新たな展開の模索

G20では事前予測のように何も出ずに…、ありきたりの声明文で終わったようです。良く使われる「G20として、経済と金融の動向を注意深く監視していくことで合意した」との文章は、結局、何もしないと言う事です。ただ、これを切っ掛けに元安誘導や円高誘導などを…仕掛けるのには、無理があるように感じています。既にジャブの応酬は終わり…この後の進展を期待するところに、市場の焦点は移っています。

スーパーチューズデーを控え、サウスカロライナ州での選挙で、クリント氏がサンダース氏を大差で破ったことは市場に安心感を与える所です。ただトランプ氏も、クリント氏もTPP交渉に後ろ向きですからね。この3月で…おそらく共和党はトランプ氏に…民主党はクリントン氏が選ばれると思われますが…、日本にとって、どちらが良いのか? トランプ氏の発言は、今の所は日本にとってマイナス要因のようです。ただ彼は不動産王で金融界とも密接ですからね。意外に大統領になれば、クリントンより良いのかも知れません。

常識的には…皆さんが懸念するリーマンショックの再来はあり得ません。何故なら、既に金融規制で縛っている為に、金融システムは盤石です。ドイツは財政的にユトリがあり、仮にドイツ銀行が、おかしくなっても大丈夫でしょう。米銀は既に準備が出来ているから利上げに踏み切ったのですね。2013年5月バーナンキ議長がテーパリング発言をして2年半も掛けて、準備をしてきたのです。だから一部で噂されている金融システム不安は、地震の余震のようなものです。イタリアの債務問題も同じ線上に位置しています。

ただ不良債権が、なかなか減らないのは事実です。日本は最後、法的権限の拡大解釈により整理を強行しました。UFJ潰しですね。池井戸潤の「半沢直樹の世界」です。あれは、ある意味で実話です。理不尽な思いをして泣いている人は大勢います。ただ欧州は此処まで踏み込んでいません。周回遅れなのです。何度も述べていますが、日本が先頭で、米国も終わり、あとは欧州です。今、中国の懸念が生まれつつあります。ただ中国は、日本のような馬鹿政策を採用していません。なかなかですよ。

市場経済の成り立ちを見ると…必ず仕掛ける前に下値を確かめます。奈落の底に追い落としてから、仕掛けが開始されます。問題はスマートコミュニティーの進展度なのです。産業革命を大きく超える価値観の変化、人類のステップアップが始まっていますが、その進展度合いが、どの程度のスピードなのか…と言う問題ですね。

例えば、消費動向と言う基準がありますが、多くはネットショッピングなどの数字は加えられていません。だから旧来型の統計資料に基づいて政策運営がされており、このギャップが存在します。カタルはソフトバンクの株価推移が、ひょっとすれば…指標になるかも知れないとも考えています。ソフトバンクは、スプリントと総務省論理の板挟み下にありますがニケシュ・アローラ氏は、インドの出身であり大学生活をインドで送っています。

何故、インドを気にするかと言えば…、中国に次ぐ大成長期を、これからインドが迎えるのですね。しかも人口は中国と肩を並べます。米国のスプリントを押さえ、日本と米国にもロボット市場の基盤を持ち、成長著しいインドへも、足がかりを持っているソフトバンクは、この壁を乗り越えると…また飛躍期を迎えますね。株と言うのは、未来の夢を買いますから…、理想買いが、何処かで起ることは間違いありません。問題はスマートコミュニティーへの変化度合いなのです。これが読めれば…今頃は億万長者なのです。ケネディクスを見れば分かります。方向性は正しいが、進化のスピードは、経営者の意向や市場の動向などに影響を受けます。

そもそも、大相場と言うのは、すべての条件が一致すれば成り立つのですが…なかなか、折角、素質を持っていても途中の道のりが…理想通りに運ぶかとは限りません。ケネディクスを、多くの読者はその推移を見ているから、失敗の過程が分かると思います。日銀の政策の選択でも変化しますね。もしQE2の時に、更なる量的拡大ではなく…、当座預金に資金が溜まる前に、せめて付利金利の撤廃をしているだけでも…今日の日本の姿は違った形だったかもしれません。まぁ、結果は分かりませんが…。大切なことは市場を見ながら、政策を敢行する事です。このマイナス金利導入の効果は、おそらく、秋ごろには表面化すると思っています。

しかし…銀行はベアの実施を見送り、春闘は空振りですから、消費税の引き上げは微妙になっています。最も恐いのはGPIFのマイナス面が表面化する5月、選挙前にアベノミクス失敗論が湧き出て…自民党が選挙で負ける事が、もっとも心配です。今回のマイナス金利適用効果は秋にならないと分かりません。

リート指数でも良いですが…株価は先行性がありますから、非常に注目されます。ケネディクスも…然りです。だって地銀の預貸率は非常に低く…貸出先が存在するのは東京圏だけなのですね。西武信金などはある意味で恵まれています。地銀がやれることは…統合を加速させ、経費を削り未来の準備を加速させることですね。国債は順次、償還を迎えますから、その資金をリートや外債投資に向けないとなりません。アジア圏に取引先企業が進出していれば…それを飛び石にして、需要のある海外進出も考えられますが…。多くの地銀は有力な取引先を抱えているとは限りません。だから淘汰の嵐になります。フィンティック革命を控え、当然の成り行きなのでしょう。

未だに…村論理の地銀などが多く存在するから、延命の為の国債運用になり、マイナス状態でも取引が成り立つのですね。この理屈は0.1%を取られるより、0.075%と損失を軽くしようと言うものです。今回のマイナス金利適用は、整理統合を加速させるもので、地銀の売りで都銀は買いですね。それなのに…おかしな理屈で…配当利回りまで株を売っています。定期預金をするなら、邦銀株を買っておけば間違いありません。ただ時間の推移は…分かりません。でも必ず三菱UFJは4ケタ以上になるし、みずほも500円台は回復する筈です。そのスピードの全ては、アベノミクスとスマートコミュニティーの進展度が決めます。

WTI原油推移

                    WTI原油推移

さてカタルはリーマンショックのような劇的な混乱が、これから訪れるか?と、問われれば…まずありえないと考えています。その根拠は…例えば原油価格の動向ですね。長い期間のチャートを見れば分かりますが、既に、落ちる所まで落ちている印象です。昨日は3つの弱気レポートを掲げましたが…市場には、あのようなコメントが溢れています。市場と言うのは、皆が理解して「お化け」が出現すれば、それでお終いです。今回はドイツ銀行であり、欧州危機の再来でした。カタルは一度、上昇したかな?…と考えていましたね。

あれは…1月21日の下落で終わったと思っていたのでしたね。でもその後も2月10日に大幅に下落しました。実際の底値は12日かな? そうして15日に反発し…今は、下値を固めています。カタルは最後のドイツ銀行で追証を食らい、投げさせられました。まったく、もう…下手糞の極みです。

3月はある程度、戻るのでしょうが、どんな展開になるか…。現在は、この下げ環境で新高値を更新したフュートレック、ソフトバンク、ケネディクス、そうしてホンハイを条件にシャープですね。この辺りに注目しています。要するに、自分が納得できる投資をすればいいのです。ただ…まだ外人売りは、続いている様に感じています。でも日経新聞にあるように…、日本は「みんなで渡れば…怖くない」の口ですから、自社株買いをするのが流行のようになってきました。良い傾向です。

昨年9月に発表された財務省の法人企業統計によれば、2014年度末の利益余剰金額は1年前に比べ26兆4218億円増え、354兆3774億円もあります。だから自民党では、この余剰金に対して課税案まで出ましたね。場合によれば…時価総額を基準にして、本当に…この余剰金に、課税処置を実施しても良いのです。国は、やる気になれば…何だって出来るのです。本当は株価が安いので…ソフトバンクのように、自らが進んで自社株買いを実施するのが筋です。354兆円ですよ。株式の時価総額は…なんぼですか? おかしいですね。

日本株がガンガン売られる背景が、乏しいことが分かります。真の企業経営者が…どの程度、存在するか? これからの見所の一つでもあります。それでは…また明日。



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