショックは2008年の9月ですから、その時はどうにか…大丈夫なのですね。しかし…その翌年、てきめんに業績も悪化しています。一株利益541円から赤字のマイナス139円ですからね。トヨタは優秀な会社なので…一気に在庫処理に走っています。しかし生産調整とうのは、そんなに簡単に進みません。トヨタは大きく、下請け企業は非常に多いのです。
米国はリーマンショックの後、直ぐに政府が金融支援に乗り出しました。しかし日本は違いますね。金融が駄目になると全ての産業が非常に大きな影響を受け、その後遺症は非常に大きいのです。事実、2008年のリーマンショックなのに…未だにイタリアなどは、実害が出ています。後処理の不手際があり、5月2日にイタリアの「アリタリア航空」は、経営破たんしています。まぁ、このケースがリーマンの影響かどうか…。調べないと分かりませんが、多くの世界の銀行は、金融規制克服論の流れにありますが、イタリアの銀行は、まだ健全化していません。その影響も、きっと…あるのでしょう。
日本もそうです。日本の場合、バブル期の後遺症が…尾を引いています。1989年に株価は高値を付けましたが、その後も融資を続けた為、清算が長引きました。そうして2003年に日本の金融界は、底を打ちました。しかしその後処理の為に、未だに銀行株は正常化していません。
大量に下値で増資をした為に…株の需給バランスが崩れているものと思われます。通常、論理的には黒字で配当をしていますから、株価は一株当たりの純資産価格を上回る筈です。カタルが、未だに「流動性の罠」の中に日本は居ると言っているのは、その為です。金融が完全復活すれば…産業界も確りした動きになります。
さて…話を戻しますね。米国は早くに的確な手を打ちましたが…それでも被害は大きく…2012年~2013年頃まで、復活に時間が掛かっています。その様子を、自動車販売台数で観ると良く分かります。
分かりますか? リーマンショック前は、だいたい1500万台越えだったのです。2010年は1177万台、2011年は1304万台と言うイメージです。この落ち込み分があり…買い替え需要が溜まっていたので…2012年からの相場で、カタルはマツダを推奨していました。理由は中国なのですね。しかしカタルは間違っていました。米国に照準を合わせ、スバルに絞るべきだったのです。ホンダなども…その時分、注目していました。本田は早くに中国に進出していたためです。しかし…。
日本の経営者は…最大市場の中国より米国なのですね。この辺りの視点が、カタルに欠けていたためにマツダの選択になったのです。まぁ、反省は兎も角…話を進めましょう。基本的にトヨタの数字を見ると分かりますが…直ぐに消費は伸びない訳です。実際に米国の販売台数が伸びるのは2011年後半から2012年ですね。トヨタの業績推移では2013年になると…数字は急回復しています。実際の販売台数は2012年1478万台、2013年1588万台、2014年1652万台、2015年1747万台となっています。
要するに…リーマンショックの落ち込みによる、買い替え需要も加味されているので…変化率が髙い訳です。歴史的な変化です。だからトヨタ株が大きく上がるのが…当たり前ですね。このように、実際の数字の読みをチャートに付け加え…株価の先行きを読むわけです。
これからは自動車など…当面は、駄目ですよ。だって米国は駄目、中国もEV開発で後発組です。世界市場の一番、二番が駄目なのですね。日本は、たぶん…ようやく浮上します。今度は軽自動車ではなく…普通車も売れるでしょう。二極化でしょうね。1000万円以上する高級車の伸びは続きます。どうも原稿が一般論になりやすいですね。この数字の変化の上昇角度が問題なのです。
カタルは、いつも業績の水準ではなく、株式は「変化率」を買うのだ…と解説しています。何故…カタルが、大阪チタンの底入れパターンを解説していたのに…早々に諦めてトントンで相場から、離れたか?
それは…赤字から黒字の「変化率」が、足りないように見えたからです。同様の理由で…グリーも、この変化率に自信がない為に、株価は騰がるだろうが…カタルはやらないと宣言しました。多少は、売り買いをしましたよ。でもカタルが手掛ける水準に満たないと考えている為に…参考程度に留めています。
トヨタもたいした事はありませんが、それでも赤字から…下値のソコソコの伸びから、急変化して90円、304円、575円になりましたね。だから株価が2000円台から一気に上がったのです。しかし高値水準でトヨタは、増資をしましたね。面白いマジックです。あれは実際には債券です。でもひょっとしたら…と思わせる増資です。株を高値で買い取る条件で発行した増資です。いやらしい会社です。
カタルは、章男社長が比較的、好きな方です。でもあれは頂けません。最大市場の中国で、一番になってみろ!と言いたいですね。更に、折角のチャンスであるフォルクスワーゲンは不正を、充分に経営に生かせていません。章男社長も、ある意味で経営者の器かどうか…辛うじて、及第点止まりでしょう。安倍首相と、同じレベルですね。安倍さんも…日本国は低水準の飛行です。今までが酷過ぎた為に…良く見えているに過ぎません。
みんな3流だね。さて…最後に、この企業業績の数字を合わせ、何処で相場に参加するか? カタルは…いつも述べています。前の二つの山を抜いたところから、相場に参加しろと…ね。
トヨタのケースでは、cの地点が、一番良さそうですが…前の1と2の高値を抜いた3の地点から、相場に参加するのが一番効率的のようです。つまり4000円で買って6000円台で売るのですね。トヨタクラスで5割を超える投資成果です。これは凄い事なのです。このクラスだと…数百億の運用が可能だからです。大きなお金になると…どうしても大型株の選択になります。
つまり小手先のコバンザメ売買は、出来なくなります。日計り売買を狙う多くのネットトレイダーは、何れ…小手川君のように壁を迎えます。10億を超えると…途端に運用が難しくなってきます。ましてや百億単位では、もう小型株の売り買いは出来ません。
本日は株価位置に加え、企業業績の読みと言うコンパスも、株価チャート言う地図に合わせて、使いこなせ!と言う話ですね。その為には、米国の経済動向の読みが欠かせません。自動車販売台数が、何故…落ち込んだか? どうして、その後、何故、大きく伸びたのか? その時代背景を、読む力が必要になります。チャートは実態経済の動向を反映している訳です。「株価は経済の鏡」と言われる所以です。
トヨタのリーマンショックからの立ち上がりが、何故、直ぐに急改善しなかったのか?ここで、その理由を考えて下さい。だって直ぐに一株利益が300円台、500円台と回復していません。67円、130円、90円ですね。何故、こんな現象になるのでしょう。明日は…その辺りを、解説しましょう。少し株価チャートのお勉強からは外れますが…非常に重要なのです。それでは…また明日。