カテゴリー:コラム

情報の背景

今日は原稿を書くにあたり、何を材料に取り上げようか…久しぶりに悩みました。関心のある材料が見つからず、書こうと思う記事は、既存知識が乏しく、調べるのに時間が掛かる為ですね。故に、あやふやな認識なのですが…。この所、中国の人民元を巡る思惑と言うか…観測ですね。どうして「元」を切り下げたのか?…と云う背景ですが、市場で恐れられていたのは、中国からの資本逃避の動きですね。一般的に量的緩和が終了し、ドル高が示すように…世界のお金は、米国に回収されています。中国企業の外貨借り入れの返済など…が、背景として考えられてきましたが…違う見方も存在するのではないか?…とも考えている訳です。

基本的に中国には過大な貿易黒字が存在し、世界一の外貨準備高を誇る訳で「元安」になるのは、おかしい訳です。支払い能力は充分にありますからね。それでは、何故、「元」売りが需給バランスを崩すほど…多いのか? 背景には、対外投資が、かなりの規模で進んでいる可能性が考えられます。これまでは1億ドル以上の投資に申告制限を設けていましたが、無届の対外投資規模が10億ドルに引き上げられた…とのニュースをみました。

最近、ニュースで話題になったのが…「ウォルドーフ・アストリア・ニューヨーク」の買収ですね。その為に、米国政府要人の宿泊先が情報懸念から変わったと言うニュースがありました。事実、ネットで調べてみると、2014年の中国の米国不動産購入額は100億ドルを突破したそうです。NYでも大規模な都市開発が、中国の建設会社の下で進行しています。日本も最近は中国人の不動産投資が多いですね。先日、みずほは中国大手の緑地控股と提携を発表していました。人民元の自由化への下準備と思われますが…この辺りの動きが、過剰に市場に不安を与え、誤解が生まれた可能性がありますね。中国は既に新興国ではなく、対外資産による「あがり」で食う事の段階に入ったようです。資本収支(所得収支)による経常収支の改善ですね。

読者からメールを頂き、タイの現況報告を頂きました。物価は日本と変わらないそうですね。このようなメール、カタルは非常に感謝しております。ありがとうございました。実際に現地に行かないと、分からないことはたくさんあります。だから…ジョージ・ソロスの相棒だった、ジム・ロジャーズは、バイクで世界放浪の旅をして、資源投資などを中心に大儲けしたのは有名な話ですね。新聞や雑誌、テレビなどだけでは、情報の質があがりません。特に日本の場合、記者クラブなどと言う存在がネックになり、画一的な情報操作が実施されています。だから一般の情報は、操作された「大本営」発表と五十歩百歩のイメージがあります。長く証券マンをしていると、この事は…嫌と言うほど、実感させられます。

カタルは常に新聞記事の裏を、読もうとします。常に比較しますね。その点、中国経由のネット記事は面白いですね。彼らの考え方など…奇異に感じることがママあります。日本は標的にされやすく、日本の成長時代に…多額の経済援助を実施したことを、多くの中国人は知りませんね。カタルはあの援助は戦争補償の意味があったのだと思っています。中国が貧乏な頃…日本は毎年、多額の経済援助をしていたのです。日本はこの辺りが…下手糞な外交ですね。もっと正確に数字を掲げ、宣伝すれば良いのです。そうすれば…彼らの感情も、かなり変わると思います。日本と言う国は、面白いですね。「惻隠の情」と言う言葉が、美徳とされています。大げさに宣伝しなくても…陰で応援すれば良いと言う武士道の精神かな?

「惻隠の情」の意味を、良く理解できるのは、「影法師」と言う百田尚樹さんの小説ですね。ネットの解説を読むと、少し、意味が違うように感じます。「他人のことをいたましく思って同情する心」とか…「哀れに思う気持ち。可哀想で あると感じる心持ち」との解説が多いようですが…少し違いますね。むしろ、愛らしく思う気持ちから、応援する行動が「惻隠の情」だと思っています。まぁ、言葉の解説は、国語学者の先生に任せるとして…。日本語は難しいですね。

そうそう、「新聞記事の背景を考えろ」と言う話しでしたね。官僚は良くアドバルーンを掲げます。世論を誘導しようとして、顔なじみの記者に、自分の思うような観測記事を書かせるのです。これは政策をスムーズに運ぶ為の手法ですね。だから新聞記事が正しいと思っている日本人は、背景を知らないと余計、混乱します。政府税調に自民党税調が存在し、意見が割れますからね。IRもそうです。日経新聞の観測記事を、企業が否定することが良くあります。でも記者も嘘を書く訳ではないのです。微妙なニュアンス変化を、文中に盛ることにより、市場を誘導するわけですね。だから記事を読み比べ、記事のソース元を辿り、自分なりにデータを解析する必要があるのです。

カタルが、元安の背景を探ろうとしているのは…中国経済の現状を、悪戯に悲観的に報道するメディアは、おかしいと感じている為です。ユニクロの柳井さんは、好調な中国経済を発信しているし、先ごろ発表されたナイキの決算も、中国の売り上げ急増が主因です。Vテクだって…中国から40億円もの設備投資受注を発表していました。

カタルの読者には、カタルの原稿も含め、文中以外の真意を探るようにして…、それぞれの情報を読む力を、身に付けて欲しいと…願っています。信じられるのは、自分だけなのです。看板だけで、信用しないでくださいね。看板は一つのフィルターですが、万全ではないのです。事実、環境立国のドイツと思われていた代表企業のVWも不正をしているのです。東芝もそうだし…互いに気を付けましょうね。それでは…また明日。



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