覇権の移行期

もともと、今は難しい時期で、どう考えるべきか…悩ましい現象です。昨日の「今日の市況」では、時間の問題を取り上げました。全ての難問は時間が解決をする…と言う話ですね。今の所…習近平氏は、どうにか権力基盤を固めた…との報道です。これ程の粛清にも拘らず、大きな経済的な落ち込みは、今の所は感じられません。ただ不動産市況の低迷や自動車販売の変調など…順風満帆とは言えませんが、どうにか綱渡りをしていますね。シャドーバンキング問題も乗り越えつつあります。中国が目指す覇権大国への道は、透明性が確保されないと、なかなか移行されません。金融問題は、未だに多くの独自規制が存在しますからね。自由な行動が束縛されるようじゃ…、いつまでも覇権委譲はあり得ませんね。

ただAIIBの欧州の賛同は、「一路一帯」政策への支持です。理由は、米国の金融政策にあります。リーマンショックはデリバティブ取引の発展の過程で生まれたリスクの表面化であり、システムに不備が多く存在していたため、システム不安からの崩壊ですね。何故なら、CDSを多く引き受けていたAIGが、公的資金注入から直ぐに立ち直り、尚且つ大幅な利益を計上したことからも、デリバティブ取引の信頼性は証明されました。それにも拘らず、この現象に過剰反応しているのが…、清貧思想のオバマですね。彼の金融論への毛嫌いぶりは、日本と同じです。「悪銭身に付かず」、「不労所得」など…日本では地道にコツコツと積み上げる人生が尊ばれます。しかし現実は違いますね。金持ちの多くは金融取引で財を成します。「ワーテルローの戦い」に於いて、ロスチャイルドが、財を成したのは有名な話ですね。

一方で、確かにやり過ぎの面も存在しました。カタルは長く証券界に従事し、様々な人生を見てきました。人間は、基本的に追い込まれると変わりますね。何をするか分かりません。だから証券マンは、決して顧客に対し、無理なセールスをしてはいけません。顧客が溺れれば、注意を促し、場合によれば、注文を断り、取引を解消しなくてはなりません。これが出来ないから…、過去に事件が数多く起っています。あれは武富士だったかな…、顧客が支店に火炎瓶をもって来て、殺人放火をしましたね。証券界でも同様の事件は多く存在します。

矛盾するようですが…金融界へのさじ加減は、非常に難しいのです。実態経済と金融経済は同程度の力を持っています。相乗効果がありますね。世界各国の流動性の供給により、リーマンショックの落ち込みは、どうにか…元に戻りました。しかし、未だに砂上の楼閣なのですね。民間金融機関は、日本の三菱UFJを見ても分かるように、盤石ではありません。未だに純資産価値を下回る株価に甘んじています。株式価値には残余財産を得る物質的な権利があり、日々の儲けを得る利潤証券としての権利などがあります。そうして経営権を左右する議決権を有する支配証券でもあります。故に、カタルは、株価の基本概念として、純資産価値の1倍に、日々の利益の10年分、つまりPER10倍の株価を足した株価が、フラットな水準だと考えています。株価=BPS+ESP*10ですね。三菱UFJなら、BPSは1093円で、一株利益が70円ですから、1093+70*10=1793円が妥当株価と考えるわけです。

ところが…現状の市場評価は、この理論株価を大きく下回っています。つまり金融経済価値を清貧思想で歪めているのです。流動性の罠から抜け出せないように…雁字搦めに日本経済を痛めつけてきたので、日本は長い「失われた時代」から、抜け出せないのですね。ようやく、安倍政権になり海外M&Aなどが盛んになり、更には海外の大規模プロジェクト参入など…今は、リスクを取るように変化し始めて来たところですね。「流動性の罠」からの出口は近づいています。まもなく長年、沈んでいた設備投資も起こるのでしょう。この意味は、自己資金により更新需要ではなく、借り入れにより積極的な投資が行われるかどうか…なのですね。ROEを高めるためには、売上高利益率の高い企業は、本来は、外部資本(借り入れ)を導入し、効率経営する事を求められます。

だって…道理ですね。売上利益率が40%の企業なら、今は借り入れ負担が歴史的な低水準で、2%程度で融資を受けられます。企業規模をどんどん拡大させれば、その利鞘を抜く事が出来ますね。ただし…シャープのように、政情を読み違え、借り入れによる投資を過大に増やすと、大変な目に遭います。日本は長年、最低限の更新需要しか、設備投資をしていませんから、IoTを導入する最新設備の導入により、一気にアジアの新興需要を取り込むことが出来ます。

最初は、カタルも移民政策に賛成派でしたが…今は反対ですね。むしろ少子高齢化が武器になりIoTを活用したロボット大国に成りえると思っています。ここで問題になるのが日本人の心の問題です。安全安心を過剰に重視する日本人の潔癖性の問題ですね。リスクは、いかなる状態でも、必ずあるのです。そのリスクを覚悟して、チャレンジをしないとなりません。

ぺヤング焼きそばの異物混入事件や、マクドナルドへの過剰反応を見ると…、いい加減に、この行き過ぎたメディア報道に対し、吐き気がします。メディアの存在は、「悪」と言っても良いほどです。それと同時に…日本人のイワシ民族としての考えない国民性ですね。まだ日本人は…自立していないと考えています。株価推移を見るとその事が良く分かります。東電の仕手化など…どうかしています。

此処まで…原稿を書き、論旨が外れていることに気付きました。ゴメンね。金融経済を擁護しろとは言いませんが、金融の力を上手に生かせばいいのですね。少し株価が騰がるとバブルだと騒ぐメディアは、どうかしています。確かに、一部の株価は整合性があるとは思えません。ファストリ(ユニクロ)の株価も、高過ぎると思いますね。これは日銀やパッシブ投信などが浮動株を吸い上げた為に、ボラティリティーが高くなっているのですね。昨今の株価推移をみると…なかなか歪みが修正されません。双日などの割安株の水準訂正が起り、ようやく是正されつつありますが、未だに、多くのPBR1倍割れ銘柄が存在しますね。海運株や商社株など…。さらに時代性を考えれば…オリックスは評価不足ですね。必ず2倍以上になります。コンセッションは、日本を救うのですね。日本の歪みを是正するのです。

SP500の長期推移
image-717

SP500の長期推移

カタルは覇権の移行期と考えていますが、過去のデータを調べてみると…、やはり直ぐにはあり得ませんね。ここに来て、気掛かりなのは…過去、覇権の移譲期には、戦争が引き金になっています。故に、南シナ海の埋め立て問題が、気になっているのかもしれません。日本では集団的自衛権の憲法解釈を巡り、与党は劣勢に立たされていますね。それに加え、なかなかナスダックの新高値更新が実現せず、S&P500の株価を見れば…明らかに調整を欲しています。株価の価格調整がないとすれば、時間調整を強いられるのは、やむ得ませんね。ようやく、金融危機の痛手を乗り越えましたが、未だに金融界は安定していませんね。世界各国の中央銀行の流動性を、補うほど民間企業は成長してないのです。HSBCの動きは、明らかに新基準への対応に、四苦八苦している様子を示しています。とても、とても…中央銀行の任を、引き受けられる状態ではないですね。

何度も、述べていますが、FRBが金利引き上げを急ぐと、大変な現象が起こるかもしれません。1937年問題の再来です。この辺りが、未だに市場では消化難なのでしょう。おそらくバブルの崩壊を最初に味わって、先駆した日本株は、世界の見本になっている筈です。ようやく、りそなは正常化になります。あおぞらは兎も角、新生はどうなのでしょう。ここに来てようやく政策転換が実現し、名目重視の資産重視型に、経済は舵を切ったので、あっという間に、収益が膨らみますね。通常の業務利益の他に、資産効果が生まれるのです。

やはり清貧思想重視のオバマが、大統領職を続けるうちは、気が抜けません。HSBCの脅しが効いたのか…どうか分かりませんが、イギリスも銀行税を撤回する方向性のような報道ですね。この辺りの行方が、市場に影響を及ぼすと考えています。良いですか…決して、目先、表面化している現象であるギリシャ問題などに、根本がある訳じゃないのですね。問題の本質は、金融界への「さじ加減」の問題なのです。水面下で動くバーゼルなどへの反応に、注意は怠れません。あの規制は結局、民間に移行を促すものなのでしょう。

やはり此処の壁を超えないと、新しい時代であるスマートコミュニティーの進展が、躍進しないのかな…? 過去、スペインの無敵艦隊をイギリスが破り、産業革命起ったように…覇権の移行期には、一気に時代が進むのでしょうね。

今日のレポートは、纏まりがないかも知れません。カタル自身も、なかなか消化できないのですね。だから本日のレポートは試行錯誤の産物です。皆さんも独自に考えてくださいね。下のグラフは日経平均株価の推移と個別株のサイコロジカルの平均値と個別株の陽線率(寄り付きと引け値の差)の平均値の推移をグラフ化してあります。

日経平均のサイコロジカルラインの平均値と株価
image-718

日経平均のサイコロジカルラインの平均値と株価

 

日経平均株価の陽線率と株価推移
image-719

日経平均株価の陽線率と株価推移



amazon.co.jp 全品に拡大 無料配送キャンペーン実施中!詳細はこちらをクリック。

関連記事

  1. 2019.10.12

    記事を追う
  2. 2021.01.16

    時間の読み
  3. 2022.09.10

    底値確認
2024年4月
« 3月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  
株式投資関連の本