カテゴリー:株式教室

名目時代の確立

幾つかのデータが、本格的な「名目時代」を暗示している様に感じているのです。先ずは古いニュースですが…こちらのサイトをご覧ください。中国の通信会社ファーウエイの日本法人の初任給が40万円以上だと言う話です。カタルが述べているNYと東京のランチの価格差と同じ現象です。

此処で…カタルが述べたいのは、日本は長く「失われた時代」下で、清貧思想を貫いてきたのに、世界は名目時代を謳歌して来て…内外価格差が生じていると言う現実です。過去の日本は、鎖国制度で外国製品の安いものを様々な理由で拒んできました。でもこの内外価格差の破壊に動いたのが「ユニクロ」や「ニトリ」です。

昔の記憶によれば…Tシャツの3000円程度は、普通だったのです。でもこの矛盾を突いたのがユニクロで…日本価格をグローバル価格に誘導しました。そうして日本人の支持を受け急成長してきました。ニトリも同じ構図です。このような会社を「デフレ銘柄」と、市場は呼んでいました。牛丼の吉野家なども同じですね。

つまり…プラが合意以降、日本はグローバル基準に合わせる構造改革を断行して来て…この変化に対応できなかったのが、家電メーカーなど…です。NECや富士通の通信株だけでなく、パナソニックもソニーも…今、問題化している東芝も同じ土壌の中で苦しんで来ました。シャープもそうですね。基本は…グローバル基準に対応できない村論理の弊害です。

その為に…日本企業は、続々と生産基地を中国などへ移転してきました。故に空洞化の問題が生じ…、日本には失業者が溢れ、過酷な労働条件で働かされてきました。パイオニアの指名解雇事件は、その発端を作った現象です。そうして電通事件が起こり…労働環境の問題にスポットが当たり、厚生労働省は動きます。

でも…本当は、中国からベトナムなどに生産基地が移行し始めたころには、日本は既に内外価格差のガラパゴス化は解消されていたのです。日産がマーチの生産をタイに移行させた辺りは、どう考えても輸送費を考えれば、おかしな現象です。2010年の話ですね。行き過ぎた清貧思想は、安倍政権により修正されます。それが2012年から2013年です。

日経平均株価月足推移

時代は変化しているのに…日本人の多くは、失われた時代に慣れきっており…ユニクロは、一度、製品価格を引き上げたのに…再び値下げました。イオンも同じです。しかし時代は大きく変化しています。冒頭の中国企業のファーウエイの初任給40万円と、僕らの現状認識のギャップは…大きなものがあります。

失業率と消費者物価の推移

カタルは、ここしばらく…失業率と消費者物価の関係から、名目時代の到来を盛んに訴えています。このアイディアは、昨年7月に日経新聞に載った「馬場レポート」が引き金になっています。なるほど…これで「流動性の罠」が、説明できる…とカタルは考え、失業率が3%を割れると賃金の上昇が始まり、名目時代が到来するとの仮説を立てています。

この考え方は…全ての事象が整合しています。例えば…今週の株価急騰は、なんと…自己売買部門の買いが、主体だそうですね。通常、証券会社はリスクを取りません。故に先物が買われ…それを売って現物を買っている裁定取引を行ったと考えられます。事実、裁定買い残は、積み上がっていると言います。

じゃ…いったい誰が、大量の先物を買ったのでしょう。一つは郵政株の放出があり、作為的な仕掛けがあったのでしょう。しかしそれだけでは…この急騰劇は説明がつきません。一番は、FRBのテーパリングですね。今では…既に、年内の利上げが確定している様な認識です。一時、消えていた利上げなどのシナリオが急復活しています。

慌てた向きが…ポジションの修正に、動いたのでしょう。現物株の手当ては大変ですから、先物でヘッジしたのでしょう。ただこの流れが…本来の流れなのかどうか…。まだ結果は分かりません。確かに…世界の中央銀行が、これだけ量的緩和を実施したのに…モノの価格が上昇しないのです。仮説としては二つ、一つはカタルが前から疑っている金融規制が厳しすぎる為に、世界中の金融機関が総資産の圧縮をしている為に…パイが縮小しているのです。もう一つはスマートコミュニティーの到来です。アマゾンなどのネット通販の浸透が、製品価格を引き下げています。

対外投融資の推移

ここで…8月29日の日経新聞に、載っていた邦銀の対外投融資残高急増の記事が、一つ目の仮説を、裏付けるデータを示しています。そのグラフを日経から借用して…載せておきます。日本は、先にバブル崩壊を迎え、清貧思想を堅持した為に、銀行は綺麗だから…このような形になったのです。

もう一つが…アドバンテストの動きですね。アドバンは日銀が浮動株を吸い上げており、市場に出回っている株が少ないのです。そこにヘッジファンドの買い増しがあり…他の半導体株より、早く株価は戻っています。

実は…自己が買ったとは言え、通常はこのように日経平均株価は急騰劇を演じないものです。この株価急騰の背景にも…アドバンと同じ背景が、あると考えられます。日銀がETF買いを実施しており、日経平均株価の変動率が髙いと言う仮説によるものかも知れません。

失業率と日経平均株価など…全てが、名目時代を暗示しています。ケネディクスが、何故…この時期に12連騰もするのでしょう。2兆円近い収益不動産を抱えるケネディクスの価値は光りますね。自分で不動産を買ってみれば…分かります。数千億円の不動産などは、なかなか買えませんよ。それも収益の背景がなければ、駄目なのです。故にケネディクスは超優良企業なのです。「1300兆円の逆襲」の意味を、噛みしめればいいのです。時代は名目成長の時代に変化しています。鳩居堂前などの地価が、バブル越えしたのは、先行する現象の一つです。

カタルが、何故…人手不足の「夢テク」と「ケネディクス」に、的を絞って…皆さんにお伝えしているか? 全ての事象には整合性があるからですね。多くの読者は、目先の株価に一喜一憂され…時代背景を観ていません。しかし物色される銘柄は、時代の流れで決まるのです。ようやく…時代は、長かった「流動性の罠」から抜け出し…「名目時代の確立」に向かいます。

何故、「夢テク」が、先駆する「アウトソーシング」に続くのか?

アウトソーシングの株価推移

アウトソーシングの業績推移

四季報の数字と会社の中期計画を元にすれば…この仮説は、かなり実現性が高いと思われます。その推移を…ご覧ください。(アウトソーシングのものを上に掲げ、下に夢テクの中期計画を含めた四季報数字を掲げます。)

夢テクノロジーの四季報推移と中期計画の様子

読者の皆さんは…たくさんの選択肢の中から、自分がどう考え、どう行動するか。カタルは時代背景に流れている事象を、伝えているに過ぎません。それでは…また明日。



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