真の情報

真の情報とは、何か?…と言う事を課題にします。 先日、ある読者から村田製作の情報メールを頂きました。その内容は此方です。

「最近は従業員のリストラが行われたり増設していた工事が止まっていたりして、越前市の市民は少し不安に駆られているが現状です。今後の村田の株価が上向いていくのか、話を聞く限りではとても信じられません。」

一方、日経新聞の記事は此方です。

本日の東邦チタンの減益要因は、このMLCCに関する話とチタンの話しが報道されています。このような断片的な情報(パーツ)を、どうやって…株式相場の見通しに繋げるか?…が、本日の課題です。

シャープの最近の日足推移

世界的にスマフォの販売は不調で…生産調整が行われており、シャープなどは前から外国人労働者を大量の削減し、社会問題化しています。同様のケースが村田にも広がっているのでしょう。でもシャープの株価は既に大きく上昇しました。

村田の福井工場は主力工場の一つでMLCCを中心に生産をしています。だからメールで教えて貰ったリストラ(今は外国人の契約社員が中心)や工事の中断は「寝耳に水」ではなく…ある程度予期していた現象の確認になりました。

カタルは…その先を見て村田を打診的に買っていたわけです。しかし…既に100株だけを残し、他は利食いをしています。

東邦チタンの業績修正の記事は、シャープの現象や村田のリストラメールなどに連動しています。737MAXの影響もあり東邦チタンの株価が、この所…下げている理由は納得できます。しかし…何故、村田は、この時期にわざわざ滋賀にMLCCの工場を新設するのでしょう?

たぶん村田に聞いてみないと分かりませんが…MLCCは今後どの産業でもキーパーツとして需要が伸びるのでしょう。スマフォ向けは現在も減速しています。しかし…半導体価格はここに来てホワイト国問題が生じ…最近ここ1~2週間かな? スポット価格は、およそ15%程度の上昇をしました。本日の日経新聞には肝心の大口量産品の価格動向が載っており下落率が鈍って来ました。

SKハニックスは15%減産を実施すると言います。おそらく…市況の低迷と相まってホワイト国問題から原材料の入手の見込みを弾き…減産を決めたのでしょう。東芝メモリも停電を口実にして、実質的に四日市工場の操業を止めて、在庫の圧縮を謀ったようです。既に報道されている様にメモリの上場は遅れています。

この辺りの観測が相場に影響を与えますが…まだ誰にも先は分かりません。米中貿易摩擦問題が影響し…設備投資が鈍っている為に実害が生じています。でも株価と言うのは面白く…半年先を見るもので、特にV字型回復を好みます。半導体市況が、進化論相場の鍵になるのですが…「この動向に注目しろ」と散々カタルは有料会員にDXI指数の動向の話をしています。

少し賢い人は…この指標の底入れを見て、SUMCOを買うと1300円から1500円の値幅を確保できています。カタルは事前に1400円前後で買った、SUMCOをトントンで外しました。僅かな儲けです。

ただ信越化学と同様に好決算を発表しても、カタルは株価が一旦下がると思っています。例の初めての200日線越えは、大概…お辞儀をするパターンが一般的だと言う話です。だからJトラストは異常に強い形とも言えます。

本日の日経新聞報道を受けての…東邦チタンの今後の株価が注目されます。村田製作のリストラと、車向けのMLCCの工場新設の綱引きです。更に長引く737MAXの動向も影響を与えます。株価は既に737MAXの減産も視野に入れているのでしょう。逆説的に言えば…日経新聞報道で東邦チタンの株価は「あく抜け」する期待が高まっています。

ただ…来週以降の相場動向次第でしょう。この所、値惚れの「ぶら下がり」が増え始めています。でも以前ほど、ぶら下がり組は居ませんから、カタルは再び買うかもしれません。

肝心な点は、企業業績は後追いの報道です。つまり過去の話です。でも株価の先行きを決めるのは、半年先の経済状況なのです。この時間差のギャップをどう埋めるか?

前回の安川電機の相場推移(週足)

村田はそもそも…安川電機が6120円を付けた2018年1月に相場はないのです。理由は「メトロサーク」と呼ばれる折り紙のように曲げて内部にはわせることができiPhoneの新製品の薄型化・高実装の決め手になる独自開発した樹脂多層基板の量産化に手間取り…あの時は、上手く立ち上げが出来なかった為です。

同期間の村田製作のチャート

でも此処に来て…全個体電池の量産化の話などを含め、この自動車向けのMLCCもそうですが、先行きの2年から3年先に明るい話題が増えています。

極めつけは、ルネサスエレクなどと共同で開発していた様々な製品の開花が近いのです。だからルネサスエレクの株価も注目されるのです。もう既に、この株も4ケタに乗ります。でも今は相場の季節感が違うのです。この辺りの感覚は田中化研にも言えます。

皆さんは簡単に…上がる株を求めていますが、時間のギャップを埋める作業は様々な観察眼が要求され非常に難しいのです。

村田の良さは、前回の相場で…立ち上げ期の量産化に失敗した為に…相場にシコリ感がないから、今回は相場が大きく育ちやすいのです。このメトロサークは既に量産化されており、次のスマフォ開発に大量に使われ、収益化します。色んな製品の立ち上げ時期など…考慮して目先の業績と未来の夢が重なるかどうか…。この辺りの時間を、読まないとなりません。

先ほど掲げた、読者からの「真の情報」ですね。新聞に報道されていない、貴重な情報こそが…生きた情報です。新聞記事や企業のIR担当などの回答は、もう既に株価が織り込んでいる…死んでいる情報とも言えるでしょう。情報にも価値観がそれぞれ違うのです。

だから…カタルは、そんな生きた情報を大量にいつも集められないから、株価に、相場の先行きを聞く訳です。カタルはいつも…様々な観測気球を打ち上げています。そうして実際に売買をして、様子を見ています。最近では11日の安川電機の決算に合わせ、観測気球を打ち上げました。全個体電池報道からの…村田の打診買いもそうです。

一応、利食いと言う形で終結していますから、本格的な進化論相場は、そんなに遅くならない時期に…本格化する確率が高まっています。今回のDXI指数の兆候が、実際の半導体相場に繋がるかどうか…これからも観察が必要です。

何故なら、車のスマートカー時代が来るから、その時にブレイクします。村田の滋賀の新工場の立ち上げは、その意味でしょう。MLCCの用途は、何もスマフォ向けだけではありません。

東邦チタンの日足推移

だから東邦チタンの株価も捨てたものではなく…今回の新聞報道が「あく抜け」に繋がる可能性もあります。既に株価は長い調整、短い調整を挟んでいます。この辺りの読みはボーイング社の問題もあり、依然、難しいのです。

皆さんの思考パターンは単純すぎます。出来高バランスも読めないようです。千代化のチャートと出来高バランスを見れば分かります。もう本日は此処で止めましょう。千代化の話は後日にしましょう。ずいぶん…長くなりました。

今日は「真の情報」の価値の裏側の観方を…中心に解説しました。上手く纏まっていませんが、ヒントにはなるでしょう。

いつも言う事ですが…カタル自身が貧乏人ですから、所詮は、このようなレポートを鵜呑みにせず…自分なりに加工する事です。利用し得る…材料程度にする事ですね。

こんな事を、いちいち注意を促さなくてはならない日本人のレベルの低さが、悩ましい問題です。本物社会の構築が出来ていないのです。投信を毎月、数千万も集めるのは大変ですよ。実際にやったものでないと分かりません。

日産の西川さんが、営業マン時代に、どの程度の車を売ったのでしょう。伊藤園の本庄さんは、すごいセールスだったのです。確か…月間で50台程度だったかな? 一日の納車が一日一台なんて、もんじゃなかった筈です。自動車のセールスなら、この水準が、どんなものか…分かる筈です。通常の人間は、月間に数台売れば、まずまずの水準なのでしょう。

いつも言う事ですが、自分の身は自分で守るのが…当たり前の倫理観です。情報は武器にも、凶器にもなり得ます。それぞれが吟味するのが…当然なのです。それでは…また明日。



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