アーカイブ:2016年12月23日

失敗の検証1(カイオム)

今年も残すところ、あと僅かになり…この3連休は「失敗の研究」でも、してみるかな? 残念ながら…今年も大きな成果を残せずに、1年間が終了しました。損をしている訳ではありませんが…成功の文字からは、ほど遠い…結果です。何故、このような結果になったのでしょう。

検証する口座は、短期売買目的で…今年200万円を投じた実験の検証です。税金の払いが…一時は80万円ほどなっていますから、きっと400万ぐらいの利益が、最高時は在ったのでしょう。でも…現時点での利益は140万ほどに減っており、含み利益は20万ほどになっています。まったく…プロを自負するほどの結果ではありません。春までは、全体相場が悪いのに…マズマズだったように記憶しています。

失敗の原因は、「逆業績相場」から「金融相場」への移行の場面に、上手く対処できなかったのでしょう。今年前半は全般相場が大きく沈んでいましたが、意外にも小型株は活躍していました。

フュートレックの日足推移

フュートレックの日足推移

 

小型株のフュートレックの売買では287万円の利益を叩き台しています。2月10日の575円500株買いが、最も低い買い値でした。3月31日の1100円での200株売りが、最も高い売りでした。この話だけ聞けば…非常に上手く行ったケースのように聞こえます。575円が、1100円ですから1.91倍ですからね。

でも…その後6月24日に590円の価格でフィートレックを、投げているのです。この投げはチャート面で見ると…ほぼ安値です。まったく下手糞です。最初の時点で200万円あるのですから、目一杯、買えば…1万株は最初に買えたのです。そうして1000円台で売れば…400万円以上は軽く儲かっていますね。でも結果は、成功したと言っても287万の利益に過ぎません。前半相場の儲け頭の立役者でさえ、この有様です。

カイオムの日足推移

カイオムの日足推移

 

一方、失敗組の前半の代表格、「カイオム」を観てみましょう。この銘柄では合計137万円の損失を被っています。3月23日の760円400株買いが一番、安い買値のようです。その後4月19日に1030円で売っているのが、一番、高い売値です。しかし…そこがピークで…一気に急落しています。賞味期間が僅かの期間ですから…明らかに、銘柄選びの失敗でしょう。

3月24日の原稿に、カイオムを手掛けた理由が掲載されています。この頃、オプション・ライセンス契約の意味をよく理解してなかった可能性が高いですね。おそらく…実験に成功したら110億円を払うとの契約なのでしょう。でもオプションと言うからには、いくらかの権利金が入る筈ですが…この事は、このニュースリリースには載っていませんね。

何故、間違ったのでしょう。もともと…材料が希薄だったのは認識していましたが、動きが強かったので、博打感覚で行った銘柄です。ただ…この3月下旬から4月に掛けては全体相場も上がっており、「流れ」が、大きく変化した「潮目」だったのでしょう。カタルは、この時期に、三菱UFJなどの売買も行い…利益を計上しています。

日経平均株価の日足推移

日経平均株価の日足推移

 

小野薬品の日足推移

小野薬品の日足推移

 

同時に…逆業績相場のスター株である小野薬品も、この時期に高値を付けています。この辺りの日経平均株価の推移と、小野薬品の株価推移もチャートを掲載しておきますね。この時期に、ケネディクスも買っている所を観ると…、金融相場も視野に入っていたのでしょう。カタルには、珍しく大型のトヨタ株を買って利益を上げています。カイオムと並行して手掛けたメディカルスシステムネットワーク(30万)や新日本科学(3万)でも損失を受けています。

WTI原油価格の推移

WTI原油価格の推移

つまり、この前半の失敗は、基本的に大きな相場観の季節変化が起こっていたのでしょう。逆業績相場から、金融相場なのでしょうね。この時期に「金融規制克服論」が、急浮上したのでしょう。ことし2月11日に安値を付けたWTI原油価格は26.21ドルでしたが…3月22日41.45ドルを付け、その後4月4日に35.70ドルから4月28日には46.03ドルへ更に6月8日は51.23ドル達成となっており…、完全に「ダリオ時間」が消えたことを示しています。

三菱UFJの日足推移

三菱UFJの日足推移

つまり今年の春に…「逆業績相場から金融相場へ」と、株式相場の季節感は変化していたわけです。それにも拘らず三菱UFJの株価を観ると分かりますが…7月8日に426円の最安値を付けています。この春から半年が、逆業績相場から金融相場への移行期だったのでしょう。でも7月の初めに、三菱UFJ株は底入れこそしますが…なかなか綺麗に立ち上がりませんでした。この7月の安値から、トランプ政権誕生まで…実に3か月間も下値揉み合いを強いられています。

実は、この夏相場に、カタルは…今年2度目の手痛い失敗を犯しています。その様子は…また明日、検証しましょう。本日は「カイオムの失敗」の検証ですが、やはり一番大きな事は、相場の季節感が、背景で変わっていたのに…カタルに、その認識が希薄だったために…損失を抱えながら、玉を引っ張り過ぎた為に損失が拡大したのです。やはり仕掛けて綺麗に立ち上がらないと言う事は、何か、自分の考えと違う現実が、背景に流れていたと言う事なのでしょうね。

ところが…人間と言うのは、自己本位の動物で…常に自分は正しく、周りが間違っている…と、自己責任を他人に転嫁しますからね。カタルは、自分自身のシナリオを重視、その論理を過信する帰来があります。いつも…そうですね。こうあるべき…と考える姿が、正しい道と思い込みます。でも現実の政策の選択は、間違った選択の連続ですからね。この失われた時代下は…基本的に、政策誘導が間違っているから、日本はドンドン劣化している訳です。

ところが暢気な父さんで…、多くの日本人は、その現実を、直視していません。メディアは、その事例の一つです。此方の記事を読んで頂き…、カタルが、何故、「株式市場 日本を考える」と言うブログを、20年近くも続けているか? 共に考えて頂けると…カタルのこの小さな努力も報われます。政治は…大切なのです。人事は…大切なのですね。全体の方向性が、間違っているから…何年も、何年も「失われた時代」を続けているのです。

早く…早く、このミスに気付き、方向転換の推進を望む次第です。それでは、明日も、カタルの失敗を通じて…の検証作業を、更に続けます。



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