アーカイブ:2019年9月1日

時代の変化を感じる

日経新聞を見ると気持ちは暗い方向性に傾きます。毎度のことですが…紙面を見ると暗く感じます。この失われた30年間で、現役世代が変わっているので仕方ないと思いますが、国民教育は大切な場です。経営者の多くは毎日、日経新聞を読みます。その度に毎日、間違った方向性をインプットされていますから、この泥沼から抜け出すのは大変です。

読者からメールを頂き、週刊ヤングジャンプの「グッドジョブ」と言う漫画が、カタルの指摘している世界が描かれているというのです。この漫画は、本宮ひろ志の原作のようです。同じぐらいかな?…と思って調べたら、彼は1947年生まれですから、カタルより少し上のようです。隣の浜ちゃんの世代です。団塊の世代です。やはり同じように…今の日本と言う国を感じているのでしょう。

カタルがこの漫画を見て抱いた印象は、内向き志向の冒険をしない日本社会構造が描かれていると思いました。「失われた時代」は、日本人から行動力を奪ったのです。三菱UFJを辞めて作家になった池井戸潤は、半沢直樹シリーズで有名になりましたが…彼は1963年生まれです。カタルより少し若い世代です。でも彼は1995年に銀行を辞めていますから、不良債権の回収の現場を、仲間から散々聞かされ…自分でも味わった口です。

この時期に心ある若者は…日本に失望して、中国を目指したりしています。実質経済より名目経済を選んだわけです。カタルがどうしようもなく…転職を決意したのが1997年から1998年です。

この時期に、このサイトは開かれています。カタルはネットの世界しか…ないだろうと思い、自分の技術を磨くために、新しい商売をしようと…この会社を立ち上げました。だから、この会社の社名がIRNETなのです。当時、IRと言う言葉は一般的ではなく、大企業でも財務や広報、総務と言う部署がIRの活動を担っていた時期です。

カタルがよく引き合いに出す日立の場合は、社長室長に面会して…IRの重要性を説いたわけです。カタルの狙いは、その後を見れば正しかったのでしょうが…カタルの構想の方が、もっと合理的です。いまだに、カタルの構想のIR会社は世に出てきていません。カタルはすべての会社のIRの一次窓口業務をこなす会社を作ろうと思ったのです。大企業なら人件費をIR活動に割けますが、中小企業の場合は負担になります。

話がそれますから元に戻します。もう一つ読者から紹介された本を、今、読んでいます。「ハードラック」この作者の薬丸岳は1969年生まれの49歳ですから就職氷河期です。この小説の冒頭部分は、派遣切りの話から始まっており、そうして犯罪に手を染めていく過程が描かれています。最近、振り込め詐欺で日本の若者も逮捕されています。似た手口が、この小説の中でも出てきます。

カタルは大蔵省の証券局長から、異例の出世を遂げた小川是(ただし)の話を良くします。彼が証券局長になった時に、こう言ったのです。「証券界のことは良く知らないが…小説を読めば…分かる」と言ったのですね。この発言を聴き…そんなもので証券マンの苦悩が分かるものか…と思ったものです。でも彼の言い分も一理あるのです。

作家の世代により、小説の中身も変わり…その背景を見ると面白いですね。本宮ひろ志は名目時代を謳歌した世代ですから、今の日本の現状が、嘆かわしく映るのでしょう。そうして池井戸潤は挫折感が残り…何とか自立していく世代なのでしょう。でも薬丸岳は悲惨な就職氷河期ですから、理不尽な目に遭った世代です。内定通知をもらったのにキャンセルされ、派遣にならざるえなかった…とか、社会の不合理さを味わった屈辱的な生活感なのでしょう。

この失われた時代の一番の課題は、やはり日本人のモチベーションが劣化したことです。何をやるにも…コンプライアンス(法令遵守)が過剰に言われ…行動が制約されます。今回のリクナビ事件は、この典型的な事例でしょう。この為に遺伝子データを利用するサービスが滞り、電子カルテの普及を妨げている面もあります。データ管理は個人情報保護法がネックになります。

日経新聞の編集長は、カタルと同じ世代の筈。たぶん役員クラスです。だから紙面の構成は時代を担う方向性で組むべきでしょう。もういい加減に…清貧思想を謳う時ではありません。日銀が何故、2013年に量的緩和を開始して、なかなか名目成長時代に移れないのか? カタルが述べるデフレの関門である日経平均株価22750円が下値になり、上昇波動に移行できないのでしょう。

彼らの言い訳は、少子高齢化で…労働生産人口が減っていると言うのでしょうが…それは言い訳に過ぎません。だって一人当たりのGDPは、ドンドン劣化しています。一人当たりの生産性を高めれば良いのです。売上高営業利益率の重視を日本の経営者に教育をしてないから、日本製鉄のような内部留保を貯める行動に出ているのです。

絵に描いた餅は食えません。日本製鉄が日本に必要な会社かどうか…。基本的にROEが10%以下の会社は日本に必要なく排除して、その人員を効率的なAI業界に配置転換を進めるべきです。その為にリクナビ事件の根底を探らねばなりません。企業を叩くのではなく、制度を叩く方向性に報道の方向性を変えるのです。

日経新聞の編集長と言うのは、馬鹿なのでしょうか?

役人も政治家も、誰も真剣に生きているように感じられないのです。だから本宮ひろ志がグッドジョブで、日本の体制を揶揄するのです。金融庁はこの漫画を読めねばなりません。何故、カタルはJトラストを推奨するのか? 

この漫画を読めば…ある程度は理解が進むのでしょう。今、日本に大切なのは、日本人、一人一人の行動力です。モチベーションを高め、真剣に自分の仕事をしましょう。野村証券のセールスは自分にノルマを課していますか? 自分自身を高めるためには、今日より明日、明日より明後日を夢見て、頑張る精神力が必要なのでしょう。

日本証券取引所のデータが更新され、裁定売り残が膨らんでいます。1兆9059億円と2兆円に迫る勢いです。一方、買い残は4808億円です。この数字の意味は、本日も日経新聞の一面で報じていますから、先行き不安になり…先物からヘッジ売りが入ります。でも実際は…誰かが下値で現物を粛々と買っているのです。何も日銀だけのETF買いで…このようになりません。

今日は読者から紹介された漫画、週刊ヤングジャンプを題材に原稿を綴りました。このハードラックと言う小説も読者から紹介されたものですが、僕らの知らない世界が描かれています。本当の話ですよ。この小説はフィクションでしょうが…現実を題材にしています。だから京アニメのような悲惨な事件が生まれます。

カタルが「市場の整合性」を説きながら、株式市場を解説していますが、全て人間の感情が背景で動いているのです。人間界の犯罪などは、積み上げた精神的な債務のようなものです。感情の爆発は、今までに、ため込んだものが発散されるのでしょう。この裁定売り残の蓄積は火山の地下マグマのような存在でしょう。

様々な市場の整合性を考えて、僕らは状況を判断して、自分で決断をして行動するのです。誰も未来は分からない、だから失敗を前提にしたブツブツ投資は、優れた投資法です。それでは…また明日。



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