カテゴリー:コラム

景気循環とGDP

景気循環から見た株式投資と言うものがあります。それぞれの局面で物色される業種が違うので、時代背景で一番恩恵を受ける業種が市場では物色されます。

日銀短観の業況判断指数の推移

景気循環とは何か?…ですが、日銀短観の業況判断指数は景気のアンケート調査ですから、その数字が景気循環を表していると見て良いのでしょう。そのグラフが此方です。バブル期の日本は活況状態だったのです。今の状態もマズマズです。

名目GDPの推移

一方、GDPの構成要素を見ると…消費、設備投資等で構成されますが、数字のタガではなく「変化率」が重要なのでしょう。例えば…景気が良くなると消費が増えます。この家計の最終消費支出は1994年のGDP比は53.52%で、その後もあまりぶれずに一貫して55%を挟んだ展開です。

2012年に58.96%まで上がっていますが…昨年は55.49%です。しかしGDPの総額が増えていますから消費額も増えています。2012年の290兆2417億円で、2017年は303兆3357億円ですから…比率は減っていますが総額では2012年より増えています。一方、民間の設備投資は2003年14.35%を底にして…昨年は15.75%まで上がっています。

国民が原材料費などを除き、如何に、作った製品に「付加価値」を付けて、新たな価値を加えたかと言う指標です。基本的に、この金額が右肩上がりに上がることが望ましいのです。1994年は501兆5377億円、一番落ち込んだのは2009年の489兆5010億円です。最近の数字だけを採り上げたグラフが此方です。

詳しい数字は内閣府にありますから、必要な方はこちらからどうぞ、GDPの解説は此方が良いのでしょう。もう一つ紹介しておきます。

今年に入り株価が下がっている理由は様々なものがありますが、基本は買われ過ぎた反省が起っている…と観て間違いないでしょう。ヤフーファイナンスの指標では、アマゾンのPERは100倍を超えており130.1倍になっています。如何に、春に付けた2000ドルが馬鹿げた株価だったのか? でもその理由は売り上げと利益の伸び率が大きかったためです。

今は、その反省が始まっています。時間を置き、企業が市場の期待に応えるかどうか…をこれから観察する段階なのでしょう。30%を超える成長は、兎に角…継続が可能なら、凄い事なのです。10年でお金が13.79倍になります。1億円が13億円を超え14億円近くに膨らみます。

株式市場では、このような髙い伸び率を示す会社に栄冠を与え、PERを100倍以上に株を買い上げ大きく評価します。ただアマゾンの売り上げは既に大きく、この持続は不可能でしょう。だから「空売り」の対象になりやすいのです。

此処では…何故、テスラに注目しているか? テスラは、前からこんな目標は達成できないというのが、市場の見方でした。故に空売りがどっぷり入っています。更に今までは赤字続きで、借金で投資を加速させてきました。しかもその返済が迫っています。ジャンプできないと…資金繰りで破たんします。故に、取引先に支払いを延期したり…色んな負担を強いている訳です。そうしてここでマスク氏の法螺に対する制裁です。SECとは和解しましたが、今度はFBIだとか…。この動きはスマートコミュニティーへの進展度を示しています。

市場と現実の狭間は、常に揺れ動いています。現実が株価を押し上げたり押し下げたり…その株価を見て現実がまた変化します。株価と現実には強い相関関係が認められます。株価が下がると、人々は不安に駆られ…消費を手控えます。ところが…株が上がると株の儲けを当てにして、カタルのような馬鹿は、手にしてないお金を餌に…バカンスを楽しむ消費に走ります。両者の関係には密接な関係が存在し、常に刺激し合って妥当な水準を求め揺れています。

もともとリーマンショック以降、FRBは歴史的な金融緩和を実施して、景気(経済)を刺激し続けてきました。ようやくリーマンショックの傷が癒えたから、テーパリングを実行して適性な金利水準を目指しているのです。でも既に株価が崩れ始めていますから、FRBは独自論に拘らない方が良いですね。馬鹿三重野と同じ轍を踏むことになります。

市場経済は、常に市場を観ながら…政策を変更するのです。好調な米国はGDPを増額しました。でもこの統計値は、後追いの数字です。先行指標は株価なのです。カタルも大きなお金を運用するなら、ここでキャッシュポジションを上げて置き、11月半ばまで様子を見るかもしれません。来年早々には日米貿易交渉が始まります。だから年末年始の相場は上がるにしても戻る程度の上昇かも知れません。

でも…カタルは、いよいよ日本の経営者もグルーバル化に脱皮するじゃないかと思っています。基本はROEを、如何に高めるか? 利益率の低い製造業は日本に必要ありません。日経新聞の日立の東原社長の「製造業はなくなる」…と言うインタビュー記事(10/13日)はオーバーでしょうが、だからROE経営に拘るべきなのです。

ここで10月15日の日経新聞に、「改正産業競争力強化法」でM&Aが活発化される可能性が指摘されていましたが、果たして…どうでしょう。株屋は、基本的に本物の事例で判断します。米中貿易摩擦はアップルの株価で判断すれば良いし、サウジ問題はソフトバンクの株価で判断し…今の相場が調整局面に入ったか…単なるガス抜きなのか…。その指標の一つとして、ここでは…テスラ株の行方も、判断材料になると指摘しています。

ブルームバーグなどの報道は、IT業界や金融界の「トランプ憎し」を代表しているコメント報道です。フェイクニュースとやじられ…物議を醸したトランプ効果は絶大で…メディアの在り方を問うたものです。

カタルはレポートを書くことで、自分の意見を整理しています。完成形ではありませんよ。カタルの考えも株価を見て…常に動いているのです。株価が世論をつくって行くとも言えます。上海総合株価指数一時的かもしれませんが、下値を一旦割れたのです。でも国家隊が出動し、自社株買いを認めるなど…どんどん中国は市場原理化しています。テスラはこの試練を乗り切ると、中国での投資を加速させるのでしょう。

ZTEの株価推移

倒産しそうになるまで叩かれた中国ZTEは「7-9月は65%減益 米制裁から急速に回復 中国通信機器メーカー、中興通訊(ZTE)が25日公表した7-9月期決算は、かろうじて利益を確保した。またトランプ米政権から受けた制裁の影響から事業が急速に回復しているとの認識を示した。純利益は5億6400万元と、前年同期比65%減少した。通年では 62億~72億元の赤字を見込む。」と報道されています。この株価推移なども、現状認識の一つの参考材料になるのでしょう。

この中間選挙の結果は、米中貿易関係にも大きな影響を与えるのでしょう。イタリアも…ブレグジットも…兎に角、今は難問がこれでもか…これでもか…と噴き出ている印象を持っています。これで下値が固まるなら、年末年始相場は期待できるかもしれません。あのまま上昇を続けることは不可能なのです。

基本は世界の基軸通貨のドルが市場から引き上げられており、ここでは金融規制も影響しています。バンガードやブラックロック、ステートストリートなどの巨大な運用先はバイサイドの資金です。この資金は流動性が高いのです。セルサイドなら、一旦プールして時間を稼げます。でもバイサイドの売りは、直ぐに市場に流さねばなりません。この辺りも気掛かりな部分です。

日本株は付和雷同組がたくさん居ますから、簡単に株価は揺れます。しかし既に名目時代の確立はもう始まっていると感じています。何しろ、あの変わらないことを社風にしていた日立が、製造業の存在を否定する社長を頂くとは驚きです。

やはり東芝の変身ぶりが、日本企業の経営者が踏み出す「きっかけ」になるかもしれませんね。楽しみです。もしこの仮説が正しいなら、来年にはフラッシュメモリの上場も企画されている様で、その時期はスーパーサイクル論が優勢になる可能性があります。下準備が入念になされているようにも感じています。何しろ世界のヘッジファンドの揃い踏み…このメンバーが顔合わせをする機会に、出会う事はそうあるものではありません。

しかも…この変化が日本の起爆剤になる可能性も高く…。なんか…やはりこんな風に原稿を書いているとワクワクしますね。この年末年始は、やはり東芝かも知れません。

この後、カタルは有料読者向けにレポートを書きます。会員の方は、この激動相場の参考にされて下さい。19:44に原稿をアップしました。



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