カテゴリー:コラム

M&Aは構造改革を早める

昨日、原稿を書いて思っていましたが、アップルの利益率の話です。カタルはこう書きました。市場の高い評価の一つは、競争力です。それは「売上高営業利益率」で分かると述べました。

もう一つが「ビジネスアジリティ」(事業構造を外部の環境変化に対して素早く適応させることを可能にする組織能力)…、実は「LTS」(6560)と言う会社が、検索リストに上がった時に調べたら、このキーワードが出てきたのです。

この話は実に面白いですよね。時代の変化が早いから、自分自身がそれに合わせろ!と言う事でしょう。

カタルの場合は、相場の流れを読もうと努力をします。相場には隠れたキーワードが存在し、その「潮流」が市場に流れています。様々な潮流があるのです。例えば今なら、DX投資だとか…AIだとか…のテーマですね。どれに乗るか? その潮流の中でも。最も効率の良い…成果が得られるのは何か? を常に考えています。やはり「株屋根性」はなかなか抜けません。常に、手数料を抜く事ばかりを考えてるのです。

でも一方では、古典的な考え方。例えば…純資産価値です。

企業が保有する土地や建物、更に工作機械などの稼働資産など…の一株当たりの資産価値が株価より高いのに、何故、株価がその資産価値を下回り続けるのか? PBRが1倍以下になっている現実の謎は、深まります。

赤字が継続するなら、純資産価値以下の評価は分かります。しかし黒字で配当を続けているのに、何故、純資産以下の株価が市場で存在するか? やはり…謎なのです。此処での代表事例は、「邦銀株」をイメージすると、分かりやすいでしょう。

計算上は、企業を解体して資産を売却すれば、投下資本は回収できるはずです。邦銀の持っている支店網などの資産は、都心の一等地に位置しており、地方の地価とは違います。地銀の資産価値と都市銀行の資産価値の意味は、月とスッポンです。

しかも邦銀は、既に人件費の高い団塊の世代が消えています。RPAなどの活用でどんどん人件費は下がります。最新式のビジネスソフトを利用すると…どんどん作業効率は上がっている筈です。まもなく店舗も消えるのでしょう。それにも拘らず、この評価です。

もう面倒なので…株価も上がったので、銘柄を公開しても良いでしょう。カタルが「未来の宝」のS君と書いた銘柄は「島精機」(6222)です。もう一つ、自動車のS君は「スミダコーポレーション」(6817)です。

実は…6月の段階では、既に…PBR1倍以下で赤字だけれど、何れ、業績が改善する企業を選択していました。「名村造船」(7014)は赤字が続く可能性がありますが、村論理の典型的な事例として、「レポート」で良く採り上げます。 PBR1倍以下なんてもんじゃなく…0.5倍以下の企業が、実に662社も存在します。 1倍以下は1741社です。

カタルはこんな企業は、淘汰されるべきだろうと考えています。TOBの対象になり、買収されて、無駄を省き、本当に利益をあげられる部分だけを残し、再上場すればいいのです。構造改革です。実際に…最近、此方のレポートを発見しました。この記事は面白いですね。色んな意味を秘めています。分かりますか?この価値が…。

日本の場合、経営者が変わる事で会社が大きく変化すると思っています。名村造船なんか…、やり方次第では、規模を縮小して利益率を重視すれば…構造転換が出来るように感じています。

カタルにお金があるなら、このような「再建ビジネス」をリードしてみたいものです。きっと…何れ、構造改革を主眼にするヘッジファンドが、沢山、現れると思います。何しろ…日本の1741社が、効率的な経営をしてないのです。ハッキリ言って「化石」企業です。

日本は少子高齢化で…GDPは伸びないと言われており、これが常識となっています。

しかし…日本は「雇用優先」で無駄が、非常に多い国です。GDPは付加価値の合計ですから、利益率が低い産業を淘汰して、纏めれば…利益率の高い企業だけが残ります。少子高齢化だから、これを逆手に取ったビジネスモデルが成り立つと考えています。

売上高営業利益率を5%から10%に高めれば…全体のGDPも上がる筈です。 「キーエンス」(6861)の様な企業ばかりが、残るような仕組みすれば良いのですね。キーエンスの社員の平均年齢は35.9歳で、平均年収が…なんと2088万円だそうです。しかし日本のサラリーマンの平均年収は432万円だと言います。

カタルは「テクノスジャパン」を推奨していますが、その切っ掛けになった「オービック」(4684)の売上高営業利益率は、この「キーエンス」より高いのです。

此処で…何故、カタルが「スカラ」(4845)の梛野社長に、興味を覚えたかが分かります。スカラの主要産業はSaaS/ASP部門とSFA事業です。ただ近年このSFA事業はセールスフォースとの競争において負けている様に見えます。本来なら売り上げが大きく伸びるはずですが…この売り上げは微減で、しかも利益率は13.7%から7.5%に大きく下がっています。

たぶん、セールスフォースの様な最先端の技術革新が出来ていないのでしょう。何れ、今のままではセールスフォースに完全敗北します。だから売り上げは少ないけれど、利益率の高いSaaS/ASP部門を残し、そこに10億円もの投資をしているのでしょう。

本来は35.4%もある利益率ですが、この投資の為に利益率は5.5%に落ちています。しかし…このソフトブレーンを売却すると言う事は、この開発案件に目処が、たったのではないか?…とカタルは推察したわけです。

まだ分からないのです。彼の真意が何処にあるかは…。

市場は、その動向を感じているから200日線が上昇に転じたと言う観測を抱いています。この辺りは賭けです。皆さんは…簡単に儲かる銘柄を教えろと言いますが…。難しいのです。未来の分からない部分を、少ない資料から推察をする事なんか出来ませんよ。ハッキリ言って。丁寧に説明をすれば…する程、難しいのです。カタルが何故、「ロコンド」を高評価しているか? 連休明けにも追々話します。

でもスカラのケースは、どの企業にも言えるのです。日立が、異業種の日立化成や日立建機を、何故、傘下に抱えるのか? ようやく日立は変化を見せて売却に動きました。

この意味は、非常に重要なのです。日本全体は総資産経営から、効率化経営(ROE)に向かうと言う事です。新日鉄ではなく日本製鉄が、高炉を閉じた現実は、嫌々でしょうが…何も規模に拘る必要はないのです。儲かる所に経営資源を特化させ、更に磨きを掛ければ良いのです。そうして利益率に低い部門や産業から撤退をするのです。

日本の上場企業を全て、キーエンスやオービックの様な高い利益率の会社だけにすれば…日本人の年収は、どんどん上がって行きます。だから構造改革専門のファンドを受け入れる必要があり…M&Aが盛んになる必要があります。

金融関係者は、専門の「解体屋」集団を創らねばなりません。上場企業で1741社も負け組企業が存在するのです。

カタルにとって…謎の多いJDIへのいちごHDの投資ですが、採算に合うのかどうか。このような…ケースである「誰も見捨てる」段階ではなく…黒字の段階でも、早めに構造改革に着手すべきです。日本人は買収などの案件を嫌わずに、前向きな評価として積極的に買収を受け入れて、構造改革をすべきです。

DX投資を絡め、一気に日本が大きく変わるチャンスです。ほら…こういう話をすると、日経平均株価が10万円も、あり得るかな?…と思って来ませんか?

だって、売上高営業利益率が、低い企業が変身をして10%どころか…20%、30%に変貌をするのです。キーエンスやオービックの様な…高い利益率だけの集団になるのです。PERの評価が30倍、40倍になります。

日経新聞はM&Aの本当の狙いを、正確に報じるべきです。何故、MAGA相場の主役たちが高い成長を維持できるのか? 

成長力を欠いた企業が、要らない内部留保を積み上げることが「悪」だと言う風土を、作るべきです。

何故、配当性向が100%の会社が、続々…と誕生しないのでしょう。会社は株主のものだと言う考え方を、悪戯に「歪める」のは、止めましょう。従業員の為だとか…取引先のものだとか…カタルには偽善に聞こえます。利益率を追求する事が悪いことですか? 利益率を追及して「切磋琢磨」して、たかい生活を維持した方が良いに決まっています。432万円の年収に甘んじることなく…キーエンスの2088万円方が良いですね。

何故、高い報酬の20億円をもらうのが、悪いのでしょう。

ゴーン逮捕の狙いは、何処にあったのでしょう。カタルには清貧思想の追及に見えます。その結果、日産自動車は、再び経営危機に陥り、政府から債務保証? やはりこんな政策はカタルには理解できません。結局、高額報酬をもらう事が、悪いと言う風土があったから…あの事件は起きたのでしょう。

一方、東芝の株主総会での議決に関して、経産省が暗躍していると言う話があります。自分達が関与したいなら職権を乱用せずに、東芝を国有化すればいいのです。正々堂々…何か、わけの分からない村論理は、止めましょう。もっとフェアな社会を実現させましょう。民間企業に…チャチャを入れるなんて。

真剣に…日本を素晴らしい国に変える努力をすれば…良いと思います。やはりここでは日経新聞の役割が、大きいですね。M&Aを盛んにさせ…どんどん効率化を進めるべきでしょう。「内部留保」などと言う。保身の為に偽善は止めましょう。

潜在成長率が20%以上なら分かりますよ。売り上げが伸びてもいないのに…配当性向が低いのは理解できません。せめて配当性向を、最低50%以上にすべきでしょう。だって成長がない所に、お金を留める政策事態が、おかしいのです。お金は使ってナイボです。

皆さんも、株で儲かったらジャンジャンお金を使い、友達に御馳走をして、株式投資の素晴らしさを語りましょう。そういう「草の根運動」が、やがて日本を変えて行きます。共にがんばりましょう。また明日。



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