カタルは予てから「壮大な大相場」がスタートすると考えています。日経平均株価が10万円を大きく超える時が来ると思っているのです。少し長期的な見通しになりますが…過去の日本を振り返ってください。相場のデッサン、所謂、未来の見通しを考える上で、日本経済が置かれた立場を考えることは非常に重要なのでしょう。
カタルが証券界に入社したのは1979年4月です。第二次オイルショックの最中で就職も困難な時期だったと思います。しかし…近年の就職氷河期に比べれば「月とすっぽん」でしょう。その後、1980年代は順調な展開でした。
このチャートに掲げた「プラザ合意」(1985年10月)は日米貿易摩擦問題に絡み、日本が為替相場の訂正に合意した会談でした。当時の為替相場は1$=235円程度だったのでしょう。それが一気に大幅上昇して行きます。当時の政策担当者は中曽根首相に、竹下登大蔵大臣、そうして…澄田日銀総裁です。
如何に、すごい激変だったか…分かるでしょう。
1989年まで一貫して円高は株高になっています。つまり円高=株安ではありません。基本的に株価が上昇するのはGDP(国内総生産=付加価値)の成長力なのでしょう。
ここで今回の法人企業統計281万社の当期利益は62兆300億円ですが、バブル期は193万社で17兆9823億円でした。バブル期一社あたり928万円が、今日には一社あたり2202万円に拡大しました。
わが国の利益余剰金(内部留保)は463兆円もあるのです。バブル期の1989年は116兆円でした。約4倍に膨らんでいます。しかし従業員の給料は増えていません。横ばい圏で推移しています。1989年は115兆6164億円ですが、その後も増え続け、2006年度ですからリーマンショック前は149兆1776億円に増え続けていますが、リーマン後大きく落ち込み、その水準まで回復しておらず、133兆6646億円なのです。(同じ単位なのでグラフの軸を同じにするべきでしょうが、敢えて…従業員の給与の軸を第二軸に変えることで、イメージを分かりやすくしたつもりです。)
企業経営者が搾取している構図が分かります。この現象は就職氷河期が影響しているのです。2010年に日産のマーチの生産移転が起り、この現象が空洞化の末期現象の象徴的な事例になります。だから…米中貿易問題は、日本にとってもマイナスばかりではなく、日本への回帰現象もあるので緩和されます。
安倍さんはこの就職氷河期世代に対し…支援を試みていますが、今一つ、動きは鈍いようです。名目経済の足取りを確かにするためには、GDPの6割弱を占める個人消費を盛り上げる為に、不可欠な課題です。
だから毎年3%程度の賃上げが必要になります。ところがトヨタは、業績は好調なのに…気持ちを引き締める為、今回は管理職のボーナスをカットしました。カタルがトヨタ批判をする理由の一つです。トヨタは日本のリーディングカンパニーの一つです。故に他への波及効果が大きいのです。
トヨタは大規模な自社株買いをするわけでもなく…配当性向は33.8%です。法人企業統計によれば…42%の配当還元率なのです。こんな循環型企業は、配当性向が70%でも良いのでしょう。日本製鉄より多少は自動運転など未来があるから、罪は軽いでしょうが…やはりトヨタの章男社長は交代すべきでしょう。
今回のトウモロコシの輸入もトヨタの為の政策と言っても過言ではありません。確りしたデータを基にして政策を変化させないと日本株はなかなか上がりません。
米国株が何故、右肩上がりを続けているか?
米国民はこの30年間の間に一人あたりのGDPを大きく伸ばしました。1989年の米国の一人あたりのGDPは約22814ドルで、今年は64767ドルです。2.8倍になりました。一方、日本は24830ドルでしたが、2019年は41021ドルです。1.6倍です。購買力平価などの基準もあるのでしょうが…それにしてもこの30年間で大きく引き離されたものです。
今日は使いにくい法人企業統計の資料をダウンロードして色々調べていました。本当に使いにくいのです。 何故、当期末と前期末のデータが必要なのでしょう。しかも…前年なら数字が同じはずですが微妙に数字が違います。きっと何かあるのでしょうが…このデータは内閣府かな? お役人様に聞かないと理由が分かりませんね。カタルも滅多に見ない資料なので…分析に時間を要しました。
でも自分でデータを作り、このように考える事が、「市場の整合性」を理解する上での基礎知識になり…蓄積されます。無駄な時間に思えても…試行錯誤する事で、何かしら、頭に知識が蓄積されるのでしょう。
カタルは馬鹿ですが、3流域の人間は、馬鹿は馬鹿なりに努力をしてレポートを書いた次第です。これから…少し休み、本日は会員向けレポートをこれから書きますから、会員の方は、たぶん…本日も深夜のアップになりますから明日にでもご覧ください。
それでは…中途半端ですが、疲れましたから、本日はここで終了します。また明日。