アーカイブ:2021年12月12日

心躍る時間

カタルは株式チャートも昔は好きで…よく研究をしました。でも上京して、よちゃんと出合い…彼ら仕手グループの戦略の内幕を知るに連れて、急速にチャート論の興味が失われました。 その理由は、「株価の値動きは創られたものだ」と言う事実を知ったからです。でもコメ相場の覇者の「本間宗久」などの人生経験から来る、英知と言うか…諺などが、長く残っているのは、確かな背景があるから、その諺は、後世の人に伝わっていると思っています。株式市場には、数々の名言や諺が存在します。

「人の行く裏に道あり花の山」などは…素晴らしい響きを持っています。

基本的に株式市場は、皆が知ったら…お終いです。相場には意外性が存在し、人々の心を揺るがすから…人気が持続するのでしょう。どの銘柄も過去のおける「値動き」の歴史が存在します。

僕ら…プロの証券マンは、過去の経験から得た知識が蓄積されて行きます。あの時の相場はこういう値動きで、その株価の動きは軽かったとか…。重かったとか…との印象が、心に刻まれています。これが経験です。

実体験の経験は机上論とは違い、大きな価値を持っています。相場の値動きにより…多くの読者の方は、心が動く筈です。株価が上がるときの感覚、株価が急落した時の感情など…自身の「欲望」と「恐怖」の狭間で…自分の心理は、大きく動きます。この心の動きは、なかなか…お金では買えません。「感動」と言う言葉に、置き換えても良いでしょう。

株式投資の醍醐味は、自分が狙っていた株が人気になってストップ高する…その高揚感は、なかなか得難いものです。人生の中で、大きな感動がある充実した時間を過ごすことは、素晴らしい事でしょう。本でも映画でもそうですが…なかなか「いい作品」に出合うことは出来ません。だからそれを知るだけでも価値があります。

心が揺さぶられる感動を求め、株式市場で様々なチャレンジを続けていることも事実です。この緊張感や期待通りに動いたときの相場の醍醐味と言うか…心の高揚感は、なにものにも代えがたいものがあります。

カタルは、長く顧客と共に…栄えることを目指してきましたが、馬鹿が、この世界で勝者の側に立つのは、なかなか…難しい壁があります。ノーベル賞学者の先生が、苦労して利益を確保しようとしても…結局は、負ける世界です。株価の動きに隠された投資家の感情を思うと…多くのドラマが背後にあり、値動き一つ一つが、愛しみ(いくしみ)に満ち溢れています。

失敗した銘柄もそうです。何故、あんな水準で、自分は、馬鹿になって心が動いたのか? 時間を置いて考えると…不思議な感情が甦ります。

カタルは歩合セールスの時間を、長く過ごしました。「失われた時代」は、失意の中で、その時間推移を耐えてきました。「石の上にも三年」と言われますが…あんなのは噓です。カタルは上京以来、ずっと38915円のバブル期の高値奪回を夢見て…様々な努力をしてきましたが、結局のところ、今の結論は、自分ではどうしようも出来ない絶望感があるのです。

でも…過去の失われた時代の中で、ようやく「始まるかもしれない」…と言う期待感が徐々に膨らんでいます。その原動力が、日本人の自身の…「意識変化」です。ようやく…ここまで来ました。先ずは、日本人が自らの問題点を認識しないと…その改善は、なかなか進みません。

カタルは市場原理主義者です。

市場の値動きが、全て正しい…と容認をして、その現象が、何故、生まれるのか? その背景を探ることに、勢力を注ぎ…時代の流れを観察しています。そうして、全ての事象には見えない糸が存在し、起承転結の繋がりが存在すると思っています。必ず…その現象が生まれる背景があるのです。

過去、日本国は、様々な歴史上の出来事を経て…現在に至ります。大河ドラマの渋沢栄一は比較的に身近な存在です。カタルは亡くなった大御所さんから、渋沢栄一の話を良く聴いていました。彼は兜町に住んでいました。今の取引所の脇の川沿いの一軒家に住んでいたと言います。初代東証理事長の藍澤弥八は、渋沢の知古を得て…様々なアドバイスをもらったと言います。大御所さんは、その様子を面白おかしく…藍澤弥八の実話を交えてをカタルに語ってくれました。

その人生は…面白いものですよ。ソフトバンクの孫さんも幼少期の頃、おばあちゃんと…一緒に残飯を貰い歩く思い出話を、昔…語っていました。彼はカタルと2歳違いだから…ほぼ同年代です。あの頃の朝鮮人は、良く日本人から虐められていました。きっと彼の心の中には「耐え忍んだ時代」の懐かしさがあるのでしょう。「逆境」は人を育てます。様々な人の人生を観ていると「落ち込み」が大きいほど…良くなった時の期間も輝きます。

カタルのこの経験値は、相場でも同じです。長く低迷していた株が相場になった時は、大きな相場になります。前の「落ち込み」が大きいほど…その後の反動も大きくなるのです。この事を知っているだけで…「ビックチャンス」をものに出来るのかもしれません。

今回は8月に船祭りをしました。そうして順調に9月まで爆上げ相場を経験しました。でも同時に、この下落相場では、不可解な「心のわだかまり」となって…残り続けていました。

カタルは「市場の整合性」と言う観念を、殊更に大切にしています。レーザテックがPER100倍以上の評価を受け…会社側発表の数字を基に計算をするとPERは、既に一株利益が232円で株価は30220円ですからPERは130倍の評価です。

一方、川崎汽船の会社側の発表の一株利益は3966円で、株価は6840円ですからPERの評価は1.7倍です。何故、同じお金なのに…レーザテックは130年分の利益評価で、川船はたった2年足らずの評価なのでしょう。この60倍以上の開きは、何故…生まれるのか?

カタルには、全く「不可解な謎」なのです。故に8月から9月の爆上げ相場の動きは正常な修正の筈ですが…その後の転落は、不可解な下落率でした。だって、8770~4545ですから下落率は、なんと…48.1%なのです。こんな不条理な事があるのでしょうか?

何かが、おかしい…「狂っている」と、心のわだかまりを抱えたまま…むなしい時間を過ごしました。このような常識で考えられない馬鹿利益を産み出した馬鹿運賃相場が狂っていると言う解説は頷けます。

それなら…何故、こんなバカ運賃が正当化されて成り立っているのでしょう。誰もこの事を教えてくれません。人生は奇怪なり…。

2017年の韓国の海運会社の韓進海運が倒産しました。その記事が此方です。この中で…「海運業界では2017年2月に韓進(ハンジン)海運の破産決定が現在のような事態を招いたとの批判が出ている。破産直前に韓進海運はコンテナ船101隻、ばら積み船44隻などの145隻を持つ韓国1位、世界7位の海運会社だった。だが破産後に韓国系海運会社のコンテナ積載能力は106万TEUから51万TEUに半分以上減った。」との記述があります。

歴史を振り返ると…120年間の歴史を誇った第一中央汽船は、2015年9月に破綻をしますが…この前の2012年から4期も続けて「最終赤字」になっていたのです。リーマンショックの後遺症とも言えますが…そうして韓進海運の破綻があったので、合理化の観点から日本郵船、商船三井、川船のコンテナ船部門が、ONEとなって統合されました。これが2017年10月の話です。更に…2018年に実施したような「ブランクセーリング(減船・減便)」を経験した海運業界なのです。

2020年からの今年の海運の「馬鹿運賃」は、このような努力が背景にあり…育った相場です。「陰極まれば陽に転じ 陽極まれば陰に転ず」という諺があるように…その結果に誕生した相場なのです。

このような背景を知らないで一時的なコロナ禍の需要だから「一過性の運賃」と決めつける観方が正しいのかどうか…。でも市場が付けた株価を、どう解釈したら…カタルはスッキリと納得できるのでしょう。だから、心に「わだかまり」を抱えたまま…悶々とした時間を過ごしました。そうして、その謎がようやく解明に動いたのが12月2日木曜日でした。

川崎汽船の日足推移

カタルはようやく…市場の良識が発揮され…正常化の流れが形成されると考えています。通常、相場のない場合は1/3戻しが限界と言われており、8770円(c)~最初の下値はdの4660円でした。故に戻りの目途として6030円の株価をレポートで掲げて注目していましたが…奇妙にも高値はeの5920円までで…再び株価は4660円を割れて、fの4545円を付けました。

2番底ですが…エリオットの波動論から言うと、この株価波動は調整局圏で観られる常識的な形です。そうして先週の8日の水曜日にgの7110円を付けるのです。この動きを観て…8770円~4545の下落幅の1/3戻しは5953円で…半値戻しは6657円です。

しかし現実は、遥か上の7110円を付けたのです。昔から「半値戻しは全値戻し」との格言が存在し…いよいよこの年末年始に、長らくの謎だった市場の不可解な現象が修正されるのではないかと思っています。

ただ…当然の事ですが…高値の奪回をできずに2番天井を形成して…再び下げ相場になるケースもあり得ます。それ程…この8770円の48.1%もの下落率の強烈でした。誰もが「ヤレヤレ…助かった」と、僅かな利幅で利食いをして撤退します。

でもそれでは…このカタルの「わだかまり」は消えません。

市場は市場参加者に公平に接するのが「筋」です。それでこそ開かれた市場です。日本の株式市場は、閉鎖的な村社会論に溢れていますが…このままでは日本の未来はありません。永遠に1989年の生まれた38915円が奪回できなくなります。市場に…正当な論理を根付かせてこそ…「働く意欲」が生まれると言うものです。希望溢れる未来の社会に向かい、正当な価格を付けるのが市場であり、これが市場原理でしょう。

38915円を奪回する原動力は、何か?

使わない…484兆円もの内部留保金額が、ようやく…日本を新しい時代に導きます。株主還元相場です。この株主還元相場の他にも、内部留保のお金は重要な役割を担っています。もう一度…デンソーの記事を紹介しておきます。

実際にデンソーは2020年の一株利益は87.9円でしたが…140円の配当を実施しています。配当性向は159%です。稼いだ以上に、株主に還元しています。そうして2021年は1000億円の自社株買いの…他140円の配当を実施しているのです。 

このインタビューの中で…「ちゃんとレバレッジを効かせて資本効率を上げるようなことをしたいので、そのためには良質なM&Aで大規模なものが必要」と述べています。これが正常な経営感覚です。「レバレッジ」と言うのは、借金をしてでも…ROEを高めると述べているのです。

つまり…「前向きな経営戦略」を謳っているのですよ。こういう現象の積み重ねが、背景に存在するから、カタルは38915円の奪回相場が可能になると考えています。そのステップの一段、一段を検証して行くと…この年末年の「主役たち」が理解できます。ようやく…「心躍る」時間がやって来ます。それでは…また明日。

会員の方は新しいレポートを掲載したので是非お読みください。



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