アーカイブ:2019年3月23日

新しい時代のパーツ

強かったNY市場は大幅安して終わりました。クリスマスショックにより「期待値の剥落」が起きてガス抜きになっていますが、そう簡単に新高値は抜けないのでしょう。もともと乖離率が非常に高い「ユーフォリア状態」だったのです。

その修復過程ですから、もう少し高値圏での「もみ合い相場」を続けないと時間が足りません。基本的に数か月間の揉み合い場面が、続くものと理解しています。その様子をSP500のロングチャートで見て下さい。

SP500の週足推移

今後、数か月間が正念場なのでしょう。でも上海総合株価指数が上昇し始めていることは力強い応援材料です。この背景は中国の政策当局の金融・財政支援により景気が持ち直す事を示しています。米国経済も基本的に投資が減りませんから心配はないのでしょう。

一番、深刻なのはEU圏です。ブレグジットもありますが、デモ活動が頻発するフランスは深刻な状況のようです。スペイン、イタリアも、まだまだ…なのでしょう。カタルは厳格な財政支出基準が足枷になっていると思っています。ECBが再開した貸し出し条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)は、基本的にイタリアなどの借換債への資金供給です。リファイナンスの延命処置です。此方の記事を読むとその様子が分かります。

カタルの前からの持論ですが、世界の金融界に求めた高い自己資本比率規制が、そもそも問題なのだろうと思っています。本日の日経新聞の第一生命の不動産投資の話も、関連していると推測しています。このような記事は、昨年末からカタルが何度も指摘して報じている三井住友銀行の自己資本比率規制達成のレポート(12/26)と同じ意味を持ちます。

カタルが何故、来年にも「名目時代の確立」が、実感できると述べているか? 今回の国土交通省の地価調査でも、地方の住宅地価格(後発組)が上昇した意味は非常に大きいのです。全てが繋がっています。このような目に見えない繋がりが感じられるようになれば…本物の投資家に成れる…とカタルは信じています。

カタルは2003年のみずほが10万円を割れる相場を見て、ようやく立ち直ったと思ったのですが、再びあえなく沈んだのはリーマンショックの影響でした。どうして…邦銀株は割安なのに…なかなか株価が上昇しないか? それはこのリーマンショックを受けて世界の金融機関に自己資本比率の厳格な規制が、新たに求められたためになかなか投資活動が起りませんでした。

その民間分の補てんを、世界の中央銀行が賄ってきました。でもFRBが今年9月にも資金回収を終えると言う意味は、世界の金融機関が、改善に戸惑っている証でしょう。ドイツ銀行などを見ると分かります。イタリアは中国の一帯一路構想の受け入れを表明しています。中国から資金を借りると言う事はベネズエラのような国の道を示しています。イタリアはEUの厳しい財政支出基準の為にも、もともと不満を抱えています。そうしてフランスなどとの関係は上手く行っていません。ドイツは厳格な国ですからね。妥協などしません。

さて世界の流れを、ざっと掴みましたから…肝心の日本です。この3月に三井住友がどの程度の自社株買いを発表するか? この3月の意味は、決算発表をする5月です。みずほは3行の社内争いで、システム投資が周回遅れになり、ようやく新システムに転換し、陳腐化した資産の特別損失を計上したので無理です。三菱UFJと三井住友でしょう。ここが5月の見所になります。

本日の日経新聞の第一生命などの資産投資の拡大を見ると、日本はようやく資産拡大の輪が広がって来たと思っています。

東京23区の貸ビル状況(三幸エステート調べ)

そこで、貸しビル業界を見てみましょう。今は住友不動産に代表されるように一部の積極派の開発組が、春を謳歌してきましたが…ようやく今度は、空室率も上昇するのでしょう。しかし賃料はそんなに下がらないと思っています。日本の人口問題は深刻ですが…それ以上に労働者不足は深刻です。セブンイレブンが24時間営業の看板を下ろす事を検討するほどなのです。

今はスマートコミュニティーへの過渡期です。外国人労働者を受け入れ、均等化するポイントが何処辺りか?…を探ります。基本的に定年延長などをしていますが、団塊の世代は退職期を迎えており、なかなか補えないのでしょう。生産人口の世代変わりです。

時代は、現役世代を応援し、所得分配の構造が変わると考えています。基本的な流れは、年金生活者から働く若者への支援です。だから増え続ける社会保障費の削減は切磋の課題です。5G時代に突入して、日本の保険診療部分の見直しも必要になるでしょう。延命治療など…公的保険制度で認めるべきかどうか…等の議論を進めるべきでしょう。スマート化を推進すると…大幅に医療費などを減らせると思っています。

新しい産業が続々と誕生しなくてはなりませんから…古い産業の淘汰が起ります。東証の登録基準の見直しは、ある意味で必要不可欠な現象でしょう。この部分が見えるようになると、相場の世界も新しいステップアップの時代になると思っています。

どの程度の時間推移で日本株が新基準を表明するか?の時間はドンドンと早まっています。本日の日経新聞で銀行が持ち合い株を売り続けていると言う記事がありますが、企業統治の基本的な考え方が、大きく変化しています。だから東芝株に注目が集まります。ゴーン事件も、伊藤忠によるデサントへの敵対的TOBの成功など…日本が市場原理化に変化している証でしょう。

今日は話が飛んでおり、分かり辛いかも知れませんが、カタルの頭の断片を挙げてみました。問題は、このようなパーツの繋がりを、どう考えて行くか? この辺りが、今年の株式投資の成果を左右するところなのでしょう。それでは…また明日。

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