かたる:目立たないが…日経新聞の23面に、昨年の首都圏での中古マンションを買った人は、年収の6.69倍だったという記事が載っていました。6.7倍と言う数字を観て、カタルは思わず、そもそもの地価を大きく下げる悪政を実施した宮澤喜一などの歴代の政策担当者の弁を連想しました。バブル崩壊の切っ掛けと言うか、この背景は、高騰する地価を抑制するために、年収の5倍で誰もが持ち家を買えるようにするためだったのです。これが大義名分です。その為に、彼は年収を上げる政策ではなく、地価を下げる政策を実施し、税制や融資などに規制を掛けました。これだけではありませんが、このような政策が、奈落の底に叩き落とした「失われた時代」の発端です。
しかし…中国を観てください。バブルだ、バブルだ!と、日本を中心に、世界は喚き散らしますが…地価は高騰し続けています。米国民主党の党大会が開かれ、クリントン氏はサンダース氏の主張である最低賃金の引き上げに応じたと言います。この額が…なんと15ドルです。先日、厚生労働省の諮問機関である中央最低賃金審議会は24円上げて798円から822円にすることを決めました。この価格差が「失われた時代」の現実です。世界は名目成長路線を歩み、日本は実質重視の政策に舵を切っていたのです。
安倍政権になり…ようやく、この間違いに気づき政策の転換を始めました。小泉・竹中改革の評価は難しいのです。一面では正解だったかもしれませんが、ずいぶん、傷跡を残しシコリを残しましたね。今回の東京都知事選も小池百合子氏が戦っていますが、基本的に自民党も村論理の人間が、未だに大勢います。時代を理解していませんね。
実は世界中でそうなのです。故に共和党ではトランプ氏が生まれ、民主党ではサンダース氏が善戦しました。アメリカンドリームの崩壊です。今回の大統領候補のトランプ氏は70歳でクリントン氏は67歳だと言います。これじゃ、スマートコミュニティーを、理解できるかどうか…疑わしいのですね。カタルは今年61歳になりました。ビルゲイツなどのネット第一世代で…同学年です。つまり最低限の時代の流れを理解できる人は、50歳代が上限なのでしょう。
先ほどの小泉・竹中改革ですが、強引に不良債権処理を実施しました。故にシコリを作ったのです。この弊害が金融庁の遅い方針転換です。つい最近まで金融庁は不良債権に目を向け続け、融資に厳格な態度で臨んでいました。証券界と同じで、現場には融資を実際に査定できる人間が居ないのです。株屋も同じですね。証券マンに株式相場を語らせれば分かりますが…誰も株を知らないのです。何故、株価が上がるか? どうして、そう言う基準なのか? 誰も理解していません。つまり市場原理を理解しており、実際に仕事ができる人間が、現場に居なくなったのです。この失われた時間の空白を埋めるのは容易ではありませんね。
きっと造船なども、同じなのでしょう。重工は客船建設に於いて巨額の赤字を計上し、グループ企業の郵船が発注する、客船の見積もりさえ出せないと言います。失敗のトラウマですね。現場を知る人間が、どこも居なくなり技術の伝承が出来ていません。
果たして…これだけの期間、地価を下げ続けたのに…、誰も、当初の目標であった年収の5倍で購入出来ていない現実を考えると…当初の目標が正しかったのか? 既に失政は、誰の目にも明らかです。
人間は、明日の希望に向かって生きるのです。故に「アメリカンドリーム」の精神を根付かせることが必要で、希望を奪っては、駄目なのですね。名目の世界に戻すために…なんでもすれば良いのです。早い話、先ほどの最低賃金などを、毎年10%ずつアップし、倒産する企業は、淘汰し続ければいいのです。
先日、話しましたね。ARM社の実力とトヨタの売上高利益率の違いを…。トヨタなどの利益率の低い産業は、基本的に淘汰されればいいのです。売上高利益率が10%にも満たない会社は、スマートコミュニティー時代の先進国には必要ないのです。新興国などに譲るべきでしょう。自走車開発はソフト部分に特化すべきです。ARM社を観れば分かります。何も、スマフォを生産している訳ではありません。半導体開発だって…そうですね。ファブレスやEMSと言う生産革命について行けず、結局、パイオニアの指名解雇が転機だったのです。1992年ですよ。未だに…終身雇用や年功序列の生き方を追い求めるのは、どこか間違っている様に感じます。
働き方改革とは…何か? 豊かな時間を求める時代になったのでしょう。能力のある人間は僅かな時間で、他人より効率的な仕事をします。それをノルマが達成できない人間の為に、無駄な時間をつき合わされたサラリーマン生活を思うと…調和と言う村論理も行き過ぎだったのでしょう。証券マンの営業会議は、誰が売れなかった奴の分を被るか?と言う割振りです。いつも…そうでした。仕方なく早めに終わった奴が、出来なかった奴の分を消化するのです。カタルがサラリーマンを辞めたのは、そんな理由もありました。ボーナス査定など大差はないのです。
でも歩合セールスになると、早い話、一度、会社に顔を出せば…それでいいのです。能力のある奴は、人の2倍も3倍も簡単に仕事を成し遂げられます。月に1000万円以上の手数料を上げる奴がいれば、いつも100~200万で生活がギリギリの奴も居ます。おそらく、どの業種も同じでしょう。カタルはエクセルのマクロまで利用できませんが、もし能力があるなら、カタルがやっている手作業の時間短縮を直ぐに思いつくでしょう。これだけで10倍以上も時間が短縮できるのでしょう。同じことが世界中で起っています。スマートコミュニティーの時代は、能力のある奴が世に出る機会ですね。
クラウドワークスが、何故、魅力的に見えるか? それは誰もが、簡単にクラウド上で「一流域の仕事」ができるようになる場を、提供しているからですね。もしペッパー君のソフト開発をやろうとすれば…これまではソフトバンクロボテックスト言う会社に就職して仕事をしなくてはなりませんでした。でも今は、わざわざ就職をしなくても、誰もが…世界中の一流域の仕事が、できる時代なのです。
米国のクラウドフラワーとの提携は、そういう事ですね。逆のケースもあります。クラウドワークスが進化すれば…大量のバグ探しなどの手作業を、インドなど安い賃金で優秀な人間が居る所に発注できます。何も日本人を使わなくても…英語で意思疎通ができ、簡単に仕事が効率的に出来ます。打ち合わせは、スカイプなど利用し、ネット上ですればいいのです。これがスマートコミュニティー時代の「仕事のやり方」と言う気がしてきます。
何も…ゴミゴミした東京に住んでいなくても、自然豊かな田舎に住みのんびりと畑仕事をしながら…夜に仕事を2時間程度すれば、暮らせるだけのお金は手に入る時代です。そのプラットホームが「クラウドワークス」と言う場です。
プラットホーム? 何処かで聴いた言葉です。そうです。アップルやグーグルが無料OSを提供し、利用者の上前を撥ねるビジネスモデルですね。まぁ、アップルは自前でスマフォを生産していますが…。働き方改革の先頭を走っているクラウドワークスの未来を考えると…ワクワクしませんか?全ての労働の賃金の1%だけ、抜いても凄い金額です。つまり売上高利益率は100%近くに膨らみますね。これこそ次世代の産業です。
今はたぶん、指標が追い付いてなく混乱しているのでしょう。だから後手、後手の政策実行になるのでしょう。スマートコミュニティーに移行し、消費の形態も大きく変化しています。百貨店の売り上げ、スーパーの売り上げは年々落ち、消費が暗く見えますが…果たして本当なのか? 米国でアマゾンが決算を発表し、なんと売り上げが31%も伸びたと言います。実売のウォルマートとの差は、広がるばかりです。この現実を実感しなくてはなりません。スマートコミュニティーを早く理解しないと、相場でも負けるし…日本は世界の後塵を拝したままになります。
何故、コンセッションを利用し、キャッシュレス社会を構築しないのでしょう。更にリニアよりお金は掛からないし、乗数効果が飛躍的に大きな…準天頂型衛星の配備を優先しないのか? 政策官僚は馬鹿ぞろいですね。さて黒田さんは、理解しているでしょうか? 市場原理を、どう考えているのか? まぁ、何れ追い込まれますが…後になれば、なるほど…ガラガラポンのリスクは、高まります。既に財政ファイナンスなのですから…。
IoTのユビキタスは、元気がありませんが…もともと、何故か、19日にストップ高したので、その後遺症みたいなものでしょう。カタルは心配していません。時代の流れが、俄然…追い風なのです。これで企業業績が落ちる筈がありません。
果たして…どうなるのでしょうね。黒田さんの選択は…簡単なんですが…彼の場合、もっと正直になった方が、良いですね。だって時代の変わり目なので…誰も分からないのです。市場が政策の体温計ですからね。常に市場と対話をしながら、政策に臨まねばなりません。その事を理解しているかどうか。それでは…また明日。東京は梅雨明けとか…。株式市場も梅雨が明けると良いですね。