カテゴリー:株式教室

こんちくしょう…バロンズなんかに馬鹿にされ…

悔しい事に…WSJを見ていたら、東芝が物語る「アベノミクスの失敗」と言う記事がバロンズで掲載されています。その通りだから…悔しいですね。(有料会員でないと読めないかもしれません。)JAと同じで日本村構造改革の問題点が指摘されています。

その一節を借りると…「安倍首相はトランプ氏の口を封じることよりもむしろ、国内で投資家の発言力を高めるために勇敢に行動するべきだ。東芝が度重なるひどい情報開示で何度も新聞の経済面をにぎわしていることを公然と批判すべきだ。また、欠陥エアバッグ問題で、ワシントンで公聴会が開かれる事態を招いたタカタの愚か者たちを平手打ちするべきだ。さらに、シャープが台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業との交渉の終了間際になって3500億円の偶発債務があると明らかにしたことを非難するべきだ。」…となっています。

課徴金問題で、先日、消費者庁は「景品表示法違反」で三菱自動車の燃費データ改ざんで課徴金を科しました。僅かに4億8千万円です。米国の事例を考えると…この度合いなら通常は、数百億円規模の罰金でしょう。タカタの問題は初期対応が拙く…経営の根幹が揺さぶられました。同じ問題が国内でも発生していると思われますが、あまり報道もされず…日本の対応は米国と全く違います。基本的に日本は、企業を育てる所に主眼があり、消費者、つまり国民側の立場に、立った制度になってないのでしょう。故に同じような事例が多くあります。

マックのコーヒー事件の米国での訴訟は衝撃的でした。最終的には…かなり減額され、和解金は60万ドル以下との話しですが…、それでも、たかが火傷程度で…この金額ですからね。カネボウ化粧品の白斑事件と比べると大きな違いでしょう。カネボウは一人900万程度と噂されているようです。

たぶん「国の成り立ち」の違いなのでしょう。メーカーなどの企業を重視するか、それとも、消費者などの一般人を、保護するか…。政策スタンスの違いから生じるのでしょう。

東芝の件が、どう決着するか分かりませんが…、昨年、東芝は債務超過を回避するためにキャノンと不正な契約を交わし…富士フィルムが問題提起し…この行動を批判しました。関連記事は此方です。その後…6月30日に公正取引委員会は注意を与えています。この程度の問題なのかどうか…。富士フィイルムの指摘は…正しいのです。公正な競争を阻害したのです。理由は債務超過による2部転落を防ぐために、公正取引委員会の審査を無視した契約を実行したためでしょう。

実に日本村的な対応です。カタルは、前から述べていますね。ライブドアが駄目で…IHIやオリンパス、東芝などのお仲間企業なら、助ける裁量決済の法律運営です。主義主張がなく…場当たり的な大岡裁きです。江戸時代なら義理人情を優先させる裁量が分からなくはありません。ある程度なら、容認も出来ます。しかし、いつまでも…いつまでも…「失われた時代」が続いている訳ですね。電通事件も同じ土壌です。

本来なら…市場論理で決着を図るのが、自由な市場経済の形なのでしょう。その為には、元になる「ルールの厳格化」が前提になります。もともと東証の上場も、規模の違う大証を使った裏口上場です。本来なら東証が正規なルールに則って、上場審査を経てから合併すべき話しでしょう。なかなか…世の中は理解できませんね。青臭いと言われそうですが…やはり、釈然としません。

歪む市場論理…だからバロンズ(WSJ)から、『東芝が物語る「アベノミクスの失敗」』との批判を受けるわけです。コーポレート・ガバナンスの欠如です。会社は私物ではありません。上場したなら、その市場原理に従うべきですね。東芝問題は、厳格な対応を望む次第です。

2部格下げなどの…裁量処置ではなく、上場廃止を決断すべきでしょう。だって…今回の問題は、昨年の検査で、分かっていたはずです。公認会計士を含め厳正な処分が必要な問題だと思っています。そうでないと…発表された開示資料を頼りに、お金を動かしている人たちを馬鹿にしていますね。僕ら…じゃないね。もう…。証券マンは、詐欺師ではないのです。

こんな根幹が、問われているから…なかなか「流動性の罠」から抜け出せず…550兆円ものお金が、眠っている訳です。本来なら…東芝に対しTOBが掛かる株価水準です。200円でも安いと考えています。まともな経営者がトップに立つなら…シャープと同様に、直ぐに立ち直ります。だから、株は買い場なのです。上場廃止を覚悟して150円程度の最安値水準になったら、また買ってみたいと思いますね。何故、株価が下がると思うか?

日本には昔から…色んなルールがあります。年金運用資金などは赤字企業が買えないとか…無配企業が買えないとかの…投資制約を受ける所が多いのです。だから東芝は1部上場から外れると…投資対象になりませんから、株価に拘わらず…ルールで株を売らされます。カタルは法人営業の経験がありますから、日本は色んなルールが存在する事を知っています。たぶん、今でも…同じだと思います。

でも東芝は…宝物ですね。まだ株価が下がる可能性は高いと思いますが…上場廃止になっても、価値があります。半導体だけでも1兆円以上の価値があるのでしょう。きっと…。詳しく、計算をしたこともありませんから…感覚の話です。だから今回の問題が片付けば…間違いなく500円前後の評価が、妥当なのでしょう。原発だって…これからインドがありますし…COP21は、トランプ政権誕生で価値が薄れましたが、原発の日本人の感情は、悪いですが…そんなに捨てた企業モデルかどうか…。原発は、今が…最安値に見えます。

小型原発なら管理が楽な筈で…ずっと安全対策も楽だと思います。東京のそれぞれの区役所の地下に、原発建設をして管理すれば…効率的なエネルギー管理になるんじゃないかな? これは空想ですが…。もっと小型化して、コストの問題で…町内規模で1基の小型原発のアイディアは面白いですよね。送電ロスなどの問題もなくなります。アイディアは「原発電池」ですね。話しは飛びましたが…東芝問題は、何も…東芝だけの話ではなく、日本社会全般の問題なのです。

株式投資と言うのは…単にお金儲けの道具ではなく、社会の成り立ちを変える原動力なのです。東芝問題が健全な形で対処され、スチュワードシップ・コードが機能しているなら、日本村は必ず、改善される訳です。昨年の東芝とキャノンの東芝メディカル買収を巡る不正が、今回の東芝事件の根を、更に深くしているとも言えます。タカタの問題と同じですね。

間違いや、問題は、何処にもあります。しかし、その事象が生じた時の…対応姿勢が問題なのでしょう。危機対応能力の発揮には、優れたエキスパートが必要です。そのような集団が、日本に存在しないのは不幸ですね。必ず、大きな問題の発生には…それを生じさせる根っ子があります。日本は長いデフレの清貧思想の為に、国民の行動が委縮してしまいました。だから、なかなか「流動性の罠」から抜け出せません。

韓国も、とうとうサムソンまで行きましたね。批判されていますが…ある意味でトランプ政権の誕生は「自然の摂理」なのかもしれません。カタルは、とうとう、証券マン人生が、嫌になり2010年に脱落しましたが…未だにモラルハザード問題ですからね。継ぎ接ぎだらけの日本経済を作っているのは、JAなどの村論理の組織構造です。

群れをつくって、庇い合う…呆れた構造を、何故…メディアは自己改革しないのでしょう。カタルはメディア批判を繰り返しているのは、東芝問題を見れば、分かります。バロンズに指摘されるまでもなく…昔から、問題にしています。だからカタルは1998年に「株式市場 日本を考える」と言うブログを、スタートさせ…形は変わりましたが、今もIRNETを続けている所以でもあります。

いい加減に…苦渋の決断をして、東芝を上場廃止に…すべきでしょう。でも…カタルは、また150円程度の最安値近辺になったら、上場廃止を覚悟して、東芝株を買うかもしれません。東芝の現在価値は、たぶん300円以上の筈です。

だから、本来なら重工が、東芝をTOBすべきなのでしょう。そうして半導体部門をスピンアウトさせるか、転売すべきでしょうね。でも重工も…内部はガタガタで、東芝と50歩100歩に見えます。だって客船問題だけでなく、MRJなど…あり得ないミスを連発しています。こんな企業は…いつか消えますからね。要するに…経営者の資質が、みんな3流以下なのです。やはり考えて行くと…、この問題の根幹は、政策官僚とメディアの責任なのでしょう。それでは…また明日。



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