謎シリーズ2

教科書では日銀が「マネタリーベース」(MB)を増やすと「マネーストック」(MS)は増えるのですが…近年は、他の要因である金融庁の「金融行政」などの影響を強く受け、政策に一体性がないために、なかなか…実体経済が上手くコントローされてないようです。

日本のMBとMSの前年比率の推移(日銀の統計データより)

所詮、金融政策だけに頼るのは、間違っているのでしょう。政府主導の財政政策の影響が、かなり…強いことが分かります。その様子を、我が国のMB(マネタリーベース)MS(マネーストック)の変化を観てください。

米国のコロナ禍後のM2に注目

カタルが米国の金融政策を観て「トラウマ」を抱えるのは、日本のバブル期後の政策に「不信感」を覚えているからです。物の価格などに大きく影響を与えるのは、我々の身の回りのM2(MS)の水準でしょう。

少し経済的な知識がないと…違いが分かり辛いかもしれません。

金融政策の狙いは「MS」に在ります。しかし銀行の貸し渋りなど…の条件は金融庁が決めていますから、折角…日銀が「量的緩和」をしても、現場の手足が縛られていると…効果が出ません。黒田さんの行った量的緩和は、独りよがりのマスターベーションのようなものです。しかし一定のアナウンスメント効果はありました。

本日は日本のバブル期に「増減させる」M2の急激な現象が、様々な弊害を産み…バブル崩壊から一転して、厳寒の世界へ突入した急激な変化が、実体経済に後遺症を残したために、カタルはトラウマを抱えています。

プラザ合意からの日銀の政策が、資産投資への「過剰融資」を産みました。この仮需を見逃した日銀の当時の澄田元日銀総裁の無能ぶりが現在の「34年間の悲哀」に繋がっています。その後の三重野元日銀総裁などは、お話にならない…馬鹿レベルです。1990年代の強引な政策は、その後の「失われた時代」の元を創ったのです。

カタルはこの現象を、米国に当て嵌めて観ているために…強気のカタルにしては珍しく…今回は慎重に観察しています。別に弱気と言う訳ではなく、こんな調子で成長は持続できないと思っていますが、今のところは、米国の政策は上手く機能しています。何しろ…インフレを克服し始めており、しかも実質賃金もプラス圏なのです。

しかし…日本は「名目賃金」だけの上昇ですから、まだ「片肺飛行」みたいなものです。そこで米国の「逆イールド」現象より…気にしているのが、「M2のマイナス圏」まで及ぶ、減少の後遺症です。未だにQT政策は実行されており、仮需に頼った「商業不動産」などの処理が、まだ済んでいません。

米国のリバースレポの残高推移(取引額)

カタルが異常な水準に気づいたのが…何処かのレポートで…「リバースレポ」の残高(取引額)の「異常な高まり」を知ったからです。ほぼ同時期に…ナスダック指数は、安値の2番底を形成しています。NYダウも、その2か月前の10月が安値でSP500も10月が安値です。ナスダックの2番底は深く、NYダウもSP500も12月は底値を確認する為の「二番底」でした。いくら米国は大きくても…357兆円もの資金の「だぶつき」は、弊害を生むのでしょう。

ナスダックの日足推移

カタル自身が今の解釈で正しいのかどうか分かりません。カタルはこの異常に膨らむリバースレポの量を観て…何かが「おかしい」と思ったのですが、リバースレポの知識もありません。

現在のカタルの認識は短期金融市場、このリバースレポは、毎日、FRBが一定の付利で市場に溢れる資金を回収しているという認識です。その多くがMMFなどと言われています。本来は米国債で運用されるものでしょうが…その移管が進んでなくFRBが、故意に…金利を付けて、ダブつく資金を短期金融市場で縛っていると言う認識です。これがカタルの解釈で、間違っているかもしれません。しかしこのリバースレポの残高が、昔のように消えると…コロナ禍で過剰に投入された資金が正常に戻ると考えています。

基本的に今回のインフレから金利高の定着は「米中対立」の一環です。

カタルも利上げの後は、何れ…利下げに向かうと思っていましたが、今は、仮に利下げになっても…1回か、2回程度なのでしょう。既に米国は実質賃金がプラス圏になっており、この状態ならインフレを克服しています。ドル金利が高い方が、中国は困ります。「グローバルサウス」が、近年は力を付けていますが…この「歯止め」にもなります。ドルを調達する基準を上げる事で…それらの国々の成長を阻害します。だから世界経済全体では減速方向になります。過剰な…BRICsの台頭のハードルを上げる事になります。故に…そんなに金利は下がらずに新しい時代になって行くと思います。

だから「売上高利益率」をあげる必要があります。つまり総資産経営ではなく「ROE経営」を目指す…経営方針が正しいのです。

この辺の認識が欠けており、日本には「国家戦略」がありません。今、話題になっている汚職です。洋上風力発電事業を巡る汚職事件で、秋本 真利・衆院議員(48)に資金を提供したとして東京地検特捜部から贈賄容疑で捜索を受けた「日本風力開発」(東京)の塚脇正幸・社長(64)が、特捜部に対して贈賄容疑を認める意向であることが、分かったと報道されています。

確かに「不正」は悪いことですが…この段階で地検が動くべきかどうか。難しい判断です。

国家戦略を考えた場合、太陽光発電や風力発電は国家戦略として正しい方向性で活発化させる必要があります。米国の成長を観ていると…大きくなる前には叩きませんね。小さい時は大目に観ているように感じています。やりたいようにさせています。だからベンチャー企業は足枷がなく自由に伸び伸び動いていますが…日本は小さな芽の段階で、その芽を摘んでいるイメージを持っています。

だから…安倍政権が「地検改革」を実行しようとして、黒川さんをトップに据えようと画策をしましたが、官僚族やメディアの戦略に「敗れた」印象を持っています。この辺りは…「難しい」判断です。不正は許せませんが、国家が成長できるなら…たかが3000万、プラス3000万で合計6000万程度のお金の不正を敵視しなくても…何れ、大きくなったら、罰してやるとの「寛容さ」も必要ではないかな?

どの程度が実態か…分かりませんが、仕事をすると色んなことがあるのです。日本の常識は、世界では「異常な姿」になります。大麻の問題もそうです。世界では合法化の事例はたくさんありますが…日本のメディアは、過剰に報道をしているようにも感じています。難しいですね。

日本の34年もの「清貧思想」を思うと…「傾き過ぎている」ように感じています。だから黒田元日銀総裁が、こんなにMB(マネタリーベース)を増やしても…人々(日本国民)は、踊りません。しかし…この低金利を利用した「賢い奴」は利殖を実行しています。

このギャップが、どんな影響を、これから株式市場に及ぼすか?

かなり早い可能性がありますが、必ず、訪れますから、その下準備として…本日は事前知識の為に会員レポートを、これから書こうと思っています。

このリバースレポの取引額は、最近は米国債の発行が増えて…かなり大きなペースで正常化と言うか…移管作業の段階です。FRBが付利を撤廃すれば、アッと言う間に資金が移動します。QT政策の一環の流れです。このスピードが米国株にも影響を与えます。

皆さんは、簡単に「相場の時間軸」の話をしていますが…小手先の板状況からの判断では、大きなお金は残せません。「小銭稼ぎ」を目指すのではなく…カタルはあくまで本物の世界を目指しています。

だから馬鹿は、バカなりに…苦悩をして、「難しい課題」を前に、誤魔化さないで…逃げずに自己意見を述べています。今は米国株は、上手くこの水準を維持できるかどうか…分かりません。カタルの仮説では、この後、このリバースレポの残高(取引額)が、徐々に減って行き…米国債などに資金が移管されます。

そうすると…コロナ禍で過剰に発生したお金の正常化が済み、新しい時代に行けると思っています。

今はその過渡期です。でも中国は既に、かなり「苦悩」しています。日本は非常に中国経済と関係が強いので…ファナックとDMG森精機などの明暗が分かれています。個別の案件と全体のマクロ経済の流れをどう繋げるか? 

「市場の整合性」の解釈の仕方です。

なかなか…時間軸の壁を克服できないカタルですが…最近は、自分自身、少し成長したかな?…とも思っています。カタルが正しいなら、「事前告知」をしている論理は、正しく…何れ、「時間の問題」で、必ず…その世界に行きます。

問題はこの時間軸の感覚を、ピッタリ合わせる作業です。あと少しだろう…と思っていますが、なかなか最後の壁は、やはり高いままなのです。

ごめんね。本日はカタル自身の「考えを纏める作業」を原稿の題材に設定しました。故に、少し面白くなかったかな? でもカタルの相場観の背景を理解するには、やはり金融政策の要ですから…ある程度の知識は必要です。

カタル自身の認識が、正しいかどうか分かりません。お船の解釈も、長く…「過去の利益」と間違っていたようです。現在では「割安株の一環」として観ています。このような間違いは、良くありますから、自分なりにカタルレポートを参考程度にして判断してください。それでは…また明日。

これから会員レポートを書きますから…会員の方は、明日にでもお読みください。



amazon.co.jp 全品に拡大 無料配送キャンペーン実施中!詳細はこちらをクリック。

IRNET

本サイトは、「今日の市況」(月~金)、「株式教室」(土)、「コラム」(日、祝)をほぼ毎日発信しています。

2024年11月
« 10月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

過去のIRNET

広告

株式投資関連の本



連絡先

kataru at irnet.co.jp
(at をアットマークに変えて送ってください。)