アーカイブ:2016年10月

頭の中身を整理する

あまり耳慣れない「高圧経済」って、何かな?…と調べてみたら、供給能力より需要が上回り、投資などが活発化して、更に需要圧力が高まる経済で、インフレになる可能性があると…解説は結んでいました。故に、ブルームバーグの記事は、米国債のスティープ化が進むとなっており、5年と30年債の利回り格差が拡大しているとの内容です。この差は127bpだそうです。一方、10年債とインフレ連動債10年物の利回り差は168bpと言います。

同時に…WSJでは「銀行の未来は、何故、暗いのか?」とのレポートが掲載されており、低いPBR評価は、収益力が資本コスト以下だという事を示している…と結んでいます。カタルの疑問は、なかなか解消されません。カタルの基本概念は、これまで…きつ過ぎる金融規制だったのですが、最近、この理由として、フィンティックの発展が背景に存在するんじゃないか…とも考えています。

日本銀行も金融政策の総括を実施し、国債のスティープ化を重視すると述べていました。つまり長期物国債の買い入れがなくなる事を示しており、マネタリベースへの資金供給が減り、如いてはマネーストックにも影響を与えるので「ステルス・テーパリング」との評価もある程です。量的緩和政策を、縮小すると宣言したようなものですからね。故にリフレ派から、批判が生まれています。

ただ…此処ではカタルは3者会談(財務省、日銀、金融庁)からの金融庁の方針転換を強く支持しています。それに批判の多いマイナス金利効果も存在し、マネーストックは伸び続けるのではないか…と思っています。実際の推移はこんな感じです。ご覧ください。マネーストックは、再び上昇波動に入り始めています。このグラフはM2の推移です。

M2の前年比の伸び率推移

M2の前年比の伸び率推移

 

今までのやり方では…なかなかマネーストック(M2)の伸び率が、一段と上昇しませんでした。カタルは、既に資金の供給は充分なのだろうと考えており、むしろ問題は0.1%程度の付利金利を目当てに、眠る当座資金の存在こそが問題だと考えていました。故に、この付利金利適用分を段階的に撤廃すべきだと…訴えていました。この背景は流動性の罠ですが、無理やり、嫌がる馬に水を飲まそうとしても駄目なのですね。

失業率と物価推移

失業率と物価推移

この謎に登場したのが「馬場レポート」です。失業率が3%を切ると、物価が上昇するという趣旨のレポートです。これまでのアベノミクス効果により、この数字は改善を続けてきましたが、不人気業種だけの人手不足でした。しかし、この数字がドンドン改善され、団塊の世代が続々と退社を迎えますから、物理的に日本は人手不足時代を迎えます。故に人気業種でも、これからは人手が足りなくなります。この失業率の3%割れが、定着する来年になると…賃金への上昇圧力が増し、物価への上昇圧力に繋がるという説ですね。

だから、一気に名目時代の条件が揃い、流動性の罠から抜け出せ、此処に日本村論理が働き、我も我もと…一斉に横並びになって、走り出す「名目時代」がスタートするのだ…と、カタルは推測している訳です。これがケネディクスの株価が、再び上昇する根拠の一つになっています。

米国の高圧経済なども…追い風ですね。此処にインドの躍進期が音をたてて…やって来ます。今、余っている小麦などの食料品も、やがて不足時代を迎えると思っています。食の改善は続き、世界人口は増え続けます。条件が揃いますね。

今年、成績不振のヘッジファンドも、条件の一つです。12月決算を控え、45日ルールから11月半ばまで、未だ、気は抜けません。何しろ、米国の景気拡大期は7年目で…大きな落ち込みを、誰もが想像しているからです。一度、リセッションが来てから、立ち上がるとの読みも存在するのです。故に10月から11月半ばまでの間は、まだ気が抜けません。

こんな読みで…多くの識者が外部変動に弱い日本株を、空売りしていたのでしょう。でも物理的に見て…昨日、調べたように、日銀の浮動株の吸い上げ効果により、逆日歩銘柄が500を超えている環境ですからね。仮に、最後の下げがあっても、そこが絶好の買い場になりそうです。更に、このガラは、存在しない可能性もあります。この間の時間は、およそ…あと1カ月です。

三菱UFJの日足推移

三菱UFJの日足推移

 

一方、名目時代の主役株は、現在、下値模索を始めています。ケネディクスを見れば分かります。三菱UFJなどのチャートを観ると、もう一度、3度目のダメ押しがあるかどうか…。2月、7月ですから、次にあるとすれば11月下旬から12月初めかな? 「3尊天井」と言う言葉があるので、その逆も当然ながら、あり得ます。

ただ、仮に一時的なガラがあっても、予想される範囲で、下値を大きく割る事はありません。だから下げ相場でも、「材料株物色」と言うゲリラ戦もあり得ます。

一方、金融規制克服論も存在します。IoTの幕開けが、一気に早まります。ソフトバンクの大型ファンド創設は、この時間を更に埋めます。故にソフトバンクテクノロジーなどが、分かりやすいから人気になっていますね。

金融規制克服論の最後の壁は、イタリアの国民投票でしょう。不良債権を抱える銀行問題が存在するだけに…ある意味で重要です。12月4日だそうです。

つまり現状の流れは3つの流れです。①の本格的に名目時代を買う流れ ②のIoT時代の幕開けから、好業績が確定している半導体、そうして下落場面を考慮した ③の材料株物色です。仮にガラがあっても、下値は浅く、大幅に下落するような事態はないと思っています。

7年間も続く上昇相場が、終焉する有力な条件の一つが米国金利の上昇です。しかし現在、米国金利が高騰を続けるシナリオは考えられません。故に急激な米国株の調整も、やはり、ないのでしょう。今日は自分の考えを整理するために…少し、自身の頭の中を分析しました。相場はあらゆる可能性を考えながら、構築されますからね。それでは…また明日。でも実際に知れべてみて、マネーストックの再上昇を確認出来て、今日は良かったです。



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