カテゴリー:コラム

リンク先の間違いに気づく

昨日「ROE経営」の話から、デュポン式を引用しましたが…リンク先の「誤り」(間違い)を読者から指摘されました。冒頭の財務レバレッジの式は、分子(本当は総資産で)と分母(自己資本です。)が入れ替わっていました。この上は間違いで、下が正しいのです。

間違った図式

カタルもいい加減です。確かめずに、その後の流れを見て正しいのだろうと思い、見落としをしておりました。これを見つけた読者は凄いですね。真剣にカタルレポートを理解しようと、考えながら読んでいるのでしょう。立派です。

正しい図式

正しくは財務レバレッジの分子が総資産で、分母が自己資本です。あのサイトの冒頭の部分は間違いで逆でした。しかし…その後の図式は正しいようです。この経営スタイルは米国の化学メーカーのディポン社が1919年に開発した経営手法の一つが、一般化したものだそうです。

この図式を見ると…多角化するにも一定のルールがあります。基本は「高い利益率」が見込まれるもの…そうして経営の「スピード」が重視されます。日本人は、この観点(スピード感)が欠けています。総資産の回転率は、そういう意味でしょう。財務レバレッジは一見すると低い方が健全に思われるでしょう。日本の内部留保は475兆円もあります。GDPの金額から見て多い金額でしょう。

これは…「消極的な姿勢」を示しています。本来なら借入金利が低く、売上高利益率が高いなら、借金をして事業を拡大して…更に利益をあげるべきでしょう。それが経営者の務めです。つまり日本は長い「失われた時代」の為に、経営者は「石橋を叩いても」…動かない状態を示しており、進化を止めたままの状態なのです。

カタルは皆さんに野村証券で、証券口座を開設して、野村証券株を信用で買う事を提唱しています。理由は「配当利回り株」だからです。

仮に今期の配当が30円なら株価は587円ですから、配当利回りは5.1%です。一方、野村証券の信用取引の金利は0.5%ですから、この鞘の4.6%が儲けになります。1000万円なら、毎年46万円ですよ。しかし税金が20%程度かかるので実際には約36.8万円になります。さらに手数料や他の費用もあるでしょうが…3%程度の鞘を抜ける計算です。株価が上がらなくても…30万円が毎年、抜けるのですよ。この考え方が「金利裁定」の考え方です。

我々、年金生活者は、金利裁定と言う仕組みを利用して…日々の生活を、より豊かに出来ます。4000万円の3%は120万円ですから、ギリギリの30%の担保なら…1200万円のお金があると、4000万円分の野村証券を買うことが出来ます。約68000株を買うと…毎月10万円の生活資金を別に得ることが出来ます。

ただし…野村証券株が下がることもあり「リスク」があります。信用取引ですから、その資金は借金です。株価が10%下がると追証になり…30%下がると元の原資の1200万円が消えます。更に減配のリスクもあります。配当は決まっていません。業績動向の影響を受けます。

しかし…世の中は常に「リスクとリターン」の関係があり…危険はつきものです。本当は現物株投資が望ましいのは、当たり前の話です。

この事をROEのデュポン式は述べています。

財務レバレッジを活用して…そのお金を経営につぎ込んで、経営を拡大させるなら…借金をしても「得」なのです。だから三菱UFJも自社株買いを実施します。ですが金融は自己資本比率規制があり、多額の自己資本を求められています。その兼ね合いもありますが…リーマンショックからの経過期間を考えると、世界ではドイツ銀行が問題を抱えているようですが…概ね、すべての金融機関は健全ラインです。

野村だって…今回のアルケゴスで3000億円程度の損失を受けましたが、ビクともしません。15円配当をするとは驚きです。

何故、金融株のPERが低いのでしょう? このPERの考え方は配当性向が100%なら…投下資本の資金回収期間を示したものです。PER10倍なら、10年間保持していれば、投下資本、つまり元本が回収できることを示しています。基本的に金融などの業種は、成熟社会においては、資金需要が減り金利が低下しますから、斜陽産業の位置づけなのでしょう。故に低い市場評価なのでしょう。だから配当性向を高めるべきなのでしょう。通信のソフトバンクのように…。最低でも50%、場合によれば80%程度の配当性向か…自社株買いを実施して既存株主に報いるべきです。

この考え方が基本になっており、配当利回りと市場金利の鞘を見ると…金融株は自社株買い「ラッシュ」が起こると考えています。まもなく始まる筈です。だって配当利回りが5%なら…1%以下で借り入れを実施して…自社株買いをすれば、未来の利益が4%ずつ増えるのです。馬鹿でもわかる単純な論理です。故に、必ず自社株買いラッシュになります。

だからカタルは野村証券株を買って、そのラッシュの時期を待って、僕らは利食いをすれば良いと「ノンビリ投資」を謳っています。何故、野村証券株の投資を薦めているか? 

他に…昨年末に日本は世界に遅れていますが…「流動性の罠」からの完全離脱を果たしました。ファストリの世界制覇を見ても分かるように…一般的なものの価格は、世界基準になったのでしょう。テレビなんか…非常に安いのです。日本のメーカーが価格競争に負けて…日本にハイセンスなどの品物が流通するという事は、そういう事です。おそらく…OEM供給を受けているのでしょう。ソニーも、シャープも…利益が出ない製品でしょう。

むしろ…ソニーは「付加価値」の高い産業転換に努めるべきです。今回の利益はコロナ禍の特殊要因もありますが、時代の方向性から見てソニーのエンターテイメント性が発揮された利益です。WSJにもそのような見方の記事が掲載されています。

ソニーの決算短信より

そうして株価が下がった理由はロコンドと同じ理由です。「増収減益」の今期見通しを発表しました。これが休み前の相場の主因でしょうが…僕ら賢い投資家は「損益分岐点の図式」が、頭に描かれていることでしょう。売り上げの伸びが見込めるかどうか…が、最重要課題で、未来の利益に繋がるかどうか…を考えないとなりません。ソニーも押し目は買い場でしょう。別に割高でもありません。

損益分岐点比率の動き

自分が目先の株価動向に揺れない正しい基礎知識が備わっているかどうか…。目先ばかりを追うのではなく…僕らは自分の考えで、自らの行動を決めるのです。株価動向に左右されない…堅い精神を得るために自分自身を高めなくてはなりません。カタルレポートの此処がおかしい…何故、間違っていると思うか? 意見を言えるようになって欲しいものです。

土曜日の5月1日からコロナ禍で揺れる日本の医療問題を取り上げ…何故、こういう矛盾が露呈しているか? 何も医療体制だけでなく…全ての産業界にも言えることなのです。ようやく…村社会の矛盾が是正され始めている現象の一つとして、日立を参考事例に取り上げて解説しています。

村社会の鎖国制度の話など…非常に重要です。日経新聞が真実を書かない為…その為に世界から遅れています。ワクチン接種の話は、ほんの「氷山の一角」なのです。だから東芝問題が重要なのですよ。

みんな「見えない糸」で「市場の整合性」が成り立っています。

株式投資とは何か? 時代が歩もうとしている…「先」を考えることです。カタルは一旦、諦めたNPCを何故、買い直したか? この話の背景には、相場の「潮流」の話も絡みます。いちいち、丁寧に解説をしていたら…大変な量になります。「村社会構造」を理解するためにROE経営の絡みの話を、この連休を使って解説しています。

日本が、どうして凋落したのか?

未だに日本の「ものづくり」の優位性を謳うテレビ番組も多く、日本国民を愚弄していますね。半導体が敗れたのは、ずっと前の話です。エルピーダの坂本さんが孤軍奮闘していたのに…時代を観る「先見性」が全く欠けています。トヨタが、他の部品メーカーのように「下請け叩き」をするから…ルネサスエレクは「適正利潤」を確保できず、株価は低迷し…社会変革に遅れたのですよ。証券マンでもルネサスエレクが世界一だと言う事実を知らない人は大勢いました。現在は違うかもしれません。ですが…トップ水準です。

カタルは先日、双葉電子工業などの赤字も、同じような背景があります。「適正利潤」の考え方を問うのが…先日、紹介したSUMCOの設備投資の話です。

イビデンの設備投資と相対する経営方針の違いが見えます。この両社の今後の株価動向を観ると…面白いですよ。この話も丁寧に解説すると、膨大な量になり読むのが嫌になります。故にカタルはヒントだけに留めたわけです。明日からは、もっと大切な「米国金利」の話を考えてみたいと思っています。

本日は読者からの指摘を受け…デュポン式の背景を解説して、日立が変わって来た現象は「流動性の罠」を抜け出した現象の一つだと述べています。ユニクロがコロナ禍で、優位な展開をしているのは…日本村社会の内外価格差も、そろそろ…分岐点を迎え改善されたことを示した現象です。

この事は…同時に、ガラガラポンが迫ってきた証でもあります。物価が下がっていると「暢気」に構えている場合ではありません。

分かるかな? 少し難しいかもしれませんが…我々は既に「後進国」に成り下がった国民だという事ですよ。ここで踏ん張らないとなりません。まもなく「待ったなし」の時代がやって来ます。年金で生活が成り立つと思ったら…大間違いです。

我々は若者のように、肉体労働をすることは出来ません。故に別の方法で、納税証明書を獲得します。伊達に…年を取ったわけではなく、考えながら…「失われた時代」を「忸怩たる思い」で過ごしました。

この「悔しさ」を、ようやく…挽回するときが到来したと思っています。ようやく…社会が、カタルの頭の進歩に追いついてきたと言うか…時代が変わり始めました。この変化をお互いに楽しみながら…無理をしない投資を実行して、最低で…自分の年金額の納税を目標にしましょう。300万円なら…1500万を株式投資で稼いで税金を納めましょう。

納税をすることが国民の義務であり喜びです。社会貢献の原資になります。何も寄付行為だけが社会貢献ではありません。その為に自分自らの完成度を更に高めないとなりません。リンク先のデュポン式の間違いに気付いた読者のように真剣に投資を考えないとなりません。互いに頑張りましょうね。また明日。



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