カタルは「失われた時代」は「人災」だと…決めつけています。そりゃ、不可抗力による困難な課題もありましたが、基本的には村論理の弊害です。日本の社会構造は「真の実力者」が「村八分」に遭い淘汰されます。記憶に新しい所では、ライブドアの堀江さんやリクルートの江副さん達なのでしょう。確かに…度を越した面も否めませんが、社会が許容できる範囲ではないかと思います。昔から日本では「出る杭は打たれる」と言われています。
画家などの多くも、海外で認められ逆輸入の形で、日本での評価が高くなっているケースが多いですね。藤田嗣治などもそうですね。当時、実権を握っていたのは、黒田清輝らの村論理の世界でした。その為、国内の展覧会ではことごとく落選しています。パリの画廊で開催された個展での評価が高く、売れるようになりましたが、今でも国内の展覧会は審査委員の派閥からしか、入選しない現実が問題視されています。最近では、ルイヴィトンにデザインが採用された村上隆などもその口でしょう。海外での評価が…ものすごく高い作品です。
村論理は良い面がたくさんあります。しかし馬鹿が上に行く構造ですね。歴代の日銀総裁などの顔ぶれは…馬鹿ばかりが続いています。その為に国民は疲弊し…途方括れる有様で国力はドンドン低下しました。それに輪を掛けているのがメディアの存在です。日経新聞を始めNHKなども偽物役者を取りそろえ…馬鹿な論議を繰り返しています。東北大震災は確かに不幸な現実を多数生みました。しかし既に5年ですからね。一方で見捨てられる被害者も大勢います。軽井沢バス事故で公的支援が受けられますか? 地域で発生する竜巻被害などはどうでしょう? 小さな災害被害者は、此処まで手厚い支援はありませんね。自立するのが当たり前です。シリア難民と比較すればいいのです。でも誰もこのような本音を言いません。百田尚樹の「大放言」は、ある意味で、その通りだと思っています。
株式投資の面白いところは、自分の考え方を実験できることですね。必ず、株価と言う形で結果が返ってきます。カタルが証券界に入社した、新入社員の頃…売れない長期国債を売り歩きました。僅かに…ノルマが100万円でした。6.1%国債です。カタルはこの国債を、元本保証と言いながら売っていましたが…ある日、お客様が来店され、どうしてもお金がいるとの事で、市場で売却して返金すると、大きく元本が割れたのです。満期まで持てば元本は保証されますが…途中解約の場合は市場価格で売買される訳です。カタルは嘘を言い販売したことになり、この事で、ずいぶん悩みました。こんな業界は嫌だ、辞めようと真剣に考えたのです。当時は…そんな金融知識さえなく、知らずに販売していたのです。
国債金利がマイナスからプラスに転じたと言います。これを受け銀行株が騰がったと解説されていましたが…このマイナス金利のようなバブル価格を、ありがたがって買う日本の機関投資家は、みんな…馬鹿ですね。カタルのような金利上昇の経験がないからですね。世界の中央銀行がお金をばら撒けば…、何処かで急激なインフレに突入しても不思議ではありません。資源の無い日本の円は売られ、物価高になりますね。ガラガラポンのシナリオです。だからカタルはマイナス金利の適用を受け、210兆円にのぼる膨大な資金が動き出す可能性が高いと思っています。故にリートや為替ヘッジの無い外債投資が正しい投資の選択肢だと考えています。
先ほど…財務省のデータから国債金利の長期推移を集めグラフ化しました。通常、金融引き締めなどの行動は、長期金利を短期金利が上回る場面で実施されます。とくに現在のように流動性の罠にどっぷり嵌っている現状では、遅れ気味に政策を実行するのが通常の認識でしょう。それにも拘らず…2007年に、ようやく2年物国債の金利が、僅か1%台に乗った段階で、日銀の福井総裁は量的緩和を止め引き締めに転じます。不動産価格が上昇したと言う事で…バブルの反省が過ぎた事例です。まぁ、彼だけを責められませんが…新日鉄がリーマンなどの影に脅え、株式持ち合いを再開(2007年)するのです。フジテレビの経営権の問題が話題になった時期(2005年)です。
真剣に失われた時代の中で、株式投資をしていれば…デフレギャップの苦しみが理解できるわけです。ところが日本は官僚の株式取引は禁止されています。おかしな話です。インサイダーの関係なら、別の次元で法律があるので問題はない筈ですね。海外では政府高官も政治家も株式取引をするのが当たり前です。GPIFが、どっぷりと株式投資をしており…日本経済の本格的な立ち上がりがない限り…運用成績は改善されません。正しい政策を実行して行けば、必ず…株は上がります。日産自動車はベアの満額回答とか…トヨタもよく考えるべきです。日産の自社株買いは4000億円ですよ。
春闘の成果が日本経済の明日を決定づけるのです。その為に日銀はマイナス金利を導入したのですね。しかし本当は、日銀は手順を間違えています。QE2の段階で…更なる量的緩和ではなく、付利金利の撤廃をすべきだった…とカタルは考えています。今回遅れてマイナス金利の適用まで踏み切りましたが…果たして実態経済が、この政策を受け本当に正常な形で反応するかどうか…。通常、政策導入から成果までの猶予期間は半年程度の筈です。
円安方向に行くかどうか…ケネディクスの株価が、理想買いの849円を抜けるかどうか…は、見ものですね。勿論、政策が効かずに…ケネディクスが再び100円割れることも、ないとは言い切れません。全ては…政策次第なのですね。国債金利のマイナスからの上昇は原油価格の回復を受けたものでしょうが…3月のFOMCでは、利上げが有力になって来ましたね。この後の株式相場の反応も見ものです。
株式投資の原理を、正しく理解できていれば…カタルが、先日、日経平均が1000円高してもおかしくない好材料だと、大きく評価した金融庁の「赤字法人への融資容認」は、本当にビック材料なのですよ。縦割り行政の矛盾が、改善されるのです。読者の皆さんは3月7日の日経新聞を手元に取って置きましたか? 非常にインパクトのある大材料なのですが…このような報道の意味が、理解できないようでは…所詮、どんな記事も「豚に真珠」なのでしょう。おそらく海外勢の株式の売り物が減ってきたのも…この辺りを反映しているのかも知れません。株価動向に一喜一憂せずに…政策の意味を共に考えましょうね。この焦点が正しく理解できていれば…次に上がる銘柄も…当然の結果で、分かるようになります。それでは、また明日。