折角の回復ムードに水を差され、「ご破算に願いましては」…と、やり直し宣言を報じられ昨晩のNY市場は、後場から急落しました。その様子をロイターテレビから、どうぞ…此方です。
おそらく多くの読者は、今朝起きて…NY市場の株価を見て、がっくりしたのでしょう。でも中国は北戴河会議を経て…報復を発表していますから、以前、観測された「長征」と「上山下郷」と言う方針を甘受する体制が整ったのでしょう。香港のカラー革命も影響しているのでしょう。米国の戦略に嵌らず、妥協はしないと言う強固な姿勢に見えます。
読者の多くは、昨年のクリスマスショックの損害が大きく…更に今年も回復したとは言え、この程度の相場では傷は癒えませんから、市場心理は暗いのでしょう。たぶんカタルと同様にガックリ来ているのでしょう。
米中貿易摩擦問題の激化は、関税の応酬に留まらず、TSMCに代表されるファンドリーや、ホンハイなどのEMSと呼ばれる受託生産のファブレスの方向性が変わる可能性さえ…示唆しています。
カタルはトランプ政権の誕生を見て…当初から時代錯誤のイメージを抱いていました。物の生産に拘る…「古い経済」の復活を、彼は望んでいる様に思うからです。もともと…彼の支持者は、時代変化に追い付いていけない負け組ではないかと思っています。
イギリスで起ったブレグジットも、EU内の競争(ドイツ)に敗れた製造業の悲哀から、移民政策への憤りと言う不満の表れなのでしょう。産業革命が起った当時、機械打ちこわし運動(ラッダイト運動)がイギリスで起っています。歴史を学ぶ事は、人間行動を振り返るのに有益です。
「シンギュラリティー」と言うスマートコミュニティーへの変革期を迎え…人間は儚い抵抗を試みます。歴史上の「揺り戻し作業」と言っても、良いのでしょう。チャップリンの「モダンタイムズ」の世界を思い浮かべると理解が進むと思います。
でもROE経営の本質を考えると分かりますが…売上高利益率の高い産業に、人間は携わるべきなのでしょう。デュポンの分解式を掲げるまでもないですね。本日の日経新聞には、アマゾンの頭文字を取ったAWS(アマゾンウェブサービス)の解説が3面に載っています。
頑張っていますが…カタルは、トヨタ社長の経営方針に異議を唱えています。そうして本日も…載っているかな? リクルートの内定辞退者データ問題のような分野を、日本でも容認して…育てないとならないと述べています。
だからメディアは、これを「社会問題化」すべきではないのです。データの利用に対し、殊更に異議を唱えるのは、自分達の領域が侵される危機意識の表れなのでしょうが、この分野を制する企業が、次世代型企業の雄に変貌するのです。
ついでに…ここでは論点が外れるので、詳しく採り上げませんが、2面の企業の税負担率の話を、読者は理解して置いて下さい。ケネディクスは確実に成長を遂げていますが、四季報の今期の一株利益が減る解説が載っています。僕らは賢い投資家を目指しており、理屈を、しっかり頭に叩き込んでおきましょう。
まぁ、この話は兎も角、シンギュラリティーを迎え急速に価値観が変化しています。だからトランプのような行動を取る人間が、世間から持て囃され…揺り戻しが起きたのでしょう。トランプもトヨタ社長も、旧来型のイメージが強く残っているのでしょう。
しかし現実は既に…このAWSのような…クラウドサービス産業、「サブスプリクション」と言う定額利用サービスのネットフリックス(NFLX)のような産業など…が、急速に立ち上がっています。リクルートも内定辞退率データも料金は400万円だそうですが…データから生み出された付加価値の高い商品です。先ほどのROEの話で、売上高営業利益率の話をしているのですよ。
漠然とした不安感が蔓延するから…僕らは正しい環境を理解するために、敢えて未来のヒントを掲げています。そうして、本日は会員レポートを書く日なので、その前提の為に、過去の相場を振り返る資料も必要でしょう。そこで…此処にNY市場の最近の動きを掲げました。
基本的にリーマンショック以来、緩和してきた経済が転換を迎えたのは、2015年12月です。イエレン女史は遅行指数である労働指標の改善を受けFRBは9年半ぶりに利上げを決定しました。0.25~0.5%と…0.25%の引き上げを実施したのです。
今度は逆に、経済の指標でも利下げの場面ですから、遅行指数の労働指標ではなく、PMIや株価など…の先行指数を参考にして、機動的に利下げを早めに行わないとなりません。
既に昨年からの米中貿易摩擦の影響もあり受注は落ちており、半導体価格の下落は続いています。パウエルの昨年末の利上げはレバレッジ・ローンなどへの対処に傾き過ぎた政策だったのでしょう。
だから株価が大きく反応して下落したのでしょう。2018年は4回の利上げを実施しています。あの時のコメントでは…今年も2回の利上げをする予定だったのです。
株価の急落を受け、7月に続き、9月の利下げは確実視されています。しかし…株価が持ち直すかどうか…微妙な情勢です。ここでは…最も恐れていた発言が飛び出しています。此方です。
だからFBの仮想通貨リブラの動向が注目されます。でも…カタルは常に早すぎる時間の読みで、いつも右往左往し…実際にはやられています。だからこの問題は、頭の片隅入れる程度の時間なのでしょう。
たぶん、既に三尊天井を形成した後に、高値を更新したNY市場の株価は、かなりの状態(悪材料)も…株価に織り込まれて時間調整を行っています。
2018年初めが、業績相場から逆金融相場に移行した局面です。あの安川電機やファナックの上昇を見て、やり過ぎではないかと考えた場面でした。あの時から弱気相場は継続しており、今年7月を境にした逆業績相場が、何処まで続くか?今は既に9月は2回目の利下げ局面になりますから、市場は金融相場の色彩を強めると思っています。
ボルガールールの改正案から1年後ですから、2021年初めには…新しい相場がスタートしていると考えています。まだ漠然とした時間の流れで…実態が掴めていませんが、この所の株価の動きをみると、その兆しのような動きが散見されていました。
だから…早ければ、消費税が引き上がった後の年末年始から、一般的には来年だと考えていますが、本格的な金融相場に移行するのだろうと思っています。
此処では貿易摩擦の激化を受け、9月のFOMCでは確実に利下げが実施されるのでしょう。既に米国金利は1.5%のラインなのです。でも実際の利下げはまだ始まったばかりです。何故、昨日、カタルが米国債やドイツ債、更にイタリア債の話をしたか? この辺りの相場の読みへの布石を打ったのです。あのレポートは未来への相場の布石の意味を持っています。
本日は、これから会員向けのレポートを作成しますが、このレポートの考え方を前提にしてレポートを綴りますから、会員の方は続きを読むようなつもりで…たぶん本日のレポートも、日を跨ぐかも知れませんから、明日にでもお読みください。