NY株安とこれからの相場(1)

本日と明日は二部作になるかどうか…書いてみないと分かりませんが「NYの株安」の話と、今後の「相場観」を書くつもりです。

その前に…本日の日経新聞の社説「政治主導のひずみが生んだモリカケ疑惑」と言う日経新聞の社説を読んで頂けると…カタルの相場観が、より一層…理解されると思います。

ある意味で…この通りなのです。

戦後の荒廃から、日本の「奇跡の復興」を成し遂げたのは、国家主導体制の予算配分などを始めとした優秀な官僚が「粉骨砕身」で成し遂げた結果です。途中、「神風」とも思える朝鮮戦争がありラッキーでしたが、兎も角、1980年代初めまで…わが国は高成長を遂げてきました。

しかしいつしか…官僚は方向性を見失い、失政の連続で失敗ばかりを繰り返してきました。そうして権力に固執し始めたように見えます。故に「失われた時代」に突入しました。

まぁ代表的な事例は、「渡り鳥」です。証券局長から異例の大蔵事務次官なった小川是(竹下登の内閣首相秘書官を経て、証券局長、主税局長、国税庁長官、大蔵事務次官、日本たばこ産業会長を経て、横浜銀行頭取、全国銀行協会会長、横浜銀行会長)などは、その事例とも言えます。彼だけが特別ではありませんが…此処では、「渡り鳥」の一例を掲げました。退職の度に…高額な退職金がもらえます。

そうして…大蔵の「ノーパンしゃぶしゃぶ」などの事件は、やはりその象徴的な現象の一つでしょう。しかし、彼らはしぶとく…大蔵解体ではなく、金融庁を新たに創設してアメーバーのように勢力を拡大します。

近年の「資格制度」は、何故、誕生したと思います?

結局、良く見ると、自分達の「天下り先」を作る為にその制度を利用したのでしょう。株屋は、様々な資格がないと、商売をする事も出来ません。昔は金融など一部の業種だけでしたが…今では、数えきれない資格制度が存在し、その資格制度維持のための機関が、それぞれにあります。必要かもしれませんが…官僚制度の矛盾を感じます。

その反面、絶対に必要な教育の現場は、正規の職員である学校の先生ではなく、臨時雇いの派遣社員と同じ待遇の先生が、現場を支えています。矛盾しています。ハッキリ言って、雇用を守ると言う名目のお題を掲げ、進化を拒み続けてきた結果、「失われた時代」になったのです。

官僚は一度、就職すると…途中、解雇はなく身分が保証されます。その為に胡坐をかいた運営とも言えます。そこに…安倍政権が誕生して名目時代に舵を切った為に激震が走ります。人事権を掌握され…批判を続けているように見えます。この事例を掲げると…前川喜平文部科学事務次官など…はその口かも知れません。

しかし官僚とは違い…政治家は、常に国民の審判を仰ぎます。間違っていれば…国民が選挙で落とせばいいのです。

このように冷や飯を食わされた人が、安倍政権…憎しになり、「森・加計問題」を悪戯に持ち出して国政の進展を妨げました。報道されていることが事実なら、安倍さんはアウトでしょうが、それ以上に、彼の成果の方が大きいと思います。

しかし…何故、この時期に、日経新聞の社説で、このような記事が載るか?

此処に、目を向けないとなりません。カタルが度々…日経新聞批判を繰り返しているのは、このような連中が「流動性の罠」を長引かせている為です。今度は「菅政権」への布石でしょう。

早々に…こうやって世論を誘導する戦略を、僕ら日本人は馬鹿だから、鵜呑みにします。しかし歴史を見ると分かります。何故、「失われた時代」が30年以上も続いたのでしょう。彼らに「反省の欠片」があるなら、こんな抵抗をしません。全く…呆れます。国民の幸せを踏み台にして…小さな権力争いに終始している様にカタルは感じています。

この後にカタルが書く、「MAGA相場論」を合わせると、如何に日本が劣化したかが、分かります。

さて…前置きは此処までです。一つの事を説明するのは大変なのです。事前に皆さんが予備知識を持っていれば、こんな解説は必要ありません。しかし多くの国民のレベルは「失われた時代」の歴史も知らずに…目先の株価の乱高下に、一喜一憂するだけです。困ったものです。

株式市場を理解するのは、非常に大変です。素人は先ず、無理でしょう。カタルは失われた時代下で、一所懸命に…日曜も土曜日もなく、昼も夜もなく…セール活動をして、それでも歩合セールスは食えないのです。とうとう…セールス活動をやめて、国会図書館に通い、昔の新聞を読む…屈辱的な日々を、余儀なくされました。

仕事をしたくても…株を買えば下がる毎日で、毎日ダラダラ…少しずつ下がり続けるんです。手も足も出ません。故にセールスは罪悪だと思い、カタルはセールス活動をやめます。その間、1年か2年か…。悔しい日々でした。その中で何故、こんな市場になったか…さんざん考え続けました。その結論が政策の間違いです。

ようやく安倍政権で、その舵を切ったのです。実質経済から名目時代へ向けて…。バブル期、大蔵官僚は、バブル野郎に銀座を独占され…人間ですから、苦々しい想いで…株屋の豪遊ぶりを眺めていた事でしょう。だからカタルは「リクルート事件」は、その仕返しだろうと思っています。所詮、人間なんて、目先の感情に溺れて…動きます。

その為にバブル期に、株や土地を下げても…「日本経済は大丈夫」と言うバカな名言ではなく、迷言が生まれます。

資産効果を否定する「資本主義」の否定です。所得は働いて得る所得の労働対価の報酬もありますが…それ以上に大きいのは、資産を運用して得る「資産増加」による所得です。これは市場経済が円滑に活動するために、必要不可欠の論理です。

ここでは、テスラを見ると分かります。既に1兆5千億円でしたか? 市場から資金を集め、テスラの拡大に努めています。こんな…小学生でもわかる理屈を、東大法科をトップで卒業した宮澤喜一は、知らなかったのです。その為に…彼は晩年、自身の間違いに気づき、後悔を続けます。

日経新聞の社説の意味を、語る為に…沢山の事を述べないと駄目なのです。

目先の株価が下がった…またコロナのような大きな下げが来る…こんな株価上昇はバブルだ…行き過ぎだ…の懸念が、市場に存在します。

だって周りを見れば…失業者だらけで、みんな青色吐息です。そんな中で、株価だけが上昇を続けています。これが理想社会を買う「金融相場」の特徴です。

じゃ、何故「NY市場」は一時1000ドル以上下げて、木曜日は807ドル安したの? 更に昨晩は一時は628ドルも下げて、引け値は159ドル安なの?

ナスダックの日足推移

カタルには「当然の帰結」に見えます。あまりに乖離が開き…良識を失った株価上昇を示していたからです。ここではNYダウではなく…ナスダックの動きを観ましょう。

如何でしょう? 異様な光景です。紫のラインが、カタルがいつも述べている200日移動平均株価のラインです。株価との「かい離」が、異常に開いています。特に新高値を取った6月上旬からの上昇は異常です。いきなり12000ポイントと、前の高値の10000ポイント水準より、2割以上も上昇をしています。

通常の相場なら…前の高値を固める作業を、事前にするものです。しかし…一気に高値を更新して、尚且つ、そのまま上昇を続けています。此処では個別株のテスラやアップルを見ると良く分かります。

急上昇するM2の推移

この理由は「FRBの金融緩和」効果です。その様子を見る為に、継続性の観点から…M2の推移をグラフ化したものを示します。基本は此処にあります。

株式は需給バランスで動きます。お金が株の発行を上回るなら、ドンドン上昇します。コロナ禍での資産増加効果は、ある意味で弊害とも言えます。でもまだインフレの兆候は見られません。しかし過去にも日本でもありました。バブルの「ハシリ」のようなものでしょう。

加えて…直近の株価の高騰は、どうも…「ソフトバンク説」が正しい様にも思います。此方の報道が参考になるでしょう。これは有料版でしょうから、読めない人は此方が良いかな?

たぶん…ソフトバンクの行動が「ロビンフッター」の行動を誘い、異常な乖離になったのでしょう。でも「良識派の疑念」が此処では市場で勝り、調整過程に移行しました。

カタルは6月の時より、短く…軽い物だろうと推察しています。だからあまり深刻になる必要もないと言いました。しかし…市場には、金融相場への「懸念」が溢れて居ましたから、調整が加速します。良い「ガス抜き」…程度の観方を、カタルはしています。

何故なら、こんな中途半端な形で、相場と言うものは簡単に終わりません。

「金融相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観と共に成熟して幸福感と共に散って行く」

今はソフトバンクが、ハイテク株投資をしたのは、「懐疑の中で育っている」タイミングでしょう。もう少し…時間が経過すると、その事が実感されるでしょう。孫さんは、馬鹿じゃないですよ。それに…ナスダックやS&P500が新高値を更新して…「NYダウ」だけが高値を更新しないことなど…過去にないでしょう。こんなのは…バブルとは言いません。

機関投資家の運用資金推移かな?(MMF)

此処で、此方のグラフが面白いのです。どうも…この数字は機関投資家のファンドの金額を合計したものらしいですが…この金額がピークアウトすると、リーマンショックの時は株価が上昇を開始しています。今回も似た動きになりそうです。MMFかも知れません。

つまり…カタルが言いたいのは、基本的に理想を買う相場では、どんな現実悪でも…相場は上がり続け、やがて実体経済が改善し、金融相場から業績相場に移行します。

一般的な識者は、業績相場に移行して初めて…株価は、やはり正しかったと認識をします。今は逆に実態悪にも拘わらず、異常な株価上昇をするから、テスラの様な批判が溢れます。これは「金融相場の特徴」なのです。

何故、カタルが好業績で、企業業績が申し分もなく将来有望な「IIJ」(3774)を取らずに、赤字で危ない会社であるユビキタスを、敢えて…選択して買い続けているか? だって400円からやっているのです。もういい加減に、充分とも思えますが…何故か、惹かれ続けるのです。

カタル自身もその理由は、分かりません。

しかし金融相場と言うのは「未来の希望」を買う相場だと言う「核心を突いている」銘柄に見えるのです。金融相場と言うのは、実に、買い辛い相場なのです。買い易いものを捨て、買い辛いものを選択するのは、現場の職業感覚です。

ロコンドのように…論理的な説明は出来ません。しかし時代は5G時代を迎え、一気にIoT時代が加速することは、事実です。全体の時代の流れは、ユビキタスの企業業績を後押ししますが…カタル自身も早過ぎるようにも感じています。でもテスラの事例もあります。

ユビキタスの月足推移

名目時代と言うものが、本当に「確立されている」なら…ユビキタスが上がり続け、新高値の4000円台に突入してもおかしくありません。それが相場と言うものです。

しかし過去のチャートから見て…4ケタ以上で、馬鹿になって、株を拾うほど…カタルはアホにはなれません。しかし…このユビキタスの相場が始まった2010年の2月、日産自動車がマーチの生産をタイに移転する発表をします。「空洞化の際」の現象です。あれが…結局、反転する合図だったのです。「失われた時代」の終点と言う「分岐点」とも言えるでしょう。

このような…奇妙な偶然と言うか…、巡り合わせを感じるから、何故か、NYダウが807ドルも下がっても、通常は利食い圏だから…買わずに、持ち株を売るのがセオリーですが…カタルは寄り付きから買い続けていました。そうして…大引けも1000株だけですが、買ったのです。

この見方は外れるかも…知れません。しかしカタルは「魔性の女」に、惹かれ続けているのです。「未来の希望」を買う相場の「名目時代」に、突入したと考えている自分が居ます。

だからケネディクスも買っています。野村証券も…本当は、此処から馬鹿になって三菱UFJも買いたいのです。米国のJPモルガンは、昨晩はバンカメと共に…終始プラスだったようです。この意味が、理解できますか? 

やはり…このレポートは、2部構成ですね。後半は…明日、また書きます。

大変なんだ…素人に株を理解してもらうのは…。そう言っても、カタルが正しい訳ではありませんが、カタルはこのコロナ禍でも、株で儲けていることは事実ですから、ある程度の説得力はあるのでしょう。それでは…また明日。

これから「会員向け」レポートを書きますから、たぶん、アップはまた深夜になります。いつもそうですからね。だから会員の方は、明日にでもお読みください。



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