アーカイブ:2018年7月1日

進化論とは…

本日は昨日の続きにしましょう。基本的に金利と企業業績や株価の関係を理解してないと今の「債券のフラット化」の話は理解できません。一般の人には難しいかもしれませんね。

カタルも入社したての研修で、債券金利の話を聞いた時に、株価と何が関係あるのか? 理解できませんでした。そこで…浦上さんが書かれた「相場サイクルの見分け方」と言う本を読んで、その繋がりの理解が深まったのです。こんな金利と業績と株価の関係は株式投資のイロハですから、確実に理解しておいてほしい所です。読者には、この本が日経新聞社から復刻版で出版されているので、是非、手元に置いて欲しいと述べています。

基本的に、今は「逆金融相場」と呼ばれる相場サイクルに入っており、株式相場の季節感は秋です。これから逆業績相場と言う冬の季節に向かいます。インフレを抑えるということは…経済活動を鈍らせるために、必要経費を上げるわけです。

故に、辛うじて利益を上げている会社は経費が上がると、損益分岐点売上高も水準が上がりますから、利益は減り経済活動が鈍ります。金利を物価の関係の解釈は、諸説あり難しいのですが、名目経済と言うのは…常に物価高の経済です。その代わり受け取る賃金も上がります。

日銀は2%の物価目標を掲げ、なかなか軌道に乗りませんが…ソニーは5%も賃上げを実施しました。この差額の3%が、実質所得になります。競争に勝てる会社は常に物価より高い給料を払います。だからソニーが5%の賃上げ報道があった時に、ソニー株を買うべきなのです。こんなことは基本です。社員から賃金を搾取して利潤を上げるような会社は、市場原理論からすれば…いずれ消える会社です。常に実質賃金が高いのが望ましいスタイルです。
そうすれば…社員の定着率も高まり、いい人材が集まり、市場競争に勝てるようになります。

トヨタのカンバン方式など…下請け苛めの部分があり、カタルは、あまり好きではない会社です。所詮、生産効率を高めるために努力しても知れています。それよりは市場に革新を与える会社の方が、カタルは好きです。

昔、カタルはトヨタへの入社を断ってホトニクスに入った学生の話をしましたが…彼の選択の方が優れていると思います。

この下げ相場の環境でも、ホトニクスは素晴らしい形を継続しています。いよいよ光の時代かな? 今回のホトニクスの株価上昇は、センサーの分野だと思います。ソニーのCMOSイメージセンサーなどと競合するのでしょう。

まぁ、話はソニーから飛びましたが、市場経済は優秀なものを選択して、淘汰された勝者を社会が育てる仕組みです。その為に、競争に負けた会社は市場から去らねばなりません。ところが日本は無理やり救おうとします。産業再生機構…なんか、いかれた考え方です。民間論理に任せ、M&Aを認めるべきだったのです。それなのに…奉加帳ですからね。呆れる指導です。半導体産業を潰したのは、政策方針が間違っていたためです。金融も馬鹿論理で支援をしません。興銀の中山素平が草葉の陰で泣いています。今回の東芝を見れば…分かります。

日本の社会構造は、どの業界も上に本当の実力者が居ないんじゃないかと思います。村論理の為に協調性を求められ、イヤイヤ、付き合い残業をして…組織論を掲げます。個性と言うか個人の能力を潰すのです。

結局、最後は教育論に行きつくのです。だから、いきなりの変化は難しいでしょうが、曲がりなりにも…移民を受け入れる方向性に変化しています。東京は多いですよ。カタルのマンションにもインド人の家族が暮らしています。おそらくIT関連の技術者なのでしょう。

米国2年国債金利とスプレッドとNYダウの推移

話が飛びますね。今日は…金利の話です。昨日は紹介したレポートに5年債と30年債のスプレッドのグラフが掲載されていましたが、カタルが独自に作った2年物と10年物のスプレッドとNYダウの関係を示すグラフを掲げて置き…更に2年物金利動向と10年物とのスプレッドの細かいというか、最近の動向のグラフも付けますね。上記のグラフは月単位の推移で…下のグラフは日々の動向です。

2年物国債とスプレッド(日々推移)

昨日の進化論と言うのは、CCARの通過により、民間金融が元気になりますから、再び経済活動が活発化して、株式相場の上昇が延長されると仮説を述べたものです。一時的に2年債の利回りが再び上昇しだすかもしれません。勿論、10年債の金利は更に上昇します。未来の期待値の高まりが、このスプレッドの拡大を促します。2016年の秋ごろに起ったイメージの再来を考えています。この進化論が正しいとすれば…株価は更に1年以上、2年ぐらい上昇波動が維持されることになります。2016年から2017年に掛けたイメージの再来ですね。下のチャートを見て下さい。

NYダウ株価の推移

もともとスマートコミュニティーの利幅は大きいので成長力は高いのです。これは自然の原理ですよ。先ず、ラッセルする先駆者は先行者利益を獲得して、その成功を見て真似をする種族が続々と現れます。そうして同じ分野の利潤(パイ)の争奪戦になり、利益率が落ちますが、産業界全体は栄えるわけです。

そうだな…。カタルの嫌いな、詐欺集団の仮想通貨市場をみると、分かりやすいかな? 金融庁がシャシャリ出るということは、天下り先が出来るために甘い汁を吸えるから、市場を整備をするのです。表向きは、お上が管理して不正をなくすことですが…。あんな「ぼろもうけ」の仕組みとは恐れ入ります。原理を考えると…横ばいや下げ相場が続くと…何れ業界が消えるのです。まぁ、仮想通貨はどうでも良いのですが…。

この利潤の大きなスマートコミュニティーが開花するのが、「シンギュラリティ」と言うわけです。AIが人間の仕事を奪う時代がやってきます。医者など必要ありません。AIが診断をします。もう始まっているのです。FAANGの売上高利益率が高いのは、そういうことです。日本企業のROEが低いのは、村論理だからです。

カタルが変化を感じているのは、東芝の行動です。倒産の危機に置かれた会社が7000億円もの過剰資本を返却するのです。時代を象徴する現象です。株式投資は、常に「時代を創る」会社を応援することです。東芝は意外高する可能性が存在するかも知れません。

この2年物国債の動きは重要なので、株価などとの因果関係を、事前に自分で調べておくと良いのでしょう。カタルの進化論が新たな世界を見せるのか? この確認が取れるのは、やはり秋ごろになるのかな? 一つの仮説ですからね。カタルはいつも…あるアイディアが頭に浮かぶと…そのアイディアを実際に市場で試しています。株式市場で、投資の成果を高めるのは、この実験と検証を繰り返して…自分の技量を上げるしかないと思っています。

当たり前のことですが、カタルの仮説など、当たるかどうかも分かりません。皆さんの投資のヒントになれば幸いです。

さて昨日夕刻には、有料会員向けレポートを書き上げ既にアップしてありますから、会員の方はお読みください。それでは…また明日。



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