アーカイブ:2020年8月15日

景気循環と株価

世間では…株価と実体経済の「遊離」現象を、盛んに強調して…「株は割高だ!」と主張しています。

しかしMAGA相場に代表されるように…、又は「テスラ」のように説明できない株価が実現しています。この現象はコロナ禍で進む「空前絶後」の金融・財政政策が大きく影響しているとカタルは思っています。

リーマンショックの時は「悪者」である金融界を、国民の税金で救うとは、何事か?…と言う批判があり、必要でも…なかなか理解がされずに、支援が進みませんでした。でも今回は不可抗力の疫病です。その為に国民の税金である投与は、多くの国民の理解を得られます。一般的には10万円ものお金を国民に配りません。だって未来の税金です。

米国も1200ドルを国民に配り…通常の失業給付金に週600ドルものお金が上乗せされ…ばら撒いています。今は、この600ドルの上乗せを巡り…共和党と民主党が争っており、民主党は、この高額な600ドルの給付を、来年1月まで続けろと言い、共和党は400ドル案を提示しているようです。これじゃ…働かない方が、働くより高額なお金を得られる仕組みですから、誰も、仕事を真剣に探しません。

この事が示すように…「空前絶後」の支援なのです。

日銀短観より「業況判断指数の推移}

だから実体経済との遊離が、際立って見えます。ここで…前回まで用いていた景気循環のグラフは期間が短いので…今回は景気循環の様子が長く分かる「日銀短観」の業況判断指数を参考にします。皆さんは、カタル同様に…高齢な方が多いでしょうから、グラフが観にくい方は、此方のサイトでPDFの元のデータが手に入りますから、大きなグラフで見て下さい。

今、話したように強制的に経済活動が止められ…リーマンショックを上回る落ち込みと言われていますが…あの時より、ずっと手厚く、しかもスピーディーに「金融・財政」政策が実施されています。だから株価は、まもなく新高値圏になるのでしょう。過去の景気後退局面で一番長いのは、バブル崩壊(32か月)と公共投資景気から第二次オイルショックの局面(36か月)です。カタルが新入社員であった1980年頃の話です。内閣府発表の景気循環表は此方…

しかし今回はリーマンショックより早い回復が期待されます。それは迅速な金融・財政政策の為です。先日述べた…景気循環の話の景気の山は2008年の2月です。でも実際のリーマンショックは2008年の9月に発生しています。およそタイムラグが7か月です。あの時はサブプラムローンに特化した金融会社(ニューセンチュリー)が2007年4月に破たんしました。そうして翌年2008年2月に景気の山を付けます。その後、サブプライムローンに端を発したCDS( Credit default swap=債務不履行の時に保証する金融商品) の存在が明らかになり、2008年9月にリーマンの破たんで爆発します。

事前の様々な兆候を受け、直ぐに方向展開をすれば…大事に至らなかったのでしょう。その前任のグリーンスパンは2005年に不動産担保ローン(MBS)の肥大化を懸念していたので、政策を軌道修正する時間は、あったにもかかわらず…リーマンショックの「CDSの肥大化」が、防げませんでした。

「影の銀行システム」の不良債権の積み上げです。リーマンショックは、この時期に発生して…2008年9月に爆発(表面化)しています。

景気循環の話も、なかなか…興味深いでしょう。自分で調べてみると良いですね。この話をすると「無理の涙」の永山則夫(死刑囚)のようですが、カタルは、あの時期、稼いでいたにもかかわらず…今のように勉強をしてないのです。だからベンチャリに引っ掛かったとも言えます。「無知の涙」の内容は覚えていませんが、このタイトルは強烈に心に残っています。

僕らは株式投資をするうえで…やはり過去の歴史を知り、同じ失敗をしないように「心掛け」ないとなりません。

この景気の山と認定された2008年2月から2008年9月の間に、色んなことがありました。約7カ月です。カタルは当時、CDSの話しを知らず、影の銀行システムも話題になっていませんでした。だから…サブプライムローン程度なら、担保の不動産があるから、大事にはならないと考えていました。何しろ、日経新聞にはCDSなんか…の文字が出て来ません。所詮、後追い新聞なのです。

カタルは、今回のコロナ禍での相場上昇を考えると…このリーマンショックの景気後退期より、短い期間で…既に景気は底を付けて「立ち上がっている」と考えています。

コロナの発見は、昨年の12月頃かな? そうして2月下旬に市場は影響を受けており、3月には底値を入れたようです。しかし内閣府の景気循環の山は2018年10月ですが、もう既に景気の谷は付けて、景気循環は上昇を開始しているのでしょう。

2019年5月が、景気の山から7か月目ですが、今回は疫病なので、特殊ですが…2020年4月~5月には、谷を通過している可能性が高いのです。

今、発表されている4―6月期の業績数字は、「赤字」が並んでします。特に…自動車関連などは…代表的な事例でしょう。カタルは事前に、名村造船から自動車関連の株を「買っては、投げて」…「買っては、投げて」を繰り返していました。

今日の市況では、「キャノン」(7751)の話をしたように…、本来、この手の企業になると、何人ものアナリストが事前にウォッチしており…大幅な業績悪化観測は浸透するものです。しかし…僕らが、手にする会社四季報の数字は一株利益90円の黒字予想になっています。

おかしいでしょう。今期予想は40円の引き下げになっていますが、此処まで株価が下がる内容かどうか…。だって内部留保は3兆4663億円です。時価総額(1901円で計算)は2兆5347億円ですよ。

いくら一眼レフなどが不振のコロナ禍でも、オフィス需要が減りリモートになっても…市場評価は間違っているように感じます。だから、あの日、寄り値は1900円でしたが、下がり続ける株価は「おかしい」と言い…カタルは実際に100株だけですが、1800円でキャノンを買い、この決算悪で、株を買って儲けています。

同時に…あの日は、日産自動車の「赤字報道」で株価は372円でした。その後361円まで下げましたが…やはり日産自動車も、あの時が買い場で…昨日は416円です。

カタルはユニプレスでも、述べています。そうして実際に777円で株を買い、およそ100円上で既に利食いをしています。景気循環と株価の関係、この時期の「企業業績の発表」は無視をして良いとレポートで述べています。

何故なら…事前に株価が「決算悪」を知って、動いているからです。

ここで…カタルが最近、力を入れて実際に買っているユビキタスが、昨日、決算を発表して…予想通りの赤字でした。

でもこの株は、既に底値を離脱しており、株価は「2段上げ」の途上にあります。他の株に先行して…立ち上がって来ていますから、カタルが注目している訳です。

5G時代を迎え、IoTに特化するユビキタスの未来図が勝つか? それとも…現実悪の実態が勝るか? 興味深い、来週の相場展開です。

カタルは、いつも読者には「主体と客観」の話しをしています。自分の考え方が正しい訳ではなく、市場が正しい…だから自分の考え方を、修正しなくてはならないと述べています。

しかし現実は、テスラとトヨタを比較して、テスラの株価はおかしい…と識者は批判をします。確かに…そうかもしれません。一時的な現象かも知れないし…逆に、時間経過で実際にテスラがトヨタを抜くかもしれません。

実際に、テスラの上海のモデル3の量産工場は好調です。この4―6月期の販売台数は3万100台の販売です。前年同期比で約3倍だそうです。此方です。

それでも識者は、テスラの株価は髙過ぎると言うでしょう。

ここで「時間軸」の話をしましょう。カタルは証券マンを長くしていましたから、様々な顧客が居ることを承知しています。なかには博打と勘違いをして、本日、株を買って、明日は売る…目先投資を主体にする投資家も居ます。逆に現物で、少しずつ安い時に株を買い、みんながワイワイ言いだすと、売る資産家もします。色んなケースを観てきました。

そうしてカタルは、実際に今回は、介護の「ツクイ」を推奨銘柄に掲げ…このような株の方が買う時間が長く存在して…沢山の株を買えるから、「意外に儲かる」ものだと述べています。「主体と客観」評価の話です。

でも目先筋の人は、こんな株より「ロコンド」のような株を求めます。でも急騰に次ぐ、急騰相場のロコンドだと、なかなか追加で買うチャンスに恵まれません。

逆にカタルのように…自動車関連株を投げるたび、相落としで利益を計上しますから…ロコンド株の手持ち株は減っています。最大持株数は25500株だったかな? でも既にそこから…大きく減っています。この高値圏で1000株を買い乗せしましたが、それでも1万株に届いていません。

でも適度な押し目を付けて、上昇を続けるユビキタスの持ち株は、過去最高水準になっています。915円の高値も買っていますが…先日は下値の745円まで買いました。金曜日は840円を買い、直ぐに850円で売り、大引けの843円でも、僅かですが…買い直しています。決算悪は「承知の助」の話です。

案の定…実際の数字が此方です。でも何故か通期予測は、変えていませんが…2Qの時に見通しを変えるとのニュアンスでした。実際の数字は、売り上げが314百万円で37.9%減…営業損失が158百万円ですが…法人税等で179百万円の赤字に膨らみ、一株あたり17.1円の赤字です。これが1Qの世界です。やはり車載関連の売り上げは、結構、多いのです。

何故、通期観測を変えてないかと言うと…こう説明されています。「 当社グループにおける第1四半期の業績が、通期業績に占める 割合も考慮し、現時点における業績予想の修正は行わない」なっています。

でも同時にカタルは、今回の決算は、様々な事を知りました。何しろ、カタルのユビキタス知識は古いものが多いですからね。創業時から任天堂の時代など…です。

ここでは狙いのように…今後の取り組みが書かれており「Edge Trust」を中心としたIoTセキュリティ分野での事業展開に注力して、組込みからクラウドまで、セキュアなIoTサービス を実現するために必要な幅広い分野のパートナーとの連携を強化 していることが述べられ…車載、産業、IoT分野を中心としたセキュリティ関連製品の拡販活動に注力すると言います。

そうして自動車関連のツール取扱強化として、エー・アンド・デイ社と業務提携、車載シ ステムソフトウェア開発用 シミュレーターを共同開発開始、2021年4月発売を 目指すと言うくだりがあります。「CASE」領域での技術革新への対応が盛り込まれていました。「Edge Trust」がどんな進化を遂げるのか? アマゾンのAWSは成長分野なのです。

まぁ、門外漢のカタルには、どの程度の技術評価なのは…よく分かりません。でもやはり5G時代を迎え、IoTに特化するユビキタスは、カタルのお気に入りなのでしょう。

「株は上がって良し、下がって良し、どちらでも良し」と言う投資姿勢が、大切なのでしょう。これでユビキタスの決算に絡む話はお終いです。

でも…ケネディクスは意外だったなぁ~と思うのです。株価は安く引けていました。投資家は、本当に株を知っているのでしょうか? やはりサッパリポンです。

あの日はユニプレスも、買い値の777円より安く引け、カタルが実際に買った後に756円を付けて772円で引けていたのです。

でもカタルレポートが、一日、経って市場から理解されたのかどうか…。分かりませんが、翌日は買い気配のスタートでした。その後、株価は925円まで付けて、金曜日は890円の安値引けですが、買い値の777円より100円以上、上の株価でした。

ようやく…「買っては投げ」の繰り返しの連鎖が止まり、今度は、買っては利食いを繰り返しています。会員レポートのS君も、既に100円以上の上昇です。際どい所で反転をして、下値のボックス相場を形成できるかどうか…。この1200円処から1700円の500円幅の「ボックス圏相場」です。

基本的に…景気循環から見て、既に谷を付けて新しい景気循環に突入しているのでしょう。何故、カタルはレポートで「景気循環」の話を中心にして、実態と遊離する株を「題材」にしているか? ここで有名な諺を最後に紹介して、本日のレポートを終わります。

カタルが最も好きな市場の諺です。「強気相場は悲観の中で生まれ…懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟をして、幸福感と共に消えて行く」と言うものがあります。今は既に悲観の中で生まれ(今年3月)を経過しており、懐疑の中で…育つ段階なのでしょう。この諺は誰が述べたのか分かりませんが、名言です。それでは…また明日。



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